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第二話 第二章
第三節
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「はぁあああ!」
「死ねやァ!!」
接近と同時に振るわれる拳とナイフ。互いの初撃が重なり空気が爆ぜる。
そのまま接近戦に移行する双方。隙を喰らい合うかのように乱打戦を繰り広げる。
経験の差なのかメイソンの方が若干押していた。
「くァ…ッ!?」
「シャァ!隙アリだぜ!!」
ガードが弾かれた白雪。笑みを浮かべたメイソンは隙が出来た腹部へとナイフを叩き込む。
「フウッ……」
一呼吸入れた白雪。瞬間、出来たと思われた隙に即座に対応する。
まるで待っていたような動きにメイソンは、これは武術特有のフェイント、撒き餌だと悟る。
『二重』
呟きと同時の踏み込みにより放たれた白雪の打撃。ナイフで受けるメイソンだが、一打なのに何故か二打が発生する特殊な打撃に思わずナイフを弾き落とす。
『三重』
武術の演武のような流れる足運びで更に続く白雪の攻撃。一足の踏み込みと同時に放たれる打撃は次に三打生み、取り出したばかりのナイフを弾き落とした。
「すごい…これが師匠が言っていた。【星】の格闘技『御雷』…古くに日本国で生み出され受け継がれてきた技ですか……」
取り出したナイフを次々と弾き落とす白雪の姿を見て、感嘆の声を上げるエイプリル。
一撃一撃が強力な大和の『龍桜』とはまた別、重なり響くような打撃は遠雷ような連撃を生み出し、堅牢な守りを有していてもたちどころに打ち破るだろう。
「チィイイイイイ!!」
もどかしそうな表情を見せたメイソン。懐からこれまでとは異なる小型のダガーナイフを取り出した。
「そのようなナイフということは武器が尽きてきましたねッ!それにいくら出そうが無駄な事ッ!!」
同じように弾き落とそうとする白雪。そこにメイソンはいやらしそうな笑みを浮かべた。
【演目】『低俗な罠 遅すぎる拘束罠 』
【星具】か…何かのキーか…突然の【演目】。
メイソンがダガーナイフをかざすと同時に白雪の足元にトラバサミが急に発生した。
「しまッ…!?」
此方が優勢という事もあり慢心していたのだろう。突然の想定外に思わずそう漏らす白雪。
まるで代償のようにトラバサミはガシャンという音と共に閉じた。
「イヤッハァ!」
勝利を確信したメイソン。楽しそうな笑みを浮かべながらナイフを叩き込む。
だが…。
「なッ!」
ナイフの刃は黒い影によって阻まれていた。
更には挟まれた足にも同じように纏わりつき白雪の足を守っていた。
「見学だけと言われましたが…こういう時は手助けしても良いはずです」
「エイプリルさんッ!!」
「また手前かクソガキィ!!」
メイソンの悪態に「うぃ」と答えたエイプリル。そのまま足元の影は万力のようにトラバサミを広げ、その隙に白雪は抜け出した。
「いったい何度何度なんどォ!俺の邪魔すれば気が済むんだァ!?」
標的を変えエイプリルに向かっていったメイソン。ナイフを構えそして振るう。
だが、エイプリルは流れるような動きで逸らし躱す。
そのまま杖を用いて逆にメイソンを押し倒した。
「「なッ!?」」
予想外の出来事に驚愕するメイソンと白雪。だが、白雪は少々内容が異なる。
エイプリルの動きそれは大和の体捌きに近かったからである。
「師匠に少々手解きを受けました。『龍桜』そのものは難しいとはいえ、その基礎の基礎は教えてもらっていますから!」
「クゥううう………~ッ…」
屈辱感により悔しそうな声を上げるメイソン。戦争で大の大人を殺しまくっていた自分が、同じ【星】とはいえ肉弾戦でこんな少女に制圧されるとは思わなかった。
(やばいやばいやばいヤバい、どうする?どうする!?)
思考を凝らせるメイソン。そして自分のダガーナイフを見て笑みを浮かべた。
「うぉオオオアアアア!!」
【演目】『低俗な罠 見えてる疑似餌』
渾身の力で拘束を解いたメイソン。無茶をした所為で右腕の骨が折れたが構わない。
そのまま大丈夫な左腕で【演目】を演る。
どこからともなくエイプリルと白雪の身体にテグスのようなワイヤーが絡みつく。
即座に切断しようとするエイプリルと白雪。だがそれで十分、その隙を狙ってメイソンは逃亡の為に外に飛び出した。
窓を突き破り駆けるメイソン。そこで自衛隊の隊員を発見する。
(負傷者は足手まとい。そうだよなァ?)
いやらしい笑みを浮かべるメイソン。こちらも負傷はしているが、ただの人間相手なら問題はない。
ナイフを構えて襲いかかろうとする。
だが……。
「窓が割れた音が聞こえて来たがドンピシャだったな」
『おいおい、将軍のお師匠様。伝達役の俺の活躍も忘れないでくれよ』
そこにエイプリルの狗を伴って現れたのは大和であった。
「呉成・大和……『龍王』オッ!??」
「おっ、俺を知ってんのかい?だったら話が早ぇや……」
「うっ、うわアアアアアアアアアアアアアァァァァァ!!!」
「ブチのめさせてもらうぜ」
いったい何処で間違えたのか?捕捉された時点で一目散に逃亡するべきだったのか?
警戒すべき【星】の一つ。それが最悪のタイミングで現れたことによりお化けを怖がる幼子のように歯をガチガチと鳴らしながらナイフを構えるメイソン。
意識が吹き飛ぶ最後に見た光景は速度によって幾重にも迫る大和の拳であった。
「死ねやァ!!」
接近と同時に振るわれる拳とナイフ。互いの初撃が重なり空気が爆ぜる。
そのまま接近戦に移行する双方。隙を喰らい合うかのように乱打戦を繰り広げる。
経験の差なのかメイソンの方が若干押していた。
「くァ…ッ!?」
「シャァ!隙アリだぜ!!」
ガードが弾かれた白雪。笑みを浮かべたメイソンは隙が出来た腹部へとナイフを叩き込む。
「フウッ……」
一呼吸入れた白雪。瞬間、出来たと思われた隙に即座に対応する。
まるで待っていたような動きにメイソンは、これは武術特有のフェイント、撒き餌だと悟る。
『二重』
呟きと同時の踏み込みにより放たれた白雪の打撃。ナイフで受けるメイソンだが、一打なのに何故か二打が発生する特殊な打撃に思わずナイフを弾き落とす。
『三重』
武術の演武のような流れる足運びで更に続く白雪の攻撃。一足の踏み込みと同時に放たれる打撃は次に三打生み、取り出したばかりのナイフを弾き落とした。
「すごい…これが師匠が言っていた。【星】の格闘技『御雷』…古くに日本国で生み出され受け継がれてきた技ですか……」
取り出したナイフを次々と弾き落とす白雪の姿を見て、感嘆の声を上げるエイプリル。
一撃一撃が強力な大和の『龍桜』とはまた別、重なり響くような打撃は遠雷ような連撃を生み出し、堅牢な守りを有していてもたちどころに打ち破るだろう。
「チィイイイイイ!!」
もどかしそうな表情を見せたメイソン。懐からこれまでとは異なる小型のダガーナイフを取り出した。
「そのようなナイフということは武器が尽きてきましたねッ!それにいくら出そうが無駄な事ッ!!」
同じように弾き落とそうとする白雪。そこにメイソンはいやらしそうな笑みを浮かべた。
【演目】『低俗な罠 遅すぎる拘束罠 』
【星具】か…何かのキーか…突然の【演目】。
メイソンがダガーナイフをかざすと同時に白雪の足元にトラバサミが急に発生した。
「しまッ…!?」
此方が優勢という事もあり慢心していたのだろう。突然の想定外に思わずそう漏らす白雪。
まるで代償のようにトラバサミはガシャンという音と共に閉じた。
「イヤッハァ!」
勝利を確信したメイソン。楽しそうな笑みを浮かべながらナイフを叩き込む。
だが…。
「なッ!」
ナイフの刃は黒い影によって阻まれていた。
更には挟まれた足にも同じように纏わりつき白雪の足を守っていた。
「見学だけと言われましたが…こういう時は手助けしても良いはずです」
「エイプリルさんッ!!」
「また手前かクソガキィ!!」
メイソンの悪態に「うぃ」と答えたエイプリル。そのまま足元の影は万力のようにトラバサミを広げ、その隙に白雪は抜け出した。
「いったい何度何度なんどォ!俺の邪魔すれば気が済むんだァ!?」
標的を変えエイプリルに向かっていったメイソン。ナイフを構えそして振るう。
だが、エイプリルは流れるような動きで逸らし躱す。
そのまま杖を用いて逆にメイソンを押し倒した。
「「なッ!?」」
予想外の出来事に驚愕するメイソンと白雪。だが、白雪は少々内容が異なる。
エイプリルの動きそれは大和の体捌きに近かったからである。
「師匠に少々手解きを受けました。『龍桜』そのものは難しいとはいえ、その基礎の基礎は教えてもらっていますから!」
「クゥううう………~ッ…」
屈辱感により悔しそうな声を上げるメイソン。戦争で大の大人を殺しまくっていた自分が、同じ【星】とはいえ肉弾戦でこんな少女に制圧されるとは思わなかった。
(やばいやばいやばいヤバい、どうする?どうする!?)
思考を凝らせるメイソン。そして自分のダガーナイフを見て笑みを浮かべた。
「うぉオオオアアアア!!」
【演目】『低俗な罠 見えてる疑似餌』
渾身の力で拘束を解いたメイソン。無茶をした所為で右腕の骨が折れたが構わない。
そのまま大丈夫な左腕で【演目】を演る。
どこからともなくエイプリルと白雪の身体にテグスのようなワイヤーが絡みつく。
即座に切断しようとするエイプリルと白雪。だがそれで十分、その隙を狙ってメイソンは逃亡の為に外に飛び出した。
窓を突き破り駆けるメイソン。そこで自衛隊の隊員を発見する。
(負傷者は足手まとい。そうだよなァ?)
いやらしい笑みを浮かべるメイソン。こちらも負傷はしているが、ただの人間相手なら問題はない。
ナイフを構えて襲いかかろうとする。
だが……。
「窓が割れた音が聞こえて来たがドンピシャだったな」
『おいおい、将軍のお師匠様。伝達役の俺の活躍も忘れないでくれよ』
そこにエイプリルの狗を伴って現れたのは大和であった。
「呉成・大和……『龍王』オッ!??」
「おっ、俺を知ってんのかい?だったら話が早ぇや……」
「うっ、うわアアアアアアアアアアアアアァァァァァ!!!」
「ブチのめさせてもらうぜ」
いったい何処で間違えたのか?捕捉された時点で一目散に逃亡するべきだったのか?
警戒すべき【星】の一つ。それが最悪のタイミングで現れたことによりお化けを怖がる幼子のように歯をガチガチと鳴らしながらナイフを構えるメイソン。
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