悪役令嬢断罪プログラム

朏猫(ミカヅキネコ)

文字の大きさ
21 / 21

20 五度目の二人の物語

しおりを挟む
 オペラがグラニーテ公の婚約者になって三カ月後、ザルツブルガートルン伯爵令嬢ホワイトとマログラッセ伯爵子息ビスケティとの結婚式が執り行われた。オペラの一件で一度は下火になった二人の噂話は、その後も何度か社交界をにぎわせたものの最終的には純愛という形で収まりつつある。

「そもそもお金目当てだなんて噂のほうがおかしかったのですわっ」

 親しい人たちだけを集めてのパーティで、ホワイトが頬を膨らませながら不満を口にする。その表情に「どんな表情も可愛いわね」とオペラが微笑んだ。

「ほら、そんな顔をしては駄目よ。せっかく愛らしいドレスなのだから、いつものように天使の顔を見せて?」
「……もう、お姉様ったら……」

 膨れていた顔が照れたようにふわりとほどけた。そのやり取りを近くで見ていたビスケティが顔をしかめる。それでも何も言わずホワイトを見守っているのは夫という揺るぎない立場になったからだろう。
 以前のビスケティは、オペラを見つけるたびに睨みつけていた。そのことがホワイトに嫌われる一因にもなっていた。

「あたしのお姉様にしかめ面だなんて、失礼にも程がありますわ!」

 そう怒っていたホワイトは、婚約してからすぐにビスケティを問い詰めた。そのとき返ってきた言葉が「きみがガトーオロム公爵令嬢と仲良くしすぎているからだよ」だったらしい。
 ホワイトからそのことを聞いたオペラは「あらまぁ」と言い、美しく微笑んだ。「わたくしに嫉妬だなんて可愛い方ね」と思ったものの口にはしない。
 常にホワイトを見ていたビスケティは、ホワイトとオペラが姉妹の契りを交わすほど親しい仲だとすぐに勘づいたのだろう。そして姉妹以上に親しいことに嫉妬したのだ。それだけでなく、周囲が「公爵令嬢こそ王太子妃にふさわしい」と口にするのも我慢がならなかったのだという。

「あたしに王太子妃になってほしくないけれど、お姉様があたしを押しのけて王太子妃になるのも許せなかった、なんておっしゃるのよ? 本当に困った方!」

 そう言って怒ったホワイトの顔には腹立たしさよりうれしさのほうがにじみ出ていた。

(本当にホワイトは可愛いわ)

 そのときのホワイトの顔を思い出したオペラがうっとりと微笑む。するとそれを見たホワイトが「ほぅ」とため息を漏らしながら、こちらもうっとりとした表情になった。その空気を破ったのは低く艶やかな男性の声だった。

「ホワイト嬢が天使なら、僕のオペラ嬢はさしずめ女神様かな」

 王弟らしい服装を身に纏って現れたグラニーテ公に、「まぁ!」とホワイトがにこやかに笑う。

「さすが王弟殿下でいらっしゃいますわ。お姉様がどれほどお美しいかよくおわかりでいらっしゃいますのね」
「褒めていただき光栄の極み」
「ちょっと、ホワイトっ」

 王弟を相手に遠慮のない言葉を投げかけるホワイトに顔を青くしたのはビスケティだった。「失礼だよっ」と慌ててたしなめ、「申し訳ございません」とグラニーテ公に頭を下げる。ビスケティのほうが二歳年下だが、まるで妹の面倒を見る兄のような様子だ。それもまた可愛いのだとオペラが優しく微笑む。

「ホワイト、わたくしだけでなくほかの方々にもご挨拶したほうがいいわ」
「う~……わかりましたわ。あっ、でも、どうか最後まで残っていらっしゃってね? このあとお姉様とゆっくりお話がしたいの」
「えぇ、待っているから。さぁ、ビスケティ様といってらっしゃい」

 頬を赤くしながらドレスの裾を摘んで挨拶をしたホワイトが、ビスケティと寄り添いながらほかの招待客の元へと向かう。二人の背中を見送りながら「ビスケティ様はまるでホワイトのお兄様のようですわね」と微笑んだ。

「あれだけしっかりしているなら、この先のマログラッセ家も安泰だろうね」

 オペラの隣で同じように見送っていたグラニーテ公が、「そういえばきみの兄上のほうはどうしているかい?」と尋ねる。

「毎日お忙しそうですわ。それに気味が悪いくらい上機嫌で、顔もだらしなく笑っていらっしゃることが多くて……王城ではしっかりなさっていると思いますけれど」
「念願叶ってのカラム殿下の側近だ。うれしくて仕方がないのだろう」
「そうでしょうけれど、妹としては少し心配ですわ」

 頬に手を当てながら「ふぅ」と小さくため息をつく。
 兄フリューは王太子カラムたっての希望で王太子付きの側近となった。父はもちろんのこと、一番に喜んだのはフリュー自身だ。あまりの喜びようにマディーヌをはじめとした一部の侍女たちは熱い視線で見守っている。時を同じくして王子と公爵子息の恋模様を描いた薄い本が巷をにぎわせ始めている、という噂はオペラの耳にも入っていた。

(どちらにしても、ホワイトもビスケティ様も、わたくしたちもお兄様もよい方向に進んだと言えるわ)

 唯一そうならなかったのがミルフィ嬢だった。あまりに度を超した熱心さは王太子に敬遠され、オペラが王太子妃候補から降りるのと同時にミルフィ嬢も候補者から名前が外された。その後、国王とフレイズ男爵夫人の噂話はぴたりと消え、フレイズ男爵家の社交界での力や影響力も五年前に戻っている。

(こうしたことも“ぷろぐらむ”が沈黙した影響なのかしら)

 いまも沈黙したままなのか、オペラにはわからない。グラニーテ公は「プログラムが沈黙したことで何か変化が起きるかもしれない」と話していた。これまで何かが起きるたびに“ぷろぐらむ”の力で悪い方向へと噂が広がっていたが、沈黙したことで逆の作用が起きているのかもしれない。

(“ぷろぐらむ”は考えていたよりずっと強い影響力を持つ相手だわ)

 グラニーテ公は馬車での一件以来、かつて経験したことについて再び話すことはなかった。オペラから尋ねることもない。そのほうがいいと判断したからだが、あのとき聞いた内容から想像以上の力を持っているのだという想像はついた。それに打ち勝てたのは奇跡だったのかもしれない。

(次もまた奇跡を起こせるかしら)

 いつまた“ぷろぐらむ”が動き出すかわからない。オペラの胸に一瞬不安がよぎった。しかしすぐに「大丈夫よ」と力強く思い直した。もし一人で立ち向かっていたのなら足がすくんでしまったかもしれないが、オペラは一人ではない。傍らには“神”の存在を知り“ぷろぐらむ”に抗ってきたグラニーテ公がいる。

「きみは何も心配することはない。この先何が起きてもきみは僕が守る」
「……殿下」

 相変わらずグラニーテ公は自分が考えていることを察するのが早い。婚約者となってから、ますますそうなった。そんなグラニーテ公に接するたびにオペラは胸を高鳴らせ、いまでは間違いなくグラニーテ公を慕っているのだと自信が持てるまでになった。

(わたくしがそう思えるようになったのも、すべては殿下のおかげ)

 毎日のように愛の言葉を囁き、態度でもそれを示してくれる。いまや社交界ではこの国一番の夫婦になるに違いないと噂されるほどだ。そんなオペラとグラニーテ公の結婚式がひと月後に行われることも決まった。

「わたくし、“ぷろぐらむ”とは関係なく殿下のことをお慕いしておりますわ」
「ありがとう。その言葉を聞くだけで天にも昇る気持ちだよ」
「あら、もう天に昇ってしまわれるなんて、わたくしの気持ちはこれからますます強くなりますのに」
「おっと、我が奥方は僕を喜ばせるのが上手だ」

 にこりと微笑んだグラニーテ公の右手がオペラの腰に回った。そうしてグッと引き寄せながら左手で頬を撫で、耳を撫で、そうしてさらけ出されたうなじを優しく撫でる。

「殿下、」
「大丈夫、誰も見ていない」

 そう言いながらうなじや耳元をくすぐるように撫でた。途端にオペラの体が火照ったように熱くなる。こうした接触はグラニーテ公が初めてで、首に触れられるのが弱いと知ったのもグラニーテ公がきっかけだった。

「愛しい僕のオペラ嬢」
「……殿下、」

 耳元で囁かれ背中をぞくりとしたものが駆け抜けた。興奮しているのか頭が少しぼんやりする。「ふぅ」と小さく息を吸ったところで薔薇の香りがふわりと鼻腔をくすぐった。それがますますオペラの心をとろけさせた。
 グラニーテ公が愛用している薔薇の香水は、もとはオペラがグラニーテ公に贈ったものだった。その香りに近い薔薇を王城のあの部屋の庭に植えたのは二度目のときだったと教えてくれたのはグラニーテ公だ。

(殿下の顔に何度も既視感を覚えたのは、カラム殿下に似ていらっしゃったからではなかったのだわ)

 オペラの中にかすかに残っていたかつての記憶がそう思わせたに違いない。そう考えてしまうほどオペラはグラニーテ公に夢中だった。

「わたくし、恋をしないまま一生を終えるのだと思っていましたの。でも違いましたわ」
「それは僕に出会ったからかい?」

 そう言いながらグラニーテ公の顔が頬に近づく。「口づけは結婚の誓いのときに」と言ったグラニーテ公は唇に口づけることをしなかった。代わりに頬に口づけ、「結婚式が楽しみだ」と言うのが口癖になりつつある。

(殿下はとても誠実な方だわ)

 そうした性格もオペラが慕うところの一つだ。

「生涯一度だけの恋のお相手が殿下で、本当によかった」
「そう言ってもらえるだけで、やはり僕は天に昇ってしまいそうだ」
「まぁ」

 グラニーテ公が頬に優しく口づける。それにうっとりしていると、首に吐息を感じハッとした。慌てて「殿下」とたしなめたオペラだが、許さないとばかりに腰を抱くグラニーテ公の力が強くなる。そうして驚くオペラを気にすることなく首筋に口づけた。

「んっ」

 漏れた甘い声に驚いたのはオペラ自身だった。すぐに唇を噛み締めたものの軽く吸われ肩が震える。

「きみは二度と僕から逃げることはできない」

 初めての快感に意識を奪われていたオペラは、耳元で熱く囁かれたグラニーテ公の言葉を聞き取ることができなかった。

「五度目でようやく叶ったよ」

 オペラの体がふるりと震える。それは愛しい人と結ばれる未来への期待か、それとも囁かれた声にほの暗いものを感じたからか、オペラ自身もわからなかった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

白い結婚に、猶予を。――冷徹公爵と選び続ける夫婦の話

鷹 綾
恋愛
婚約者である王子から「有能すぎる」と切り捨てられた令嬢エテルナ。 彼女が選んだ新たな居場所は、冷徹と噂される公爵セーブルとの白い結婚だった。 干渉しない。触れない。期待しない。 それは、互いを守るための合理的な選択だったはずなのに―― 静かな日常の中で、二人は少しずつ「選び続けている関係」へと変わっていく。 越えない一線に名前を付け、それを“猶予”と呼ぶ二人。 壊すより、急ぐより、今日も隣にいることを選ぶ。 これは、激情ではなく、 確かな意思で育つ夫婦の物語。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜

咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。 もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。 一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…? ※これはかなり人を選ぶ作品です。 感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。 それでも大丈夫って方は、ぜひ。

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?

魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。 彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。 国外追放の系に処された。 そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。 新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。 しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。 夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。 ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。 そして学校を卒業したら大陸中を巡る! そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、 鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……? 「君を愛している」 一体なにがどうなってるの!?

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子

ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。 (その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!) 期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。

溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~

紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。 ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。 邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。 「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」 そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。

処理中です...