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7 幼馴染みは用意周到だった
セフレがたくさんいた超イケメンのモテ男というのは用意周到らしい。
帰宅して冷蔵庫にあれこれ入れているオレの背後に陣取った幸佑は、扉を閉めるとすぐに腕を取って引っ張った。そうして見たことがない道具が並んだ浴室に連れ込まれ、想像したことすらないことをされた。
もちろんオレは最大限抵抗したしドン引きもした。絶望に苛まれた顔をしても羞恥に全身火だるまになりかけても、幸佑は「大丈夫、大丈夫」と言って手を緩めなかった。
(つーか、あんな道具まで全部ネットで買えるとか、世の中どうなってんだよ)
たしかに内蔵だから傷ついたら大変だろうし、かといって洗浄しないわけにはいかない。そういったことも以前調べたときに少しだけ読んだから理解している。それでも、まさかこんなにすぐにあれこれされるなんて……いや、思い出すのはやめておこう。何か大事なものを失ったような気がして心が折れる。
そんなオレとは対照的に、幸佑は「慣れたらドラッグストアとかで売ってる普通の浣腸でもできるよ」とニコニコ話していた。あの笑顔にもゾッとしたが、あんなことに慣れる日が来るとは到底思えなかった。
抵抗することも断ることもできなかったオレは、最後の気力を振り絞ってトイレに籠もった。さすがに排泄まで見られるわけにはいかない。ドアの向こうから「コウちゃんが出すものなら、何見たって平気なのに」という幸佑の言葉に震えながら、腹を下したときみたいな感覚にひたすら耐えた。
(幸佑って変態だったのか?)
若干涙目になりながらそんなことを思った。他人の排泄を見たがるなんてどうかしている。しかも「できればお尻の中も見てみたいなぁ」なんて怖すぎるだろう。
そんな準備でのあれこれを思い出したからか、尻穴がキュッと締まったのが自分でもわかった。おかげで幸佑の息子を締め上げることになり、「コウちゃん、積極的だなぁ」なんて言われてしまった。
「ぃ……ッ」
「ん、けっこう馴染んできたね。これなら動いても平気かな」
「ちょ、待て、」
幸佑の言葉に思わず悲鳴を上げそうになり、慌てて唇を噛み締めた。いや、本当は蹴ってでも止めたい。あんなでかいモノを尻の中で動かすとか、絶対に怪我をする。
幸佑の息子のサイズは抜き合いのときにも見た。あまりにも立派な姿に悔しさすら浮かばなかったくらいで、色味もオレのとはまったく違う黒々としたものだった。あんなものが尻に入っているのかと思うと、怖いやら不思議やらいろんな感情が湧いてきた。
「大丈夫。指でたくさんほぐしたし、それに気持ちよかったでしょ?」
「気持ちいいとか、何言って……って、動く、なって!」
「大丈夫、大丈夫。ほら、さっきの俺の指のこと思い出して?」
「……ッ」
「思い出して?」と言われたオレは、なぜかすぐさま幸佑の指の感触を思い出していた。同時に気持ちよかったことまで思い出し、尻穴がまたギュッと動いてしまう。
前も後ろも未経験者のオレにとって、準備だというすべてのことが未知の世界だった。爪までピカピカな幸佑の指に何度も尻穴を撫でられ、ぬるっとしたものを塗り込められた。中に入ってきた指にグチャグチャになるまでいじられて軽くパニックになった。
それどころか尻穴をいじりながら息子を抜くなんて技まで披露されてしまった。「初めてのときは前をいじると気持ちよくなるのが早いんだよ」なんて、そんな知識ばっかり蓄えやがって。
(でも、たしかに気持ちよかった)
完全勃起した息子を擦られるたびに尻の中がぞわぞわし、出るときにはどっちが気持ちいいのかわからなくなっていた。「コウちゃん才能あるなぁ」なんて言葉が聞こえた気もするが、怒る気力もないくらいの絶頂だった。
そうして若干の賢者タイムに入っていた間も尻穴をいじられ続け、気がつけば二本、三本と尻の中に入っている指が増えていた。
散々いじられまくった穴にはいま、幸佑の息子がずっぽり入っている。あんな臨戦態勢のモノが入るわけないと思っていたのに、すんなりと入ったときには「マジか」と絶句したくらいだ。もちろんものすごい圧迫感と苦しさはあったものの、ネットで見たような痛みはあまり感じない。
(つーか、マジで幸佑とやってんだな……)
そう思うだけで尻穴がぎゅうっと動いてしまう。
「ちょっとコウちゃん、これ以上締めつけないでね? ガマンできなくなっちゃうよ?」
「そ……なこと、して、ねぇって」
慌てて否定したが、締めつけていることはオレだってわかっている。でも、意図的にしていると勘違いされるのはたまったもんじゃない。
「じゃあ、気持ちよくて体が勝手に動いちゃうってことか。コウちゃんって、意外とエッチだ」
「ちが……! ひっ、ちょ、まだ動く、な、って!」
「うーん、ごめんね、もうムリ。これ以上は待てもガマンもできない」
そう言った幸佑の息子がゆっくりと抜けていく。排泄する感覚に近かったからか、腰の辺りがゾワゾワした。そういえば人間は排泄するときに快感を感じるらしく、そのおかげで赤ちゃんは排泄を覚えるらしい。
(……って、何を思いだして……、ッ)
余計なことを思い出していたら、出口付近まで動いたでかいモノにゾクッと痺れた。いま感じたのは、間違いなく快感だ。
「はは、コウちゃんの中、すっごいきゅうって縋りついてくる。かわいーね」
「なに、言って、……ひぃ……ッ!」
ゾクゾクした感覚を無意識に追っていたら、今度はドンと強烈な圧迫感を感じて息が詰まる。
「あー、ガマンできなくて一気に突っ込んじゃった。なか、あったかい」
「……ッ! っ、ぅ、ッ……、ぃ……ッ」
「大丈夫、俺は絶対にコウちゃんを傷つけたりしないから。ほら、こことか気持ちよくない? こっちとか、こことか」
「ぅぁ、ぁッ、っ、ッ……!」
「さすがに最初からはムリか。まぁ、いろいろゆっくり教えてあげるからね。そうだなぁ、まずは前立腺で、それから奥のほうも気持ちよくしてあげたいなぁ。ゆくゆくは結腸まで柔らかくしようね? あとはメスイキとか潮吹きとか、うん、ドライなら割と早くできそうかな。あとは……、そうだ、尿道とかも弄ってみたいなぁ」
「……ッ、ぃ……ッ! ぅ、ぁ……ッ! ……っ」
幸佑が熱心に何かを話しているが、尻の奥に突っ込まれた衝撃と苦しさに理解することはできなかった。ただ苦しいだけで気持ちよさなんてまったくない。そのままさらに奥まで突っ込まれるんじゃないかと思うとパニックになった。
そんなオレにようやく気づいたのか、すっかり萎えていたオレの息子を幸佑が優しく擦り始めた。そのままゆっくりと尻に入れたモノを動かし始める。
最初の快感を思い出したのか、段々と気持ちよくなってきた。息子もすっかり完勃ち状態だ。そのままコスコスと擦られ、かつてないほどの量を吐き出した。
幸佑もイッたようで、ぼんやりした目に使い終わったスキンをティッシュに包む幸佑の姿が見える。
(あー……、幸佑とセックス、したんだな……)
そんなことを思いながら、いろいろキャパオーバーしたオレは頭が求めるまま眠りの世界へと落ちていった。
* *
「ねぇコウちゃん、いつになったらここに住んでくれるの?」
「だから保留だって言ったじゃねぇか」
「えぇー。だって、ようやく恋人になった若い二人だよ? いつでも一緒にいたいでしょ? じゃあ同棲するしかないでしょ?」
何を昭和のラブソングみたいなこと言っているんだと呆れたが、そういうセリフも幸佑のようなイケメンが口にすると様になる。
(つーか、オレも昭和のラブソングとかわかんねぇけど)
それに幸佑だって知らないはずだ。……いや、そういう話じゃなくて。
「とにかく同棲はしない。学生の分際で同棲とか駄目だろ」
「コウちゃんって、ほんと真面目だなぁ。ここは俺の家だから遠慮しなくていいのに」
「そこだよ。ここに住むってことはおまえに、いや、おばさんに迷惑かけるってことになるだろ。んなのオレ自身が嫌だ」
「別にいまだって俺の生活費がかかってるんだから、コウちゃん一人が増えたくらい、どうってことないのに。それにコウちゃんなら喜んで同意してくれると思うんだけどなぁ」
「それも問題なんだよ」と心の中で突っ込む。おばさんなら「あら、そうなの? じゃあ幸佑のことよろしくね」と言って合鍵まで作りそうで怖かった。
(その前に母さんが小躍りして喜びそうだけどな)
いや、間違いなく喜ぶだろう。夏休みが終わってからも部屋に通うオレに「幸佑くんの寝顔の写真、たくさん撮って送って!」なんてとんでもないことを言ってくる母親だ。もし同居なんて話になったら、ますます幸佑の世話をしっかり焼くように言い出しかねない。
(つーか、どんだけ幸佑のことが好きなんだよ)
大好きな幸佑のためなら、オレを嫁に出しかねない気がする。
「ねぇ、やっぱり一緒に住もうよ。もうコウちゃんがいない生活なんてムリだもん」
「無理だもんとか可愛く言っても駄目だからな。こうして週の半分はこっち来てんだから、それで満足しとけ」
「だって週末じゃないと泊まってくれないじゃん。お泊まりじゃないと、できないじゃん」
「やかましいわ、性欲魔人が」
「えー。だって俺ピチピチの二十歳だよ? 性欲有り余って当然だよ? それに恋人を前にしてガマンとか、絶対ムリ」
「……っ」
恋人って言葉に、つい反応してしまった。
幸佑は頻繁に恋人という言葉を口にする。たしかにそうなんだろうが、照れくさいオレは言葉を聞くだけで顔が赤くなった。これまで恋愛に縁がなかったからか、何度聞いても耳がくすぐったくなる。
(それに、キラッキラした顔で言われるとな)
あまりに眩しすぎて、うっかり見惚れそうな自分が嫌だ。
「うーん、コウちゃんって思った以上に手強いよね。これはちょっと俺もいろいろ考えないとなぁ」
「何だよ、考えるって」
「だって、このままじゃ俺の知らないところで知らない誰かにちょっかい出されるかもしれないじゃん。一緒に住んでたら小さな変化にも気づけるだろうけど、いまのままじゃ気づかないことのほうが絶対に多いもん」
「オレにちょっかい出す奴なんていねぇだろ。そもそも女の子にだってモテたことねぇし、付き合ったことだってねぇんだから」
オレに彼女がいなかったことは幸佑が一番よく知っているはずだ。
「でも、これからはわからないでしょ? 大学生って自由奔放だから、うっかり誰かがコウちゃんの魅力に気づいて手を出すかもしれない」
「いやいや、おまえに自由奔放とか言われたくねぇと思うぞ? おまえ、どんだけ自由を満喫してると思ってんだよ」
「それに最近のコウちゃん色気も出てきたし、男もいけるヤツなら絶対に気づく。ううん、そういう気のないヤツだってフラッとするかもしれない。男子大学生なんて性欲の塊なんだから絶対に危ない。うん、危ない」
どこからどう突っ込んでいいのかわからなくなってきた。第一、オレに色気なんてものがあるはずがない。それにオレを狙う相手が男だと、どうして断定するんだろう。それはそれで悲しくなってしまう。
そもそも幸佑ほど性欲を持て余している奴がいるとは思えない。幸佑は他にやることがないから全エネルギーが性欲に向いてしまうんだろう。
(おかげで週末オレがどんだけ大変な目に遭うか気づけってんだ)
そもそも二十代の男の性欲ってどの程度なんだろうか。漫画では「一晩に何回ヤれるか」なんてネタを見たことはあるが、実際そんなに何度もやれるはずがない。オレだって二回出したら完全な賢者タイムだし、何度も勃起する精力すらなかった。
それなのに、幸佑は「待て」と言わなければ三度目に挑もうとする。金曜の夜に二度やったとしても、土曜の夕方には「ね、今夜は三回しようね」なんて微笑んだ。
そんな幸佑の精力を物語るように、ベッド脇には何種類ものローションが勢揃いしている。スキンなんてどれだけ買うんだよと突っ込みたいくらいだし、最近は寝室以外の場所でも箱を見かけるようになった。思わず「ここはラブホかよ」と突っ込みかけて、「それもいいね」と賛同されかねない予感がして口をつぐんだくらいだ。
「やっぱりコウちゃんはここに住むほうがいいよ。ね、そうしよ?」
「だから人の話を聞けって。学生のうちは同棲なんてしないからな」
「じゃあ、卒業したら一緒に住んでくれるってこと? でも卒業して社会人になったら同棲じゃなくて、もう結婚だよね? うわ、新婚ってことだ。やばい、どうしよう、嬉しくて鼻血出そう」
「こら待て、勝手に話を広げるな、突き進むな。そもそも男同士じゃ結婚できねぇだろうが」
「そっか、日本じゃできないか。じゃあ結婚できる国に行こう! そこで一緒に暮らそう? うん、それがいいよ、そうしよう」
駄目だ、オレの話をまったく聞いていない。
それにしても幸佑はこういう奴だっただろうか。少なくともオレが知っている幸佑は、もっとクールでそこが女の子たちに人気だったはずだ。
「とにかく勝手にいろいろやるな。何かするならオレにもちゃんと言えよ。つーか、おまえこんな奴だったか? 高校までは、もっとこう、クールって感じだっただろ?」
「うーん、そうだったっけ」
「オレにはそう見えた」
「きっと本気になることがなかったからじゃないかな。でもコウちゃんのことは別だから。もうね、しっかりがっつりロックオンしたし、やっと身も心も結ばれたんだから、絶対に逃さないよ?」
爽やかなイケメンの笑顔に口元が引きつった。誰が見ても惚れ惚れするような笑顔だが、オレにはなぜか恐ろしく見える。
(……まぁ、いいか)
頭を抱えたいのに、ついそう思ってしまうのは惚れた弱みってやつだ。
こうしてオレは、バイトとして世話を焼き始めた超絶イケメンの幼馴染みと恋人になった。同時に幸佑も少しずつ変わってきている。
最近の幸佑はパソコンで何やら始めたようで、無職を満喫していた頃よりずっといい顔をするようになった。セフレともいろいろきちんと解決したようで、駅の近くで元セフレに遭遇するようなことはあれ以来起きていない。
街中でいろんな人から声をかけられたり誘われたりしても、きっぱり断っているのを何度か見かけたた。そういう姿を見ると「あんなに下半身が緩かったのにな」なんて感慨深く思うこともある。
(それにしても、幸佑がこんなに心配性だったなんてなぁ)
とにかくオレが誰かに手を出されないか心配でしょうがないらしい。そのためには同棲しかないと、毎日のようにオレを口説き落とそうとしている。
「ねぇ、やっぱり新婚の前に同棲しようよ」
「やかましい、諦めろ」
「えぇー」
昼飯を作っているオレに、リビングでパソコンをいじっていた幸佑が同棲したいとごねてくる。そのうち押し切られそうな気もするが、とにかく保留だと言って今日も聞き流した。
帰宅して冷蔵庫にあれこれ入れているオレの背後に陣取った幸佑は、扉を閉めるとすぐに腕を取って引っ張った。そうして見たことがない道具が並んだ浴室に連れ込まれ、想像したことすらないことをされた。
もちろんオレは最大限抵抗したしドン引きもした。絶望に苛まれた顔をしても羞恥に全身火だるまになりかけても、幸佑は「大丈夫、大丈夫」と言って手を緩めなかった。
(つーか、あんな道具まで全部ネットで買えるとか、世の中どうなってんだよ)
たしかに内蔵だから傷ついたら大変だろうし、かといって洗浄しないわけにはいかない。そういったことも以前調べたときに少しだけ読んだから理解している。それでも、まさかこんなにすぐにあれこれされるなんて……いや、思い出すのはやめておこう。何か大事なものを失ったような気がして心が折れる。
そんなオレとは対照的に、幸佑は「慣れたらドラッグストアとかで売ってる普通の浣腸でもできるよ」とニコニコ話していた。あの笑顔にもゾッとしたが、あんなことに慣れる日が来るとは到底思えなかった。
抵抗することも断ることもできなかったオレは、最後の気力を振り絞ってトイレに籠もった。さすがに排泄まで見られるわけにはいかない。ドアの向こうから「コウちゃんが出すものなら、何見たって平気なのに」という幸佑の言葉に震えながら、腹を下したときみたいな感覚にひたすら耐えた。
(幸佑って変態だったのか?)
若干涙目になりながらそんなことを思った。他人の排泄を見たがるなんてどうかしている。しかも「できればお尻の中も見てみたいなぁ」なんて怖すぎるだろう。
そんな準備でのあれこれを思い出したからか、尻穴がキュッと締まったのが自分でもわかった。おかげで幸佑の息子を締め上げることになり、「コウちゃん、積極的だなぁ」なんて言われてしまった。
「ぃ……ッ」
「ん、けっこう馴染んできたね。これなら動いても平気かな」
「ちょ、待て、」
幸佑の言葉に思わず悲鳴を上げそうになり、慌てて唇を噛み締めた。いや、本当は蹴ってでも止めたい。あんなでかいモノを尻の中で動かすとか、絶対に怪我をする。
幸佑の息子のサイズは抜き合いのときにも見た。あまりにも立派な姿に悔しさすら浮かばなかったくらいで、色味もオレのとはまったく違う黒々としたものだった。あんなものが尻に入っているのかと思うと、怖いやら不思議やらいろんな感情が湧いてきた。
「大丈夫。指でたくさんほぐしたし、それに気持ちよかったでしょ?」
「気持ちいいとか、何言って……って、動く、なって!」
「大丈夫、大丈夫。ほら、さっきの俺の指のこと思い出して?」
「……ッ」
「思い出して?」と言われたオレは、なぜかすぐさま幸佑の指の感触を思い出していた。同時に気持ちよかったことまで思い出し、尻穴がまたギュッと動いてしまう。
前も後ろも未経験者のオレにとって、準備だというすべてのことが未知の世界だった。爪までピカピカな幸佑の指に何度も尻穴を撫でられ、ぬるっとしたものを塗り込められた。中に入ってきた指にグチャグチャになるまでいじられて軽くパニックになった。
それどころか尻穴をいじりながら息子を抜くなんて技まで披露されてしまった。「初めてのときは前をいじると気持ちよくなるのが早いんだよ」なんて、そんな知識ばっかり蓄えやがって。
(でも、たしかに気持ちよかった)
完全勃起した息子を擦られるたびに尻の中がぞわぞわし、出るときにはどっちが気持ちいいのかわからなくなっていた。「コウちゃん才能あるなぁ」なんて言葉が聞こえた気もするが、怒る気力もないくらいの絶頂だった。
そうして若干の賢者タイムに入っていた間も尻穴をいじられ続け、気がつけば二本、三本と尻の中に入っている指が増えていた。
散々いじられまくった穴にはいま、幸佑の息子がずっぽり入っている。あんな臨戦態勢のモノが入るわけないと思っていたのに、すんなりと入ったときには「マジか」と絶句したくらいだ。もちろんものすごい圧迫感と苦しさはあったものの、ネットで見たような痛みはあまり感じない。
(つーか、マジで幸佑とやってんだな……)
そう思うだけで尻穴がぎゅうっと動いてしまう。
「ちょっとコウちゃん、これ以上締めつけないでね? ガマンできなくなっちゃうよ?」
「そ……なこと、して、ねぇって」
慌てて否定したが、締めつけていることはオレだってわかっている。でも、意図的にしていると勘違いされるのはたまったもんじゃない。
「じゃあ、気持ちよくて体が勝手に動いちゃうってことか。コウちゃんって、意外とエッチだ」
「ちが……! ひっ、ちょ、まだ動く、な、って!」
「うーん、ごめんね、もうムリ。これ以上は待てもガマンもできない」
そう言った幸佑の息子がゆっくりと抜けていく。排泄する感覚に近かったからか、腰の辺りがゾワゾワした。そういえば人間は排泄するときに快感を感じるらしく、そのおかげで赤ちゃんは排泄を覚えるらしい。
(……って、何を思いだして……、ッ)
余計なことを思い出していたら、出口付近まで動いたでかいモノにゾクッと痺れた。いま感じたのは、間違いなく快感だ。
「はは、コウちゃんの中、すっごいきゅうって縋りついてくる。かわいーね」
「なに、言って、……ひぃ……ッ!」
ゾクゾクした感覚を無意識に追っていたら、今度はドンと強烈な圧迫感を感じて息が詰まる。
「あー、ガマンできなくて一気に突っ込んじゃった。なか、あったかい」
「……ッ! っ、ぅ、ッ……、ぃ……ッ」
「大丈夫、俺は絶対にコウちゃんを傷つけたりしないから。ほら、こことか気持ちよくない? こっちとか、こことか」
「ぅぁ、ぁッ、っ、ッ……!」
「さすがに最初からはムリか。まぁ、いろいろゆっくり教えてあげるからね。そうだなぁ、まずは前立腺で、それから奥のほうも気持ちよくしてあげたいなぁ。ゆくゆくは結腸まで柔らかくしようね? あとはメスイキとか潮吹きとか、うん、ドライなら割と早くできそうかな。あとは……、そうだ、尿道とかも弄ってみたいなぁ」
「……ッ、ぃ……ッ! ぅ、ぁ……ッ! ……っ」
幸佑が熱心に何かを話しているが、尻の奥に突っ込まれた衝撃と苦しさに理解することはできなかった。ただ苦しいだけで気持ちよさなんてまったくない。そのままさらに奥まで突っ込まれるんじゃないかと思うとパニックになった。
そんなオレにようやく気づいたのか、すっかり萎えていたオレの息子を幸佑が優しく擦り始めた。そのままゆっくりと尻に入れたモノを動かし始める。
最初の快感を思い出したのか、段々と気持ちよくなってきた。息子もすっかり完勃ち状態だ。そのままコスコスと擦られ、かつてないほどの量を吐き出した。
幸佑もイッたようで、ぼんやりした目に使い終わったスキンをティッシュに包む幸佑の姿が見える。
(あー……、幸佑とセックス、したんだな……)
そんなことを思いながら、いろいろキャパオーバーしたオレは頭が求めるまま眠りの世界へと落ちていった。
* *
「ねぇコウちゃん、いつになったらここに住んでくれるの?」
「だから保留だって言ったじゃねぇか」
「えぇー。だって、ようやく恋人になった若い二人だよ? いつでも一緒にいたいでしょ? じゃあ同棲するしかないでしょ?」
何を昭和のラブソングみたいなこと言っているんだと呆れたが、そういうセリフも幸佑のようなイケメンが口にすると様になる。
(つーか、オレも昭和のラブソングとかわかんねぇけど)
それに幸佑だって知らないはずだ。……いや、そういう話じゃなくて。
「とにかく同棲はしない。学生の分際で同棲とか駄目だろ」
「コウちゃんって、ほんと真面目だなぁ。ここは俺の家だから遠慮しなくていいのに」
「そこだよ。ここに住むってことはおまえに、いや、おばさんに迷惑かけるってことになるだろ。んなのオレ自身が嫌だ」
「別にいまだって俺の生活費がかかってるんだから、コウちゃん一人が増えたくらい、どうってことないのに。それにコウちゃんなら喜んで同意してくれると思うんだけどなぁ」
「それも問題なんだよ」と心の中で突っ込む。おばさんなら「あら、そうなの? じゃあ幸佑のことよろしくね」と言って合鍵まで作りそうで怖かった。
(その前に母さんが小躍りして喜びそうだけどな)
いや、間違いなく喜ぶだろう。夏休みが終わってからも部屋に通うオレに「幸佑くんの寝顔の写真、たくさん撮って送って!」なんてとんでもないことを言ってくる母親だ。もし同居なんて話になったら、ますます幸佑の世話をしっかり焼くように言い出しかねない。
(つーか、どんだけ幸佑のことが好きなんだよ)
大好きな幸佑のためなら、オレを嫁に出しかねない気がする。
「ねぇ、やっぱり一緒に住もうよ。もうコウちゃんがいない生活なんてムリだもん」
「無理だもんとか可愛く言っても駄目だからな。こうして週の半分はこっち来てんだから、それで満足しとけ」
「だって週末じゃないと泊まってくれないじゃん。お泊まりじゃないと、できないじゃん」
「やかましいわ、性欲魔人が」
「えー。だって俺ピチピチの二十歳だよ? 性欲有り余って当然だよ? それに恋人を前にしてガマンとか、絶対ムリ」
「……っ」
恋人って言葉に、つい反応してしまった。
幸佑は頻繁に恋人という言葉を口にする。たしかにそうなんだろうが、照れくさいオレは言葉を聞くだけで顔が赤くなった。これまで恋愛に縁がなかったからか、何度聞いても耳がくすぐったくなる。
(それに、キラッキラした顔で言われるとな)
あまりに眩しすぎて、うっかり見惚れそうな自分が嫌だ。
「うーん、コウちゃんって思った以上に手強いよね。これはちょっと俺もいろいろ考えないとなぁ」
「何だよ、考えるって」
「だって、このままじゃ俺の知らないところで知らない誰かにちょっかい出されるかもしれないじゃん。一緒に住んでたら小さな変化にも気づけるだろうけど、いまのままじゃ気づかないことのほうが絶対に多いもん」
「オレにちょっかい出す奴なんていねぇだろ。そもそも女の子にだってモテたことねぇし、付き合ったことだってねぇんだから」
オレに彼女がいなかったことは幸佑が一番よく知っているはずだ。
「でも、これからはわからないでしょ? 大学生って自由奔放だから、うっかり誰かがコウちゃんの魅力に気づいて手を出すかもしれない」
「いやいや、おまえに自由奔放とか言われたくねぇと思うぞ? おまえ、どんだけ自由を満喫してると思ってんだよ」
「それに最近のコウちゃん色気も出てきたし、男もいけるヤツなら絶対に気づく。ううん、そういう気のないヤツだってフラッとするかもしれない。男子大学生なんて性欲の塊なんだから絶対に危ない。うん、危ない」
どこからどう突っ込んでいいのかわからなくなってきた。第一、オレに色気なんてものがあるはずがない。それにオレを狙う相手が男だと、どうして断定するんだろう。それはそれで悲しくなってしまう。
そもそも幸佑ほど性欲を持て余している奴がいるとは思えない。幸佑は他にやることがないから全エネルギーが性欲に向いてしまうんだろう。
(おかげで週末オレがどんだけ大変な目に遭うか気づけってんだ)
そもそも二十代の男の性欲ってどの程度なんだろうか。漫画では「一晩に何回ヤれるか」なんてネタを見たことはあるが、実際そんなに何度もやれるはずがない。オレだって二回出したら完全な賢者タイムだし、何度も勃起する精力すらなかった。
それなのに、幸佑は「待て」と言わなければ三度目に挑もうとする。金曜の夜に二度やったとしても、土曜の夕方には「ね、今夜は三回しようね」なんて微笑んだ。
そんな幸佑の精力を物語るように、ベッド脇には何種類ものローションが勢揃いしている。スキンなんてどれだけ買うんだよと突っ込みたいくらいだし、最近は寝室以外の場所でも箱を見かけるようになった。思わず「ここはラブホかよ」と突っ込みかけて、「それもいいね」と賛同されかねない予感がして口をつぐんだくらいだ。
「やっぱりコウちゃんはここに住むほうがいいよ。ね、そうしよ?」
「だから人の話を聞けって。学生のうちは同棲なんてしないからな」
「じゃあ、卒業したら一緒に住んでくれるってこと? でも卒業して社会人になったら同棲じゃなくて、もう結婚だよね? うわ、新婚ってことだ。やばい、どうしよう、嬉しくて鼻血出そう」
「こら待て、勝手に話を広げるな、突き進むな。そもそも男同士じゃ結婚できねぇだろうが」
「そっか、日本じゃできないか。じゃあ結婚できる国に行こう! そこで一緒に暮らそう? うん、それがいいよ、そうしよう」
駄目だ、オレの話をまったく聞いていない。
それにしても幸佑はこういう奴だっただろうか。少なくともオレが知っている幸佑は、もっとクールでそこが女の子たちに人気だったはずだ。
「とにかく勝手にいろいろやるな。何かするならオレにもちゃんと言えよ。つーか、おまえこんな奴だったか? 高校までは、もっとこう、クールって感じだっただろ?」
「うーん、そうだったっけ」
「オレにはそう見えた」
「きっと本気になることがなかったからじゃないかな。でもコウちゃんのことは別だから。もうね、しっかりがっつりロックオンしたし、やっと身も心も結ばれたんだから、絶対に逃さないよ?」
爽やかなイケメンの笑顔に口元が引きつった。誰が見ても惚れ惚れするような笑顔だが、オレにはなぜか恐ろしく見える。
(……まぁ、いいか)
頭を抱えたいのに、ついそう思ってしまうのは惚れた弱みってやつだ。
こうしてオレは、バイトとして世話を焼き始めた超絶イケメンの幼馴染みと恋人になった。同時に幸佑も少しずつ変わってきている。
最近の幸佑はパソコンで何やら始めたようで、無職を満喫していた頃よりずっといい顔をするようになった。セフレともいろいろきちんと解決したようで、駅の近くで元セフレに遭遇するようなことはあれ以来起きていない。
街中でいろんな人から声をかけられたり誘われたりしても、きっぱり断っているのを何度か見かけたた。そういう姿を見ると「あんなに下半身が緩かったのにな」なんて感慨深く思うこともある。
(それにしても、幸佑がこんなに心配性だったなんてなぁ)
とにかくオレが誰かに手を出されないか心配でしょうがないらしい。そのためには同棲しかないと、毎日のようにオレを口説き落とそうとしている。
「ねぇ、やっぱり新婚の前に同棲しようよ」
「やかましい、諦めろ」
「えぇー」
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ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。