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46話 暇つぶし
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次の日。僕たちは朝ご飯を食べながら、今後どうするかを話す。
「こんな雨じゃあ馬車は動かせねぇな。無理に行こうと思えば行けるが、地面は泥になってるだろうから車輪が沈むなぁ」
「それに馬の体力が無くなりそうだね」
「大丈夫だと思うが。幌が雨の重さに耐えらえず、幌が沈むかもしれんな」
「やっぱり雨が止むまで待つしか無いよなぁ。いつまで降ってるんだろ?」
「風がほぼ無いから、当分降ってるだろうな。魔法で何処かに吹き飛ばすか、あるいは止むまで待つか」
「昨日タクヤが言ってた事をやるのか。お前の魔力が持つのか?」
「さぁな。やった事がねぇから分からねぇな」
「それならボクがやった方が良いかな。タクヤより魔力が多いって自覚してるし」
「あぁそうだな。アレアの方が魔力があるから、アレアにやらせた方が良いな」
「やるのはいいのですが。ここ最近雨って降りましたか?」
「・・・降ってねぇな。言われてみれば、最近雨は降ってねぇな」
「他の所ではどうかは知らないが。自分たちが今まで通って来た道は、あんまり降って無かったな」
「降る時はこれでもかって言うほど降ってたけど。今回は全然降らなかったね。もしかして。今回は1週間2週間じゃ止まない?」
アレアがそう言うと、僕たちは頭を抱える。
「おいおいマジかよ・・・。久しぶりにサラバン村行の客を乗せたって言うに、こんな目に遭うのかよ・・・」
「えっ、そんなにサラバン村に行かないの?」
「もう全然っ。あそこに行くのは商人か冒険者、後はあの村の出身ぐらいだぜ。村の出身なら乗せる事があるが、冒険者は商人は護衛の依頼で行くからな、一般の人たちはほぼサラバン村に行かないぜ。因みに村の出身の奴らは、少し負けてるぜ」
優しいな。まぁ村になると、金とかがかなり困るからな。
「じゃあ商売上がったりじゃないか? それでどうやって暮らしている?」
「あぁ別にサラバン村行きだけじゃねぇ。他の所に行くってなると、すぐに客は来るぜ。今回はかなり稀だったがな」
「だから物好きと言ったのですね。では私たちが乗らなかったら、サラバン村には行かずに違う所に行ってましたか?」
「そうなるなぁ。まぁこの雨だから、今みてぇにどっかで野営をしてるだろうな」
「確かに。1週間以上足止めされたら、魔法で雨雲を何処かに吹き飛ばすしかないね」
「最終手段だな。今日はどうするか・・・」
「急にやる事が無くなったもねぇ。どうやって暇を潰そうか?」
こっちに来て暇つぶしがねぇ。漫画やゲームがあれば、すぐに暇を潰せるが。そんな物はねぇ。スマホがあるが。こんな所で出せねぇし、出しても何も役に立たねぇ。マジでどうするか・・・。
僕は周りを見る。朝ご飯を食べ終わって、皆それぞれ別の事をやる。シルビアは剣で素振りをする。ベラは聖女だから祈りをしている。アルセルとアレアは武器の手入れをして、馭者は馬の世話と馬車の点検をしている。
皆やってる事がバラバラだな。僕はどうするか・・・。胡坐を組んで気配察知でも鍛えるか。
僕は胡坐を組んで目を閉じて集中をして、周りの気配を感じ取る。
「あぁ嫌になるなぁ~。こんなに雨が降ってると、気分が落ち込むよ」
「そうだな。それにしても四天王は後1人か。どんな人だろうな」
「分からないね。でもいい人じゃないの? 今まであって来た人たちはそうだし」
「かもな。最後の四天王に会って、その四天王から私物を貰ったら、次は魔王城に行くのか。その前に砂漠を超えて、山を超えないといけないんだよなぁ。先ず砂漠で俺達死ぬんじゃないか?」
「大丈夫じゃない? アディシアが何とかしそうだし。何ら空を飛んで砂漠を簡単に超えるかもよ」
「やりそうだな。そのまま山も超えるかもな」
「でもあの山って確かドラゴンがいたよね。そのドラゴンと戦わないといけないのかな?」
「どうだろうな。ただ通るだけなら何にもないだろうけど、魅入られたら戦うしかないだろ」
「そんな話あったね。何か絶対に戦う事になりそう・・・。タクヤが勇者って分かったら、戦いになりそう」
「・・・なりそうだな。そのタクヤは一体何をしてっ。何やってるんだアイツは? 魔力をあんなに作って、何をしてるんだ?」
「さ、さぁ? シルビアみたいに、何かの特訓じゃないの?」
「それしか考えられないけど。あんなに魔力を作って大丈夫なのか?」
「何とも無いから、大丈夫なんじゃない?」
「そ、そっか」
俺達は武器の手入れをする。
・・・さっきからタクヤの魔力が可笑しいぞ。自分はそこまで魔力を感じたりはしないが、明らかに可笑しい。ちょっと止めるべきか。
「おいタクヤ。それ以上魔力を作るな。・・・聞こえてるのか?」
「――――――んあ? 何か言ったか?」
「言ったぞ。これ以上魔力を作るなってな」
「ワリィ。集中してたから、全然聞こえて無かった。僕は魔力なんて作ってねぇぞ」
「無自覚で作っていたのか・・・。何か身体に異変は?」
「何ともねぇが。魔力が沢山あるとどうなるんだ?」
「血反吐を吐くぞ。最悪死ぬ」
「ま、マジかよ・・・。気を付けるわ」
「そうしてくれ」
シルビアは素振りを再開する。僕は一度休憩をする。
「こんな雨じゃあ馬車は動かせねぇな。無理に行こうと思えば行けるが、地面は泥になってるだろうから車輪が沈むなぁ」
「それに馬の体力が無くなりそうだね」
「大丈夫だと思うが。幌が雨の重さに耐えらえず、幌が沈むかもしれんな」
「やっぱり雨が止むまで待つしか無いよなぁ。いつまで降ってるんだろ?」
「風がほぼ無いから、当分降ってるだろうな。魔法で何処かに吹き飛ばすか、あるいは止むまで待つか」
「昨日タクヤが言ってた事をやるのか。お前の魔力が持つのか?」
「さぁな。やった事がねぇから分からねぇな」
「それならボクがやった方が良いかな。タクヤより魔力が多いって自覚してるし」
「あぁそうだな。アレアの方が魔力があるから、アレアにやらせた方が良いな」
「やるのはいいのですが。ここ最近雨って降りましたか?」
「・・・降ってねぇな。言われてみれば、最近雨は降ってねぇな」
「他の所ではどうかは知らないが。自分たちが今まで通って来た道は、あんまり降って無かったな」
「降る時はこれでもかって言うほど降ってたけど。今回は全然降らなかったね。もしかして。今回は1週間2週間じゃ止まない?」
アレアがそう言うと、僕たちは頭を抱える。
「おいおいマジかよ・・・。久しぶりにサラバン村行の客を乗せたって言うに、こんな目に遭うのかよ・・・」
「えっ、そんなにサラバン村に行かないの?」
「もう全然っ。あそこに行くのは商人か冒険者、後はあの村の出身ぐらいだぜ。村の出身なら乗せる事があるが、冒険者は商人は護衛の依頼で行くからな、一般の人たちはほぼサラバン村に行かないぜ。因みに村の出身の奴らは、少し負けてるぜ」
優しいな。まぁ村になると、金とかがかなり困るからな。
「じゃあ商売上がったりじゃないか? それでどうやって暮らしている?」
「あぁ別にサラバン村行きだけじゃねぇ。他の所に行くってなると、すぐに客は来るぜ。今回はかなり稀だったがな」
「だから物好きと言ったのですね。では私たちが乗らなかったら、サラバン村には行かずに違う所に行ってましたか?」
「そうなるなぁ。まぁこの雨だから、今みてぇにどっかで野営をしてるだろうな」
「確かに。1週間以上足止めされたら、魔法で雨雲を何処かに吹き飛ばすしかないね」
「最終手段だな。今日はどうするか・・・」
「急にやる事が無くなったもねぇ。どうやって暇を潰そうか?」
こっちに来て暇つぶしがねぇ。漫画やゲームがあれば、すぐに暇を潰せるが。そんな物はねぇ。スマホがあるが。こんな所で出せねぇし、出しても何も役に立たねぇ。マジでどうするか・・・。
僕は周りを見る。朝ご飯を食べ終わって、皆それぞれ別の事をやる。シルビアは剣で素振りをする。ベラは聖女だから祈りをしている。アルセルとアレアは武器の手入れをして、馭者は馬の世話と馬車の点検をしている。
皆やってる事がバラバラだな。僕はどうするか・・・。胡坐を組んで気配察知でも鍛えるか。
僕は胡坐を組んで目を閉じて集中をして、周りの気配を感じ取る。
「あぁ嫌になるなぁ~。こんなに雨が降ってると、気分が落ち込むよ」
「そうだな。それにしても四天王は後1人か。どんな人だろうな」
「分からないね。でもいい人じゃないの? 今まであって来た人たちはそうだし」
「かもな。最後の四天王に会って、その四天王から私物を貰ったら、次は魔王城に行くのか。その前に砂漠を超えて、山を超えないといけないんだよなぁ。先ず砂漠で俺達死ぬんじゃないか?」
「大丈夫じゃない? アディシアが何とかしそうだし。何ら空を飛んで砂漠を簡単に超えるかもよ」
「やりそうだな。そのまま山も超えるかもな」
「でもあの山って確かドラゴンがいたよね。そのドラゴンと戦わないといけないのかな?」
「どうだろうな。ただ通るだけなら何にもないだろうけど、魅入られたら戦うしかないだろ」
「そんな話あったね。何か絶対に戦う事になりそう・・・。タクヤが勇者って分かったら、戦いになりそう」
「・・・なりそうだな。そのタクヤは一体何をしてっ。何やってるんだアイツは? 魔力をあんなに作って、何をしてるんだ?」
「さ、さぁ? シルビアみたいに、何かの特訓じゃないの?」
「それしか考えられないけど。あんなに魔力を作って大丈夫なのか?」
「何とも無いから、大丈夫なんじゃない?」
「そ、そっか」
俺達は武器の手入れをする。
・・・さっきからタクヤの魔力が可笑しいぞ。自分はそこまで魔力を感じたりはしないが、明らかに可笑しい。ちょっと止めるべきか。
「おいタクヤ。それ以上魔力を作るな。・・・聞こえてるのか?」
「――――――んあ? 何か言ったか?」
「言ったぞ。これ以上魔力を作るなってな」
「ワリィ。集中してたから、全然聞こえて無かった。僕は魔力なんて作ってねぇぞ」
「無自覚で作っていたのか・・・。何か身体に異変は?」
「何ともねぇが。魔力が沢山あるとどうなるんだ?」
「血反吐を吐くぞ。最悪死ぬ」
「ま、マジかよ・・・。気を付けるわ」
「そうしてくれ」
シルビアは素振りを再開する。僕は一度休憩をする。
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