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本編
569 依頼報酬など、諸々の話
「1億ケテル、プラスあなたの言った様に、ダンジョンリゾートを福利厚生として利用しても良いわよ」
それからオデッセイ島へと戻り、ギルドへと向かった。
約束していた通り、カリプソがいて、そのまま報酬の話となる。
「いいんですか?」
「貴方がしろって言ったんでしょー? やってあげてるんだから文句は言わないの」
「そっすね」
確かに、報酬上乗せをしろとは言ったが、まさか2倍のお金。
そして従業員の福利厚生として利用していいとは思わなかった。
ごねたけど、なんとなくそれを通ると拍子抜けである。
人間って、どんな展開でも結局色々口に出して言ってしまうもんだな。
「で、とりあえずこの場でSランク昇格ってことで本部に報告あげるわねー」
「えっと、できればポセイドンと戦ったことはあまり他には……」
「それは無理」
カリプソは言う。
「依頼料もしっかり払ってる状況で、虚偽の報告はできないのよー」
Sランクとして足り得る資質があるかどうか。
その辺はしっかり精査した情報を報告しなければならない。
色々と、ギルド内に俺の情報が露見するが、仕方ない。
そのランクにはなりたいと思っていたし1億ケテルに報酬上乗せ。
さらに、従業員の福利厚生施設もゲットできたのだから、よし。
良しとしておこうではないか。
「あなたのところだけ、誰でも無料で来ていいって、割と破格なのよ?」
「ありがとうございます。こぞって来させますね」
「まったくつぶれたらどうしてくれるのよー」
「うーん、まあうちの研究所からも良い感じで技術提供しますから」
さすがにかわいそうだと思えてきたので、そんな話に持って行く。
こう言うのはギブアンドテイクだよな。
どっちかに偏っていては、あまり良くない結果を招く。
「あら、良いの?」
「ええ、別に関係悪化させたいとか、そんな話じゃないですし」
初志貫徹。
何事にもバランスが大事、これはかなり重要なこと。
俺はウィリアムの武器屋のおじさんにそう言われた。
(※レンタル1-8くらいで出てきた人)
「助かるわねー」
そういうと、カリプソもホッと胸をなで下ろしていた。
「最近ギルドと提携してるC.Bの質が落ちてるから良いところ探してたのよね」
「本当ですか? 多分俺らのせいですね」
「まあ密偵からちょくちょく情報聞いてたけど、引き抜きえげつないものねー?」
「ですね。いずれは抜きますし、これからの魔導機器業界を担いますよ」
「へー、なら期待しておきましょうかしらー?」
ついでに、こういう話もしておく。
「もうすぐ、空を飛ぶ船の開発が終了して発表します。その際、ここを繋ぐ船として利用するのはどうでしょう?」
「空飛ぶ船……それは本当かしら?」
「ええ、飛空船。C.Bファクトリーよりも先に完成させたら、この世界の物流の常識が塗り替わると思います」
「とんでもないわね。そりゃ貴方のところを嗅ぎ回る変なのが多いはずよー……」
「色々事情は知っている、ということを兼ねてお話ししますが、こういうのは報告に入れないでくださいね?」
「それは承知のことよー。私がギルドに報告するのは、あくまでSランクに足る冒険者としての資質だからー」
うむ、話が早い。
船を作ってもその受け入れ先をどうしようかと迷っていた。
つながりのある場所まで飛ばすのは大いに結構。
トガルやストリアとかデリカシ辺境領とか。
そんな中で、ダンジョンリゾート・オデッセイは都合が良い。
今大人気のリゾート施設。
そこに空飛ぶ船でいけるともなれば、いっぱい人が来るのでは?
見栄えという意味だと、かなり良さげなものとなるだろう。
「あとついでに、カジノに関してもちょっとアイデアがあります」
「まだ出て来るのねー? 何かしら?」
「スロットです」
「スロット……? うーん?」
俺のよく知る賭け事は、やはりリールマシンだ。
三つのリールがくるくる回ってそれを止めてあたりを引くアレだ。
どんなカジノよりも、シンプルイズベストで金を食う。
さらにディーラーいらずで台待ちであぶれた人とかに効率が良い。
「手持ち無沙汰してる奴を闇の世界に引き込むゲームです」
日本でも、暇人がたくさん遊んでるぞ。
おもに玉を打つ奴だけどな。
リールがくるくる回るものよりも、そっちの方がいいかもしれない。
玉を弾いていい感じのところに入ったらあたりとか、そんなん。
俺のいた世界にある様な、システム化された部分の再現は無理だが。
券売機だって作られてるんだから。
リールが回って揃えば中からコイン出て来るとかならありじゃない?
玉を打つ方のものは、リールが揃ったら玉がいっぱい出てきて。
それを更に狙った穴に入れることで沢山払い戻しができる様にする。
どうだろうか。
そして、その新しいゲームをオデッセイにリースする。
俺はリース料を受け取って、更に金を稼ぐ。
そんな算段だ!
「ちょっと未だにそれが理解できないのだけど、できたら見せてもらえるかしら?」
「はい、わかりました」
俺は何かと魔導機器でなんでもできると思っている節がある。
しかし、あながちできないことはないんじゃないかな、なんて思う。
異世界だからなんでもありだろ、とまだ心の底で思っているのだ。
「実現できなかったら、その時は謝ります」
「いいのよー、3日前はカジノ荒らされたけど、それ以外では絶好調だから」
「ハハハ……」
実際に俺がカジノに携わるとしたら、俺みたいなやつは出禁だな。
すぐに呼び出して落とし前ってパターンになるだろう。
「さて、話もこれくらいにして……とー」
カリプソはそう言うと、ソファから立ち上がって支部長室の奥にある扉に向かった。
「じゃ、あとはこのダンジョンについての話だけど、ついてきてもらえる?」
「わかりました」
うすうす感じていた。
その扉がなんなのかってこと。
ここは一応ダンジョン内だから、そりゃあるだろう。
「スローフが珍しく貴方に興味を示したみたいだからー、とりあえず会ってみて」
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