プライベート・スペクタル

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第三話 第三章

第九節

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「ぐぅギィイイ!?痛い痛い痛いッッ!!?」
超々至近距離の爆発に悶えるタークス。眼前の閃光に口腔内の慣れない痛みに大きく顔を歪める。
「ヘヘッ…流石に体内までは鋼鉄じゃあないらしいな…」
その感触からそう悟ったダイヤ。深追いはせず一旦距離を取った。
「ダイヤさんッ!?大丈夫ですか!!?」
「ああ、それより見えたか嬢ちゃん?奴への付け入る隙……」
「はい。ですが私自身まだ単独で彼に直接ダメージを与えられていません。隙を突くことが出来るでしょうか?」
「暫し待ってな」

【演目】『正義への疑問符 パラミシア・フォース』

白雪の不安を払しょくする様に【演目】を演ったダイヤ。瞬間鎚から放たれた運動エネルギーが白雪の肉体を包み込む。
「『正義の疑問符』での運動エネルギーを身に纏わせた。コイツで嬢ちゃんの拳の威力にも少し色が付いた筈さ……」
「ありがとうございますダイヤさん!これなら…ッ!」
「だがな嬢ちゃん、言っても一時しのぎだ。嬢ちゃん自身でもあの全裸に一撃入れるようになってもらいたい」
「それは勿論ッ!ですが先程の『三重』が私の今の全力……可能でしょうか?」
「……俺の知る限りあの体術はまだまだ先があったと思うぜ…」
「何か知っておられるのでしょうか!?」
「ヘヘッ…なぁにちょいと昔にあってな……それよりも来るぜ」
「ッツ!!?」
「あっああ……こんな姿じゃあダメだァ……こんな姿じゃあいられなィイ!!」

【演目】『知恵の果実ドレス・アップ ツーピース・ダブル』

嘆く様な声を挙げ自身の【演目】を演うタークス。
瞬間、周囲にあったビルや信号機、標識。アスファルトで舗装された地面に至るまで彼に引き寄せられる。それらは布の様にタークスを包み込み。彼を着飾り肥大していく。
そして瞬く間に巨大な人影へと姿を変えた。
『ああ…コレで良い……コレでこのタークスの魅力は落ちないィイイイイ…』
「へへッ成程……周囲の物質を取り込み身に纏う【演目】。これもあって生まれたままの姿だったというわけか」
周囲の摩天楼に並ぶ程の巨体へと化したタークスに笑うダイヤ。
「さぁ嬢ちゃん。ちょいと急拵えだが訓練の時間だぜ準備は良いか?」
「ですがダイヤさん。私は一体どうしたら?」
「そうだな……取り敢えず俺と一緒に来な、それだけでいい」
「………?」
「へへッ…今考えているような変な意味はないぜ」
「ッ!?ぁぁアア~~」
変な想像を見透かされた事で顔を赤らめる白雪。悪癖で横になりそうになるが何とか耐える。
だが、そのおかげで変な緊張だけは解けたようであった。
「さぁ来るぜ!」
そんなやり取りの中、仕掛けるタークス。薙ぎ払うように腕を振るう。
巨体から放たれる威力は周囲の摩天楼を崩落させた。
だが、巨体故に動きが先程よりも一段落ちておりダイヤと白雪は何とか躱すことが出来た。
白雪は回避しか出来なかったが、ダイヤはそのまま腕に乗り駆け上がっていく。
その間も釘を打つかのように等間隔で鎚による打撃を叩き込みつつ腕を昇っていく。
「喰らいなァ!」

【演目】『正義への疑問符 アースパイル』

そしてそのまま跳び上がり【演目】によって顔面を殴りつける。
昇る間の運動エネルギーを充填した打撃は顔面の一部を粉砕し巨体をよろめかせた。
『アァアアアァァァ!!…折角着飾ったのにィイイイ…』
「ヘヘッ、やっぱり大したことない野郎だなァ!無駄にタッパが増した割にそんな攻撃しか出来ないなんてなァ!!」
『キィイイイイイイ!!…潰す潰す潰すゥウウウウ…!!』
そう吼えダイヤを捉えようと手を伸ばすタークス。だが、ヒラリヒラリと眼前で飛ぶ虫の様にダイヤは躱し続ける。

【演目】『正義への疑問符 パンズ・ブレックス』

『何だ!?』
躱しながら隙を突き【演目】を演ったダイヤ。鎚を振り回して得た運動エネルギーを飛ばしタークスの足元に敷き詰める。
『ッツ!!?』
エネルギーのオーラはバネの様な弾力を持ち始め、タークスの体勢を崩した。
「今だ嬢ちゃん!やっちまえ!!」
「はいッ!!」
巨体の死角と成り得る背部に回り込んだ白雪。ダイヤより受け取った運動エネルギーを叩き込む。
五重いつえ
一打で放たれる五度の連撃。叩き込まれたタークスの右腕部は砕け落ちる。
『ァァァァァァァァァァァァアアアアアぁ………』
「………ッ……今のは!?」
その際に何か手ごたえを感じた白雪。ダイヤの強化もあり一時的に自身の全力以上の打撃を叩き込めたという事。ダイヤの打撃や【演目】というのも何か通じるモノを感じることが出来た事により『御雷』について何かを学べたような気がした。
「何か掴めたかい嬢ちゃん?」
「ええ、はい…ッ!コツと言ったほうが良いでしょうか…それを少し理解出来たような…」
「ヘヘッ、そりゃ重畳…俺の動きが少しでも参考になったなら幸いだ」
「ありがとうございます。ですが…効いてはいないようです」
視線をタークスへと戻す白雪とダイヤ。
『おぉおお……コレは何かの間違いだ……このタークスは魅力的な筈なのにぃ…』
そう呻くタークス。顔部や右腕を砕いたのに関わらず、全く消耗している素振りが無い。
「気にする必要はねぇ…おそらく奴の【演目】によって作り上げられたあの身体は手足の様に動かせるってだけの着ぐるみみたいなもんなんだろう…」

【演目】『知恵の果実 レコーリング』

「でなきゃあんな風に腕を生やし直したりは出来る訳ねぇ」
【演目】によって近くのビルを引き寄せ接収したタークス。ビルは欠けた身体の新たな肉となり…顔部と右腕部を見事に復元させた。
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