麗しの魔術師は養い子の弟子を花嫁に迎える

朏猫(ミカヅキネコ)

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20 初夜

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 額に印を刻み、残るは婚姻した証の夜を過ごす。すべてジルネフィに任せると言っていたスティアニーだが、一つだけ我が儘を聞いてほしいと口にした。

(明るいままは恥ずかしいだなんて、スティはいつまでも初心だな)

 体を繋げることはなかったものの、これまでも十分に濃密な触れ合いをしてきた。そのたびにスティアニーは部屋が明るいことを気にし、できるだけ暗くしたいと言った。今回はとくにそうで、枕元の灯りはスティアニーが納得するまで小さくしている。もちろん暗闇に強いジルネフィには意味がないが、それを教えるつもりはいまのところない。

(せっかくの初夜で何も見ないなんてもったいない)

 人間の目にはぼんやりと影のようにしか見えない薄暗さでも、ジルネフィには細部までしっかりと見える。だからこそ花嫁の初心な蕾を優しく解すこともできた。

(それに歓喜の涙に濡れる瞳が見られないのはあまりにもったいない)

 涙をこぼす菫色の瞳は、魔族が持つものとは違ううっとりするような美しさを放っている。その瞳で必死に自分の下肢を見ようとしているのが、またたまらない。最初は仰向けに横たわっていたスティアニーだが、いつの間にか上半身を少し起こして下肢に視線を向けていた。

(こういうところも勤勉というか何というか)

 いくら必死に見ようとしても人間であるスティアニーには影が動く程度にしか見えない。それでも目をこらしている様子にジルネフィの頬が緩んだ。

(わたしがしっかり見ているなんて、きっと想像すらしていないのだろうね)

 言えば二度と見られなくなるかもしれない。真実を告げて恥ずかしがる姿を見てみたいとは思うものの、こうした様子ももう少し楽しみたい。

「気持ちがいいね」
「んっ……ぁ、ん……っ」

 そう言いながらジルネフィが指を動かすと、スティアニーが顎を上げて息を詰めた。シーツに爪を立てながら足先を丸める様子にプレイオブカラーの瞳がクルクルと色を変える。

「すっかり蕩けて、もう三本も入っているよ」
「やぁ……っ。そこ……ば、かり……っ」
「あぁ、また出てしまったね」

 薄い腹の上にぴゅるっと白濁が飛び散った。何度目かわからない快感に上半身を支えられなくなったのか、スティアニーが力なく横たわる。その振動で、小さな水たまりのようになっていた白濁がトロトロと腰の辺りを伝って流れ落ちた。

(本当に何もかもわたし好みになった)

 華奢な両足はぱかっと開き、尻の奥にはジルネフィの指が三本入っている。本当は閉じたいのだろうが、「開いたままで」と言われたことを必死に守っている健気な姿に喉の奥で小さく笑った。

「あまり出しすぎると体がつらくなるけど……いや、出なくなったら出なくなったで、別の気持ちよさを教えてあげればいいだけか」

 ジルネフィのつぶやきに薄い腹がヒクッと震えた。言いつけどおり体を動かさないようにするためか、それとも声を我慢しようとして力んでしまうのか、細い指が敷布を必死に引っ掻いている。

「あぁ、何ていやらしくて愛らしいんだろう」

 涙をこぼす目元に口づけ、はくはくと息をする唇に吸いついた。そのまま舌を差し込み熱い口内をぐるりと舐め回す。それだけでスティアニーの体はヒクヒクと震え、咥えた指をきゅうきゅうと締め上げた。

「そろそろいいかな」

 感触を惜しむようにジルネフィがゆっくりと指を引き抜いた。それを止めるようにスティアニーの内側が締まり、抜けていく指先に縋るように窄まりがきゅうっと吸いつく。

「スティ、今夜きみはわたしのものになる。魔術師ジルネフィの花嫁として、この体をわたしに捧げるんだ」

 声に反応するかのように菫色の瞳がジルネフィを見た。

「わたしを中に迎え入れ、そうしてわたしの欲を体の奥深くで受け止める。そう……ここで受け止めるんだよ」

「ここ」と言いながら下腹を撫でると薄い下腹がひくりと震えた。

「スティ、わたしの花嫁」
「……ジルさま」

 スティアニーに名前を呼ばれ、ジルネフィの下肢がグッと熱くなった。力の抜けた華奢な太ももを持ち上げ蕾を顕わにする。そうして手を添える必要がないほど逞しくなった屹立で勢いよく貫いた。

「っ――!」

 菫色の瞳を見開いたスティアニーの口から声にならない悲鳴が上がった。これまで毎晩のように指で慣らしていたとはいえ、ジルネフィの屹立は体格に見合うほどの大きさだ。肩ほどの背丈しかないスティアニーには凶器でしかない。
 わかっていてジルネフィは動きを止めなかった。もっとも大きな先端を一気に差し込み、そのまま初心な隘路をズブズブと拓いていく。そうして最奥と思われるところをグッと押し上げた。

「ぁ……ぁ……」

 あまりの衝撃に、スティアニーは目を見開いたまま体をガクガクと震わせた。傍から見れば暴力的でしかないこの行為も、ジルネフィにとっては予定どおりの行いでしかない。

(これでスティは初めて貫かれた強烈な体験を絶対に忘れることはない)

 痛みも衝撃も快感も、そして誰に与えられたのかも死ぬまで忘れないだろう。初心な体は強烈な快感を忘れられず自ら求めるようになる。とくに魔族との交わりは人間にとって毒と言ってもいい。その毒がほしくて、いずれは自分のほうから交わりたいと欲するようになるだろう。
 ジルネフィは快楽に堕ちるスティアニーの姿を想像し、体の奥で魔力が蠢くのを感じた。この魔力をいずれ心置きなくこの体に注ぎ込むときのことを想像しながら、柔らかい奥を力強い先端で押し上げる。

「スティ……わたしの花嫁」

 華奢な両足をグッと持ち上げ体を折り曲げるように押し倒す。そうして見開いたままの目尻に口づけた。押し潰すような体勢は最奥をさらに刺激するからか、スティアニーの中が蠢くように動き出す。柔らかい肉癖が屹立に絡みつくように締まり、誘い込むようにきゅうきゅうと熱く吸いついた。

「わたしの弟子はこんなところまで優秀ときた。それとも、早くわたしの種がほしいという気持ちの表れかな」

 グッと奥を押し上げたジルネフィが、今度はゆっくりと屹立を引く抜いた。途端に中がきゅうっと窄まり逃がさないと追いかける。それに応えるように再び深く貫けば、今度は堪らないと言わんばかりに中が柔らかく解けた。

「本当にスティはもの覚えがいい」
「ぁ、ぁ、ぁ」
「もっと声を出してごらん」
「ぁ、ジルさ、ぁ、ぁ、あ!」
「今夜は初めてだから、中を可愛がるのは一度だけにしよう」
「あ、ぁ、ぁ、あ!」
「明日からは、どこがどれだけ気持ちいいかじっくりと教えてあげるからね」
「あ、あ、あぁっ!」

 スティアニーの口から一際高い声が上がった。それに合わせるようにジルネフィが屹立を押し込み、奥の壁をぐぅっと突き上げる。途端に中がギュッと締まり吐精を促すように先端を締め上げた。
 ジルネフィはいざなわれるままに欲望を吐き出した。スティアニーを拾ってから久しくしていなかったからか、ドクドクと脈打つ屹立は膨らむばかりでとどまることをしらない。
 思う存分吐き出しながら愛らしい顔に視線を向けると、菫色の瞳が虚ろげに宙を見ていた。わずかに開いた口の端からは唾液がとろりとこぼれている。

「これは飛んでしまったかな」

 なおも吐き出し続ける屹立を何とか収めたジルネフィが上半身を起こした。痙攣するかのように震え続けるスティアニーの下肢に視線を向ければ、初心な屹立はくたりとうな垂れたままでいる。

「あぁ、中だけで果てたのか」

 本当に物覚えがいいと微笑みながら、ゆっくりと屹立を抜き去った。先端がくぽっと抜けると、しばらく開いたままだった蕾が次第に窄まっていく。そうして小さく開閉する隙間からトロトロと白濁があふれ出した。

「これできみは外も中もわたしの魔力を存分に浴びた。ここまでわたしの魔力を匂わせてしまっては、人間の世界に戻ることは難しいだろうね」

 ただの人間でも違和感を感じるだろう。同時に人間では持ち得ない妖艶な気配に吸い寄せられる者も出てくるはずだ。魔族であっても引き寄せられる可能性は否定できない。

「もちろんわたしがそれを許すことはないし、スティを手放すこともない」

 うっとりと微笑みながら、ジルネフィは意識の途切れたスティアニーの唇に優しい口づけを落とした。
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