装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

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本編

756 ドロップ、名前決めつららゲーム、出オチ


 ワシタカくんによるサソリの大量虐殺。
 ロック鳥からしてみれば、ただの餌だったみたい。

「ダメだな、食べれそうな箇所はないし肉質も落ちてるぞ」

「アォン……」

 まだ諦めずに肉片を漁り続ける逝かれた師弟を放置して、ドロップアイテムの回収を進める。



【砂袋】
サラサラの砂が入っている。

【毒瓶】
神経毒。



 まず、大量のケテルドロップに合わせてこんな代物が大量出現。
 砂袋、端的に言えば土嚢のような形の麻袋に入った砂である。
 1キロから20キロまで、様々な大きさのものがドロップしていた。
 個体の大きさ、種類とか、レベルによって変わってくるんだろう。

「何ゲットしたし」

「砂と毒とその他諸々」

 ジュノーに聞かれたのインベントリから出しつつ答えた。
 それにイグニールが反応する。

「毒……ぶっそうねえ……」

「こういう毒からは抗体ポーション作れるからまだ利用できる方だよ」

 霧散の秘薬量産体制は整っているから、意味ないけど。
 それでも活用できないこともない。
 ポイズン系の装備を作る際も、こう言う毒素材は重要となる。
 相手に秒間ダメージを与える仕様は、わりかし強いのである。

 ゲームとは違って、リアルな世界観では。
 毒によるHPの減少と言うものは、もろにダメージへと変わる。
 そして減って行くHPを見ると、それは焦りにも変わる。
 古来より殺し目的で使われてきた毒とは、驚異的なのだ。

「砂はどうするし?」

「んー……」

 特に使い道のないアイテムである。
 ポーションにもならんし、制作した装備の足しにするとかもできない。

「使い道ないし?」

「まあね」

 現状はそうだ。
 特殊な砂だったりすれば、なんらかの素材かもしれないのだけど。
 特になんの変哲も無いただの砂ばかりだからな……。

「だったらピーちゃんのために、ダンジョンに砂場作ってあげるし」

「それがいいか」

「あたしも砂場でお城作って遊びたいから、そうするし!」

「ダンジョン内にいつでも作れると思うけど……?」

 ダンジョンコアにとって、ダンジョンが大いなる遊び場。
 なんだってできる、クラフト系ゲームのようなもんだ。
 その状況で砂場にして砂の城を作るだなんて、無駄の中の無駄。

「砂場に砂のお城とかを作って水を流すのが良いの!」

「そんなもんか?」

「コスパ的にも十分遊べるし。何よりピーちゃんのため」

「そうだな」

 ピーちゃんが砂場遊びしてる姿を想像したら鼻血ものだ。
 俺も一緒に泥団子作って遊ぼっと。

「あとは……砂金とかかな」

「砂金って、小粒の金のことかしら?」

「そうそう」



【砂金袋】
砂金が入っている。



 なんでサソリのモンスターからドロップするのか知らんけど。
 砂つながりでこんなものまで入っていたのはありがたい。

「固めたら金になるからね、これ」

「現状そこまで必要じゃないでしょ、宝石なんて」

「まあね。イグニールに指輪でも作ろうかな」

「嬉しいことだけど。今あるので十分よ」

「だよね」

 俺やイグニールの中では、もはや装備は金よりも価値高し。
 宝石の類よりも効果の良い指輪が一番なのだ。

 もっとも、効果の高い指輪。
 オリハルコンっていう金よりもえげつない価値の鉱石なんだけどね。

「で、肝心のカードはでたし?」

「もちろん」

 デザートスコーピオンとデザートキングスコーピオンのカードはドロップしている。
 他にも蠍の鞭とか、先端に毒針がついた武器もドロップしているのだが、割愛だ。
 そんなに強くないし、装備効果も相手を毒の異常状態するだけ。
 秒間の毒ダメージが直に入る部類ではないことから、雑魚の装備ドロップだと言える。

 キングの方からはもっとすごいものが出ても良いのだけど。
 コレクトを出してないからその効果が乗っからなかったのだろう。

「まだサソリの魔物って持ってなかったし? これが初めてだし?」

「うん」

「名前決めバトルするし! 今回はあたしが命名権を獲得するし!」

「ええ、今から……?」

 そんなことしてる場合じゃないんだけどなあ……。
 あーでも、こういう現状だからそれもありなのかもしれない。
 セオリー的なものをぶち壊す上で、相手の手のひらには絶対乗らない。
 そんな意味も含めて、ジュノーの提案に乗ることにした。

「まあ良いか。じゃー、新しいお仲間さんは2種類だから勝者二人な」

「わーい!」

「そこで蠍の屍肉漁ってる料理狂師弟も参加しろよ」

「アォン?」

「なになに? 新作メニューの名前決めだって?」

「ちげーよ」

「運良くハサミが残ってたからこれだったらカニ感覚でいけるぞ」

「いかねーよ」

 サソリを食べる食べないの話は置いといて。
 とにかく名前を決めるゲームを決めなければいけない。

「ジュニア適当になんか考えてくれ」

「えー俺? 面倒くさ」

「俺だって面倒くさいよ。でも名前はみんなで決めないと」

「なら適当にツララはやしとくから、それを選んでくれ」

 ジュニアが勝手に押し広げたダンジョンの天井壁際に巨大なツララが出現した。
 ルールは、選んだつららが落ちた二人が命名権を獲得する。

「落とす方法は、イグニールが指定の場所に火球をぶつけるだけの簡単ゲームだ」

「みんな、それでいい?」

 はーいと満場一致の返事が聞こえたので、さっそくそれぞれにつららが割り振られた。
 名前は、それぞれ。

 サソリガザミの殻焼き。
 スコルピオ。
 かしょかしょシュビビ。
 サソリ。
 サソリータ。
 あ、小生はなんでも良いっス。
 砂漠の毒蟲王。
 ハサミちゃん。

 参加メンバーは、俺、イグニール、ジュノー、ポチ、パイン、ワシタカ。
 とウィンスト、チビである。
 ゲームを考案したジュニアは、特に名前付けには興味ないから辞退だそうだ。

「……毎度のことながら、ろくな名前がねえな」

 今回俺とイグニールはまだマシな方だった。

「ジュニア。とりあえず天井の印がある場所に火球ぶつければ良いのね?」

「そうだ。そんなに本気出さなくていいぞ?」

「わかってるわよ。じゃ、行くわよ」

 ボッ、とイグニールの杖から天井に向かって火球が放たれる。
 その威力はつららへと伝わり、二つだけが落ちる仕組みだ。
 ゴクリ。
 固唾を飲んでグラグラと揺れ始める謎演出をかましたつららを見守る俺たち。

 その時。

「ふはは、やりますね。私の用意したサソリたちがいともたやすく──」

 ──ドシャッ! ドシャッ!

 誰かがいきなり姿を現した。
 と思ったら2本の巨大なつららがそいつの元に落ちてしまった。






=====
誰の案でしょうゲームをしようと思ったけど。
みんな個性的すぎてすぐにわかってしまいゲームにならないですね……。
感想 9,840

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