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第55話おつまみ7
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鶏むね肉を一枚、用意します。
「お?珍しいな。肉か」
料理長の言葉を聞きながら、鶏むね肉の皮を丁寧に剥ぎ取る。
つるりと外れた皮を脇に置き、皮なしになったむね肉に塩コショウを振る。
「はい。むね肉は脂肪も少ないですし、あっさりしていますからね」
「で、その皮は?」
あ、そうだ。
よく考えれば、ここにはちょうど手の空いている人がいる。
「では料理長。この鶏皮を一口大に切って、塩コショウしてください」
「へっ!?俺か!?」
急に声をかけられ、大きな図体のわりに可愛いほど慌てだす。
「では、お願いしますね」
「お、おう!」
よし。
正直、鶏皮って切りにくいんだよね。ぬるぬるして滑るし、包丁がうまく入らない。
こちらは次の準備。
お酢、卵黄、塩、油を用意する。
要はマヨネーズだ。
まず、お酢・卵黄・塩をボウルに入れ、泡立て器でよく混ぜる。
卵黄の鮮やかな黄色が、お酢と混ざって少し薄くなる。
そこへ少しずつ、本当に少しずつ油を足していく。
最初は数滴ずつ。
一気に入れると分離してしまうから、慎重に。
混ぜながら、ゆっくりと油を垂らす。
すると、だんだん白くとろりとしてくる。
この変化が、毎回面白い。
白くとろりとしてきたら、自家製マヨネーズの完成。
市販のものとは違う、まろやかで優しい味わい。
そのマヨネーズに味噌を少し、さらにレモン汁を加え、下味用のソースを作る。
味噌のコクとレモンの爽やかさが、マヨネーズに深みを与える。
それをむね肉にしっかり絡むように揉み込み、全体に行き渡らせる。
手で優しく揉み込むと、ソースがお肉の繊維に染み込んでいく。
このまま、十分ほど置いてなじませる。
その間に、お肉がしっとりと柔らかくなるはず。
「切らんのか?」
下味をつけたまま丸ごと置いてあるのが気になるらしい。
「どちらでもいいですよ。確かに切った方が味は染みますけど、今回はソースも用意するので。好みですね」
次は付け合わせのソース。
一つ目のココットには、粒マスタードとマヨネーズを混ぜる。
粒マスタードのプチプチとした食感が、アクセントになる。
もう一つのココットには、マヨネーズを入れ、ブラックペッパーをミルでガリガリと挽く。
挽きたてのブラックペッパーの香りが、ふわっと広がる。
この香り、たまらない。
マヨネーズって、本当に万能。
「そのソース、何にでも合いそうだな」
「そうですね。普通に野菜のディップでもいいですよ。なので、野菜スティックも出します」
そろそろ、お肉もいい頃合い。
触ってみると、ソースが馴染んで、しっとり、いい感じになってる。
「あ、その皮、パリパリに焼いてください。出てきた油は拭きながら、しっかりですよ」
「おう、任せとけ」
得意げに言うが、まあ簡単だ。
鶏むね肉を一センチほどのそぎ切りにする。
繊維を断ち切るように斜めに切ることで、焼いても固くなりにくい。
包丁を斜めに入れて、すーっと引く。
きれいな断面が現れる。
中火のフライパンで焼いていく。
ジュワッと、いい音。
お肉から湯気が立ち上る。
薄いので、火の通りは早い。
焼きすぎないのがポイントだ。
表面に焼き色がついたら、すぐにひっくり返す。
そうすると中がしっとりと柔らかい。
焼き上がったら皿に盛り、ブラックペッパーと刻みパセリを散らす。
白いお肉に、黒と緑が映える。
さて、次は野菜スティック。
セロリ、人参、大根、きゅうりは定番。
シャキシャキとした食感が楽しめる。
そこに一口大のラディッシュ。
赤と白のコントラストが可愛い。
そして、鮮やかな緑のピーマン。
これを細長くカットして、スティック状にする。
「おい、それピーマンだろ?パプリカじゃねえよな?」
料理長が、驚いたように声を上げた。
「ピーマンですよ」
「生で食うのか!?」
「はい。でも、新鮮なピーマンは生で食べると美味しいんです」
「あの苦いのを?」
「新鮮なものは違うんですよ。ほら」
カットしたピーマンを一本、料理長に差し出す。
料理長は疑わしそうな顔で受け取り、恐る恐る口に運んだ。
ぽりっ。
「……あれ?」
「でしょ?」
新鮮なピーマンは、青臭さよりも、みずみずしい甘みが先に来る。
シャキッとした歯ごたえ。
噛むと、ほんのりと甘い香りが鼻に抜ける。
そして後から、ほのかな苦味。
でも、それが爽やかで、全然嫌じゃない。
むしろ、この苦味がアクセントになって、もう一本、もう一本と手が伸びてしまう。
「うめえ……」
料理長が、目を丸くしている。
「うめえぞ、これ!何だこれ!?」
「だから、新鮮なピーマンです」
「いや、わかってるが……。こんな甘いのか?」
「新鮮だと、青臭さが少なくて、甘みが際立つんです。それに、生だとシャキシャキして、食感も楽しいでしょ?」
「確かに……。歯ごたえがいい。それに、この後から来る苦味が……癖になるな」
ぽりぽりと、もう一本手を伸ばす料理長。
「ほら、止まらなくなるでしょ?」
「やべえ。本当に止まらねえ」
「でしょ?私もいくつでも食べられちゃうんです」
「これ、酒のつまみにもいいんじゃねえか?」
「勿論。塩を少しつけて食べても美味しいですしね」
「マジか……。ピーマンってこんなに美味かったのか……」
料理長が、感動したように呟く。
「新鮮なものは、本当に違うんですよ、そんなことより、焦げてませんか?」
フライパンそっちのけだ。
慌てて見て、ドヤ顔で私を見てきた。
「大丈夫。で、何処まで皮を焼くんだ?」
何も無かったように振る舞う姿に、笑ってしまった。
見ると、皮は程よく焼けているけど、内側が少しぷるんと残っている。
完全に脂を落として完全なパリパリが好きな人もいれば、この食感が好きな人もいる。
御義父様は……。
むね肉がさっぱりしている分、少しコクが残っている方が良いか。
「はい、それでいいです。最後にもう一度、軽く塩コショウしてください。焼いている間に落ちていますから」
「わかった」
火を止め、塩コショウを振って軽く混ぜる。
「はい、それで出来上がりです」
一口、味見。
うん。いい。
柔らかくて、ジューシー。
下味のソースが効いて、そのままでも十分美味しい。
「あ!待って!!それは御義父様のです。あとは自分たちで作ってください」
フォーク片手に張り切って刺そうとしてる。
「えー。少しくらいいいだろ」
だめです。
本当に油断も隙もない。
さっさとワゴンに料理と野菜を載せ、御義父様の部屋へ向かった。
後ろから、ピーマンうめえ!!という声に、ふふん、と笑いが出た。
「先日、街へ行った時、騎士団の者に声をかけられたらしいな」
「はい」
「あら、この鶏肉、とても柔らかいですね」
ハザードも当然のように輪に加わって食べている。
「確かに、美味い。それも、ほのかに味が付いているからこのままでもいいかもな」
ありがとうございます、御義父様。
「そうですね。このソースも、美味しいですよ。お肉でも、野菜でも合いますね」
ありがとう、ハザード。
2人の、表情が何より嬉しいです。
「オーリュゥン様が助けてくださったので、問題なかったです」
「えらくオーリュゥンが皆を叱っていたぞ。見ず知らずの女性に声をかけるとは、騎士団としての自覚はあるのか、とな」
「でも、お休みであれば自由では?」
「そうだが、シャーリーに声をかけたことが問題なんだ」
「偶然ですよ」
「だが、噂になっている。『綺麗なご息女ですね』と。私も鼻が高い」
「……それは、どうかと……。ですが、御義父様にご迷惑でなければ嬉しいです」
「謙虚もよろしいですが、もう少しご自身の容姿を理解なさった方がいいですよ。思っている以上に、お美しいのですから」
「今さらシャーリーに言ってどうする。気にしていないようだからな。それより、オーリュゥンはどうだった?」
ああ、そこを聞きたかったのですね。
「まあまあ、ですか?」
御義父様が指導されている手前、「面倒な方です」とは言えない。
「まあまあ、か。シャーリーが言うと、なかなか含みのある顔になるな」
苦笑しながら、見抜かれてしまった。
「すみません……」
「いや、いい。この二人でなくとも構わないのだから」
優しく微笑みながらも、食べることも飲むことも止めない御義父様達だった。
この三人でいる、
この時間が、
何よりも私にとって幸せだ。
「お?珍しいな。肉か」
料理長の言葉を聞きながら、鶏むね肉の皮を丁寧に剥ぎ取る。
つるりと外れた皮を脇に置き、皮なしになったむね肉に塩コショウを振る。
「はい。むね肉は脂肪も少ないですし、あっさりしていますからね」
「で、その皮は?」
あ、そうだ。
よく考えれば、ここにはちょうど手の空いている人がいる。
「では料理長。この鶏皮を一口大に切って、塩コショウしてください」
「へっ!?俺か!?」
急に声をかけられ、大きな図体のわりに可愛いほど慌てだす。
「では、お願いしますね」
「お、おう!」
よし。
正直、鶏皮って切りにくいんだよね。ぬるぬるして滑るし、包丁がうまく入らない。
こちらは次の準備。
お酢、卵黄、塩、油を用意する。
要はマヨネーズだ。
まず、お酢・卵黄・塩をボウルに入れ、泡立て器でよく混ぜる。
卵黄の鮮やかな黄色が、お酢と混ざって少し薄くなる。
そこへ少しずつ、本当に少しずつ油を足していく。
最初は数滴ずつ。
一気に入れると分離してしまうから、慎重に。
混ぜながら、ゆっくりと油を垂らす。
すると、だんだん白くとろりとしてくる。
この変化が、毎回面白い。
白くとろりとしてきたら、自家製マヨネーズの完成。
市販のものとは違う、まろやかで優しい味わい。
そのマヨネーズに味噌を少し、さらにレモン汁を加え、下味用のソースを作る。
味噌のコクとレモンの爽やかさが、マヨネーズに深みを与える。
それをむね肉にしっかり絡むように揉み込み、全体に行き渡らせる。
手で優しく揉み込むと、ソースがお肉の繊維に染み込んでいく。
このまま、十分ほど置いてなじませる。
その間に、お肉がしっとりと柔らかくなるはず。
「切らんのか?」
下味をつけたまま丸ごと置いてあるのが気になるらしい。
「どちらでもいいですよ。確かに切った方が味は染みますけど、今回はソースも用意するので。好みですね」
次は付け合わせのソース。
一つ目のココットには、粒マスタードとマヨネーズを混ぜる。
粒マスタードのプチプチとした食感が、アクセントになる。
もう一つのココットには、マヨネーズを入れ、ブラックペッパーをミルでガリガリと挽く。
挽きたてのブラックペッパーの香りが、ふわっと広がる。
この香り、たまらない。
マヨネーズって、本当に万能。
「そのソース、何にでも合いそうだな」
「そうですね。普通に野菜のディップでもいいですよ。なので、野菜スティックも出します」
そろそろ、お肉もいい頃合い。
触ってみると、ソースが馴染んで、しっとり、いい感じになってる。
「あ、その皮、パリパリに焼いてください。出てきた油は拭きながら、しっかりですよ」
「おう、任せとけ」
得意げに言うが、まあ簡単だ。
鶏むね肉を一センチほどのそぎ切りにする。
繊維を断ち切るように斜めに切ることで、焼いても固くなりにくい。
包丁を斜めに入れて、すーっと引く。
きれいな断面が現れる。
中火のフライパンで焼いていく。
ジュワッと、いい音。
お肉から湯気が立ち上る。
薄いので、火の通りは早い。
焼きすぎないのがポイントだ。
表面に焼き色がついたら、すぐにひっくり返す。
そうすると中がしっとりと柔らかい。
焼き上がったら皿に盛り、ブラックペッパーと刻みパセリを散らす。
白いお肉に、黒と緑が映える。
さて、次は野菜スティック。
セロリ、人参、大根、きゅうりは定番。
シャキシャキとした食感が楽しめる。
そこに一口大のラディッシュ。
赤と白のコントラストが可愛い。
そして、鮮やかな緑のピーマン。
これを細長くカットして、スティック状にする。
「おい、それピーマンだろ?パプリカじゃねえよな?」
料理長が、驚いたように声を上げた。
「ピーマンですよ」
「生で食うのか!?」
「はい。でも、新鮮なピーマンは生で食べると美味しいんです」
「あの苦いのを?」
「新鮮なものは違うんですよ。ほら」
カットしたピーマンを一本、料理長に差し出す。
料理長は疑わしそうな顔で受け取り、恐る恐る口に運んだ。
ぽりっ。
「……あれ?」
「でしょ?」
新鮮なピーマンは、青臭さよりも、みずみずしい甘みが先に来る。
シャキッとした歯ごたえ。
噛むと、ほんのりと甘い香りが鼻に抜ける。
そして後から、ほのかな苦味。
でも、それが爽やかで、全然嫌じゃない。
むしろ、この苦味がアクセントになって、もう一本、もう一本と手が伸びてしまう。
「うめえ……」
料理長が、目を丸くしている。
「うめえぞ、これ!何だこれ!?」
「だから、新鮮なピーマンです」
「いや、わかってるが……。こんな甘いのか?」
「新鮮だと、青臭さが少なくて、甘みが際立つんです。それに、生だとシャキシャキして、食感も楽しいでしょ?」
「確かに……。歯ごたえがいい。それに、この後から来る苦味が……癖になるな」
ぽりぽりと、もう一本手を伸ばす料理長。
「ほら、止まらなくなるでしょ?」
「やべえ。本当に止まらねえ」
「でしょ?私もいくつでも食べられちゃうんです」
「これ、酒のつまみにもいいんじゃねえか?」
「勿論。塩を少しつけて食べても美味しいですしね」
「マジか……。ピーマンってこんなに美味かったのか……」
料理長が、感動したように呟く。
「新鮮なものは、本当に違うんですよ、そんなことより、焦げてませんか?」
フライパンそっちのけだ。
慌てて見て、ドヤ顔で私を見てきた。
「大丈夫。で、何処まで皮を焼くんだ?」
何も無かったように振る舞う姿に、笑ってしまった。
見ると、皮は程よく焼けているけど、内側が少しぷるんと残っている。
完全に脂を落として完全なパリパリが好きな人もいれば、この食感が好きな人もいる。
御義父様は……。
むね肉がさっぱりしている分、少しコクが残っている方が良いか。
「はい、それでいいです。最後にもう一度、軽く塩コショウしてください。焼いている間に落ちていますから」
「わかった」
火を止め、塩コショウを振って軽く混ぜる。
「はい、それで出来上がりです」
一口、味見。
うん。いい。
柔らかくて、ジューシー。
下味のソースが効いて、そのままでも十分美味しい。
「あ!待って!!それは御義父様のです。あとは自分たちで作ってください」
フォーク片手に張り切って刺そうとしてる。
「えー。少しくらいいいだろ」
だめです。
本当に油断も隙もない。
さっさとワゴンに料理と野菜を載せ、御義父様の部屋へ向かった。
後ろから、ピーマンうめえ!!という声に、ふふん、と笑いが出た。
「先日、街へ行った時、騎士団の者に声をかけられたらしいな」
「はい」
「あら、この鶏肉、とても柔らかいですね」
ハザードも当然のように輪に加わって食べている。
「確かに、美味い。それも、ほのかに味が付いているからこのままでもいいかもな」
ありがとうございます、御義父様。
「そうですね。このソースも、美味しいですよ。お肉でも、野菜でも合いますね」
ありがとう、ハザード。
2人の、表情が何より嬉しいです。
「オーリュゥン様が助けてくださったので、問題なかったです」
「えらくオーリュゥンが皆を叱っていたぞ。見ず知らずの女性に声をかけるとは、騎士団としての自覚はあるのか、とな」
「でも、お休みであれば自由では?」
「そうだが、シャーリーに声をかけたことが問題なんだ」
「偶然ですよ」
「だが、噂になっている。『綺麗なご息女ですね』と。私も鼻が高い」
「……それは、どうかと……。ですが、御義父様にご迷惑でなければ嬉しいです」
「謙虚もよろしいですが、もう少しご自身の容姿を理解なさった方がいいですよ。思っている以上に、お美しいのですから」
「今さらシャーリーに言ってどうする。気にしていないようだからな。それより、オーリュゥンはどうだった?」
ああ、そこを聞きたかったのですね。
「まあまあ、ですか?」
御義父様が指導されている手前、「面倒な方です」とは言えない。
「まあまあ、か。シャーリーが言うと、なかなか含みのある顔になるな」
苦笑しながら、見抜かれてしまった。
「すみません……」
「いや、いい。この二人でなくとも構わないのだから」
優しく微笑みながらも、食べることも飲むことも止めない御義父様達だった。
この三人でいる、
この時間が、
何よりも私にとって幸せだ。
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