装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

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本編

642 ハローグッバイ、ガーディアンとぴょんぴょん子供おじさん


「問題ないって、相手はもう僕のダンジョンを飲みこめるほど大きいんだよ!」

「何か問題あるのか? このままいくと、消滅するとか?」

「いやそれはないけど……」

 だったら何の問題も無い。
 このダンジョンから出れば良いだけなのだからね。
 だが、階層を変えられたり出入り口を防がれるのだけは勘弁。

「ちょっと行ってくる。ポチ」

「アォン」

 俺はポチを連れて横穴からガーディアンの犇くはるか下へと飛び降りようとする。

「あ、ちょっと! ダメだよ! もしかしたらパワーアップしてるかも!」

 そんな様子の俺らを、ケープは必死で止めて来た。

「パワーアップってダンジョンリソースが増えてるってことか?」

「そうだよ! もし、もしも強力な魔力を持つ骨を得ていたら、やばい!」

「どのくらいやばいの?」

「八大迷宮にも手が届くんじゃ無いかってくらい、強い魔力になるよ!」

「へー……八大迷宮にも手がとどく、か……」

 ダンジョンコアの目標ってやっぱりその辺りなのかな?
 全てのダンジョンがその八大を目指しているとか、そんなストーリー。

 しかし、彼らは勇者や魔王の小競り合いがただの人の争い事としか思わない。
 野良猫が家の外ですごい喧嘩してるな、と思う程度の圧倒的な存在である。

 ずっと、ずっとずっと前からこの世界に存在する彼らに。
 そんな彼らに。

 たかが、とんでもない魔力を秘めた骨一つでそこに至るなんて。
 八大迷宮クラスの力を手に入れるに至るなんて。

 なんとも烏滸がましいと、差し出がましいと……いや、違うな。

 端的に言うと、イキリだ。イキリ。
 イキリダンジョンとしか感じなかった。

 八大迷宮の最終守護者、そして実際に深淵樹海のコアと戦ったからわかる。
 あいつらの総戦力は、もう何百年と溜め込んで来た膨大なリソースだ。

「俺の目には、全く大したことなく思えるけどね」

「ダンジョンの専門家だから余裕かもしれないけど、あのガーディアンの数見てよ!」

「まあ、軽く300体くらいはいるかもね」

「300だよ、300! どれも鉄が含まれたアイアンガーディアン! 石とは違う!」

「ええ……オリハルコンじゃないの? だったら興味ないんだけど……?」

「えっ!? どっから目線でそんなこと言ってるの! 話が食い違ってるよ!」

「まあ、とりあえずケープ落ち着け、落ち着けって」

「これが落ち着いていられる──のああああああ!?」

 ケープの駄々に付き合っているうちに、ガーディアンからの攻撃が俺たちのいる洞窟を捉えた。
 ガラガラと崩壊し、足場を失い、俺たちはガーディアンの巣食う場所へと転落する。

「も、もう終わりだああああ!」

「だから落ち着けって! こう言う時は一旦深呼吸して、ほら!」

「ひっひっふー」

「……ま、まあいい」

 有事の際の、こう言ったカオス的な状況でこそ人の強さは量られる。
 そう考えると、この慌てん坊ダンジョンコアは、前もてんやわんやしていたんだろうな。
 不測の事態を収集つけることもできずに、相手の速攻戦略で負けたのだろう。

「グリフィー」

「ガルッ!」

 ポチとコレクトしか召喚していなかったので、その枠でグリフィーを召喚した。
 全員を器用に乗せてもらう。
 幼児化して小さくなっているからか、グリフィーのもふもふに埋もれそうだった。
 って、感触を楽しんでる場合じゃない。

「ケープ、俺が最初にダンジョンを相手にした時はこんなもんじゃなかったぞ」

「それって、どういう……?」

「オリハルコンガーディアンと戦う羽目になったんだ」

「えっ!? 希少鉱石を使ったガーディアン!? 何メートル級!?」

「15メートルは超えてた」

「ひえええええ! すっごいダンジョンだったんだね!」

 そんな話をする最中、俺のフードにいるジュノーを横目で見ると。

「……その話出すなし、引き合いにするなし」

 と、なんとも言えない顔でぼやいていた。
 ジュノーの中では消し去りたい過去、黒歴史になっている。
 まあ、すっごいダンジョンだったって褒められてるから良いじゃないか。

「で、倒したの? そのガーディアン」

「うん、だからこうして生きてるんだ」

「すごい! オリハルコンガーディアンがいるのに負けるって、そのダンジョンすごいのかヘボいのかわからないね!」

 ポカッ!

「痛っ! ジュノー何するんだよ、いきなり! 同じダンジョンコアだろう!」

「うるさいし! その話今関係ないし! トウジも!」

 ゴッ──!!

「おい、力強すぎるだろ。なんでだよ。音おかしいだろ」

「トウジはこのくらいやっても足りないし! 早くガーディアン達を蹴散らしてくるし!」

「へいへい」

 話が長くなってしまったが、結局八大迷宮のリソース勝負にも負けん。
 単体だと最終守護にも俺は勝てる戦力をすでに持っている。
 さらにいざとなったら頼もしい仲間がいるし、イグニールもいる。

「負ける要素皆無だな」

「露骨なフラグですぞ~?」

 後ろからチャチャを入れる骨に言い返す。

「いや、これはフラグではないぞ。ガチだ」

 本当にどこにも抜け穴とか、付け入る隙がないことを証明する。
 俺はグリフィーのこのままの高度を保つように言うと、一人で下に飛び降りた。

「ポチとイグニールは上から頼むー!」

「アォン!」

「了解! サポートは任せて、トウジ!」

 飛び降りる俺の下にいるガーディアンが、速攻炎で爆散した。
 炎が通じづらい相手でも、イグニールの爆発する炎は容赦ない。
 ポチの矢もガーディアンをいともたやすく貫通させる。
 脚と腕を狙って穿ち、行動不能状態のガーディアンを作り出した。

 俺は……と言うと。
 クイックつかって真横にジャンプ。

「ジャンプおじさん……じゃなくてジャンプ幼稚園だああ!」

 使い所全くなかったけど、何気にジャンプ力十倍なんだよな。
 しかもゲームと違って、ジャンプって上に跳ぶだけじゃない。
 リアルでは横に跳ぶこともジャンプなのだ。

 小盾で頭をガードして真横に跳ぶ、そして壁を蹴って方向を変える。
 10倍ジャンプ力とクイックによってヤベェことになった。
 まるでミサイル。
 さらに縦横無尽に飛び回ることで、ドロップアイテムも適宜回収できる。

 巨人状態だと無慈悲スライディング。
 幼児状態だとぴょんぴょんミサイル。
 今度からこれを必勝法として行こう。
 俺の必殺技だな。

「トウジ、ヤバぁ……ヤバイし……」

「なんか動きヤバイわね、なんなのかしら」

「あれはなんかカルマがヤバそうですぞ~」

 グリフィーに乗っている連中からそんな声が聞こえる。
 そんなにやばいか?
 クイックを使ったワシタカくんの超速飛行状態よりはまだ遅いからマシだった。

 俺の体は小さく、高速移動によって動きは捉えられない。
 なんとか狙いをつけて殴ろうとするが、残念VITも万越えなんだ。
 殴った瞬間、ガーディアンの腕がボッと消し飛んだ。
 アダマンタイトガーディアン連れてこって感じ。

 そんなわけで、300体近くいたガーディアンは消滅。
 追加でどんどん出てくるけど、それも全部始末した。
 グッバイガーディアン。
 そして姿を現せイキリダンジョン。

 ダンジョンコアのサモンカードって、何気に気になってたんだよね。
感想 9,840

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