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本編
789 爆乳美人のビスマルコ爆誕
「ほうほう、なるほど。ってことは一人は地縛霊でもう一人は生き霊ってことですか」
俺とローディの話を聞いて、すぐさま納得する骨こと、ビスマルコ。
だいぶ本名に触れていないから言っておくが、彼女は過去の召喚者。
名前は華子、というなのハーフである。
「そもそも、トウジ様……」
(ん?)
「いつの間に死んでたんですぞ?」
(いやぁ、断崖凍土で憤怒のダンジョンコアと戦ってだね……)
奮闘の結果、火傷の持続ダメージで死んだ。
まさか秘薬の効果を全て消されるとは……。
だがまあ、多分憤怒は元に戻っただろう。
あの後、襲ってくることもなかった。
そして怒りの影響もギリスまで来ていない。
「死と引き換えに、みんなの命を救った勇者ですぞ」
(確かに。そう考えると死んでよかったですね社長)
(うん、なんにも良くないよね)
死んでることを肯定しないで欲しい。
なんだか満足したら成仏しちゃう気がするのだ。
「骨殿、さっきからひとりで何を喋っているのですか?」
自室からリビングに姿を現したリクールが、骨に尋ねる。
「あっ、そう言えば皆さんには見えていないんでしたね?」
(当たり前だろ)
だが、今の骨は霊体と生身をつなぐ架け橋。
こいつがいれば、俺の状況をみんなに話せる。
もう悲しまなくていいんだぞみんな!
「むむ? 見えていない? 新手ですか? 何者かがこの部屋に?」
「いえ、こっちの話ですぞ」
「しかし、トウジ殿がいない間は私たちがこの家を守らねば!」
「もう帰ってきてますぞ、皆さん」
「ちょっと見回りしてきます! 骨殿はご安心ください!」
そう言ってピューっと駆け出していくリクールだった。
「……人の話聞いてませんね」
(そうだな……)
(そうですね……)
あいつあんなキャラだったっけな、なんて思いつつ。
話を再開することにした。
「それにしても、独り言を続けるのも、ちょっとあの骨おかしいんじゃないって思われかねないですぞ~」
(大丈夫だよ、もう頭おかしいからお前)
「そんなこと言わないでですぞ。とりあえず、お話しする時は私も魂の姿に、ボンッ」
骨がそう言った瞬間、口ものからフワァ~と何かが出現した。
そして淡い光を放つそれは、徐々に形を作っていく。
すると、
(おおおおおおお!?)
(初めまして、これが骨状態じゃないビスマルコですぞ)
髪の長い金髪を持つ、はち切れんばかりの爆乳美人がそこにいた。
(ふーむ、できるかなと思ってやってみましたが、あながちできるようですぞ)
(なんか骨の姿と、今の姿だいぶ違うな)
(当たり前ですぞ~! と言っても、骨の方が生きてた頃より長い分、この姿が幻ですが)
(いや、肉付きになってるのもそうだけど……服つけてんだなーって)
基本ローブ姿で、服を身につけてないってのに聖職者みたいな服をきている。
霊体になった瞬間、ローブから服に切り替わるなんて、どんなご都合主義だ。
(裸が見たいんですぞ? もう、トウジ様のエッチ)
(いやそうじゃなくて……)
(たぶん、骨になった時に身につけていたものが記憶されてるんですぞ)
(なるほどね)
一般的な心霊ものって、幽霊が服を身につけてたりするけど。
どうやって服を形成してるんだろうな?
霊ってのが魂的なものだったら、生まれたままの姿になるのでは?
考えるだけ無駄か。
生前の記憶が映し出されている、とかだったら納得できる。
(骨が……人に……)
俺と骨がそんな話をしている間。
ローディは変貌を遂げた骨を見て呆気にとられていた。
そうか、色々と説明しなきゃいけないんだよなあ……。
こいつ、生き霊姿でこの家に居ついているってのに。
他のことは知らないみたいだし。
都合よくリビングとかで話を盗み聞きしとけよな……。
大方イグニールの部屋にしか興味なかったのだろう。
この変態め。
(とにかく話を戻しますぞ~、私の説明はこう言うものだと思っておいてください)
(は、はい)
=====
次回、トウジの状況をビスマルコが解説する回。
そしてコミカライズ版2話目更新されました。
ぜひ読んでくださいまし。
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