装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

文字の大きさ
247 / 650
本編

548 エルカリノ討伐戦・2 戦力減らしと海上歩行作戦


「さーてと……一応聞くけど、貴方に作戦はあるのかにゃーん?」

 大海原を大船団にて航海中、カリプソがそう言う。

「そうっすね、先に俺の戦力について告げておきます」

「戦力? ロック鳥? それとも超強いスライム?」

「いえ、ロック鳥は船崩しのために出しますけど、違いますよ」

 そう言葉を返しつつ、俺は海にワルプ、ビリー、ブニーを召喚した。
 ワシタカくん並みのサイズ感を持つ、海の超巨大戦力たちである。
 今は一緒に戦う仲間なのだから、ここで出し惜しみして隠しておく利点はない。

「うおおお、す、すげぇ……」

「海地獄に、クラーケンまで……あとあれは……なんだ?」

「ビリーはサンダーソールというサンダーイールの特殊個体です」

 雷神の名を冠する、北の湖の伝説的存在の魔物だった。
 個体の戦力はワルプ以上、ブニー以上。
 あの雷撃は本当に死を覚悟する、そんな一撃だったよなあ……。

「へー、北の化け物も従魔にしてるなんて、ちょっと驚いちゃったかもー」

 船を囲む3体を見て、関心するカリプソ。

「あと切り札にスライム軍勢もいます」

「ああ、話に聞いていたあのスライム軍団ね? それは出しておかないのかしらー?」

「強力過ぎて、召喚自体は一度に3体まで限度なので」

 スロット3枠の制限がある、とは言えないのでそういうことにしておく。
 強力的過ぎて、3体以上の同時召喚は無理だっていう体裁だ。

「大船長、あ、いや代表」

「今は大船長でも良いわよー? この時だけ海賊行為するんだしー?」

「ハッ、では大船長」

 カリプソの側近である男装の女性が言う。

「3体だけだとしても、彼の戦力はSランク上位に相当します」

「甘いわね、上位ではなく超位よ?」

「大船長、超位……とは?」

「この世に何人もいないSランクの壁をさらに一つ突破した存在ねー」

 そんな存在があるのか。
 てっきりSランクまでだと思っていた。

 そもそも、俺は未だにSランクと出会っていない。
 それなりの月日をギルドで過ごしていると言うのに、だ。

 いったいどこで何をしているのかSランク。
 まだ見ぬ厄災と戦っているのかSランク。

 何にせよ。
 とんでもなさそうな輩だろうし、関わり合いたくないものだ。

「ランクの話はさておいて、とりあえず作戦会議と行くのでは?」

「そーね、ランクの話は後でもいいわねー」

 話を戻す。
 俺の戦力を出したのだから、そちらも何か出して欲しいとは思う。
 しかしながら、ここにいる連中で全戦力だろう。
 聞いていたエルカリノ全軍を相手にする際、心もとないよな……。

「俺が従魔と戦ってる最中、囲まれたら面倒なので後方待機しておいてください」

「それは我々は邪魔だ、と言いたいのですか?」

 俺の言い方に食ってかかる男装の女性。

「控えめに言って邪魔です。ワルプの発生させる渦潮に巻き込まれでもしたら、面倒ですし」

「全然控えめじゃないんですけどー?」

 本気になったビリーの雷撃だって、実際は敵味方関係なく周りに影響を及ぼす。
 ガン盛りしたVITとか、属性耐性によって、俺でもギリギリ耐え切れるレベルなのだ。
 クラーケンのブニーがこのメンツで戦うと少し厳しい立場ですらある。

 特殊効果がこっちが気持ちよくなるヤバめのアレ系だから、正直あまり使いたくないのだけど。
 巨体と足を利用した攻撃は船を落とすのに都合いいんだよな……。

 そうだ、カリプソと男装女性をグループに突っ込んでみるか?
 どうなるか見ものだよね?

「でも輸送は私たちよー? 近づかなきゃ戦いにはならないわねー?」

「心配無用です。水上を歩行できる靴があるんで」

 性能は俺の主力装備に劣るが、装備としての能力は高い。
 一人で海のうねりに紛れて船に取り付き、内部を破壊するのも可能となるのだ。

「そんな訳で、一人で船に取り付いて各個撃破。これが俺の作戦ですね」

「情報の580隻相手にそんな大胆な作戦をよく思いつくわね……」

「まあ、相手の数が多い分、正面からまともにやり合うつもりは毛頭ないので」

 裏をかく、と言えば良いのだろうか?
 まあ、一人で向かってくるなんて敵は思わない。
 そんな隙をつく作戦だと捉えてくれれば良い。

「で、会敵自体はいつ頃になる予定ですか? それ次第ではすぐにでも向かうつもりです」

「情報では、ちょうど明日の昼ごろね」

 カリプソの言葉に合わせて男装女性も続く。

「大船長、この辺りはドレイクが第三者として監視を引き受けてくれていますから、手筈通り無事に落ち合うことができれば、エルカリノのいる海域の詳しい情報を得ることができます」

「おー、ドレイクちゃんエルカリノ側やめちゃって敵同士なのに、よくやるわねー」

 ドレイク……。
 なんかどっかで聞いたことある様な名前だ。
 どこで聞いたんだっけな?

「お互い目障りな相手を潰すチャンスですから、協力は惜しみなくするそうですよ。交換条件として私に交際を申し込んで来ましたが、さっくりと断っておきました」

「あら、そろそろ受け入れちゃってもいいんじゃないのー?」

「あんな軟派者は好きじゃありません。私より強く、気高く、誇りを持った男でないと」

「でも先見の目はあるわよ? だって今はギリス海軍特殊船団の頭なんでしょー?」

「それも裏切りに裏切りを重ねた上での立場ですから、信用なりませんよ、大船長」

「ふーん? だったら強いのそこに一人いるけど、どうなの?」

 カリプソの視線が俺に向く。

「は? なんで俺?」

「……まあ、軟弱者ではないってことは確かですが、いささか目に濁りっ気がありますので、大船長も付き合い方に注意をお願いします。こういう輩は無害感を出しつつも実はえげつないことをするタイプなので」

 し、失礼な!
 なんだこいつ!

「そんなことないですよ、俺はクリーンですよ、真っ当に生きてますよ?」

「カジノ荒らしが何を言っている」

 すごく蔑んだ目をされた。

「いったいどんな手を使ったか知らないが、私は騙されません」

「いや……運だよ……」

 秘薬でちょっぴり運を向上させてるだけで、結局運だよ。
 卑怯な真似なんてしてない!
 結局負けるときはマイヤーみたいに大損こくし、運が良かったんだ。
 不正はない、不正はなかった、問題ないのである。

「この世は全て実力! 運なんて実力の差があったに過ぎないのです!」

「あっそう……まあ、なんでもいいよもう……」

「お、そんなこと話してるうちに船が目の前に来たわね。あれドレイクの船じゃないかしらー?」

「確かにドレイクの船です。では、横付けして情報交換といきましょう」

「じゃ、位置情報を得たら教えてください。夜のうちに奇襲やってくるんで」

 なんか船に乗りっぱなしなのも面倒くさい雰囲気が漂って来ている。
 こりゃさっさと敵さん倒して島に戻るっきゃねえな。
 またナイトプールできゃっきゃうふふに混ざって目の保養しようっと。





=====
平成最後の更新です。
皆様のおかげで今まで頑張ってこれました。
引き続き頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。
次回、海賊視点。海の悪夢。
感想 9,840

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました