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24.パルフィと
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めでたくイグニスと結ばれ――私は次のオフの時に、なぜか学園にいた。自分でもなぜそんな行動に踏み切ったのかは分からない。学園も休日の日だ。パルフィの寮に押しかけると連絡もしてもらった。
「ナタリー様、お待ちしていました」
ノックをすると、おどおどと彼女が出てきた。サラサラの金の髪、透きとおった青の瞳。こうしてあらためて見るとミセル様にお似合いだ。
……外見だけは。
内面は、彼と渡り合えるほど綺麗に歪んだ人でないと上手くいかない気がする。
「休みの日に申し訳ないわね」
「いえ、もっと話したかったので嬉しいです。どうぞ、中に」
「お邪魔するわ」
寮には自宅が遠い学生が入る。彼女のご両親は領地にいるので、彼女だけがここにいる。
ま……貴族と富裕層向けの寮だけあって、部屋も安っぽくはないわね。ソファまであるし、過ごしやすそう。
「ソファの方に座ってもいいかしら」
「はい、どうぞ」
緊張しているわね……。
あれ。そういえば私、こんな接し方でいいのかしら。侯爵令嬢のままだし、大丈夫よね。普段はミセル様の護衛として働いているから、王宮では貴族と話す時は丁寧にしている。
「飲み物を持ってきますね。ローズヒップティーでいいですか?」
「ありがとう」
……メイドなのに、貴族をこき使っている気分だわ。落ち着かない。
少しして、彼女がティーポットとカップを持ってきてきてくれた。本当に落ち着かない。
「悪いわね」
「いえ、お口に会えばいいのですが……」
独特の酸味だ。私は好きだけど、人を選ぶ。私を迎えるのにこれを選ぶなんて……もしかして見た目と違って癖が強いのかしら。
「美味しいわ」
「ありがとうございます。すみません、飲み物を用意するという発想に思い至らず……緊張しすぎて頭が回っていませんでした」
ああ、彼女の好みか。
「それで、ご要件は……」
そんなに畏まられても困るわね。
「勢いで来ただけよ。雑談をしにね」
「雑談……ですか」
少しほっとしているわね。
「あなた、転生者なのよね」
「は、はい」
「イグニスと私は恋人なのだけど……」
「はい」
口に出したら恥ずかしくなってきたわ。
「その、前世でゲームは攻略したの? 私はしていないのよ。イグニスに関するバッドエンドとかあるの? ここに行ったら死にますよとか」
「あー、ああ。大丈夫です、それはありません。イグニスさんのバッドエンドは、ヒロインが彼に殺される形なので心配いりません」
殺されるって……。
「ああ……そういえばクラスメイトが死亡エンドも多いとか言ってたわね」
「クラスメイトですか?」
「女子高生だったの、私。城之内未来って名前よ」
「え……?」
私の名前、そんなに意外かしら。
「もしかして知ってるの?」
「あ、いえ。未来というお名前なんですね。素敵です」
「未来はなくなったけどね。死んだもの」
「……どうやってとかは聞いちゃ駄目ですよね。あ、私は田舎に遊びに行ってて川に流されました」
え……、あっさりと言うわね。
「それはなんというか……大変だったわね。私は分からないの、記憶がないのよ。死のうとしていたところまでしか覚えていないの」
「……死のうと……」
あ、言うのは駄目だったかしら。ショックを受けた顔になってしまった。
「だ、大丈夫よ。もう死のうとはしないわ。今はミセル様を護ることが生きがいだし、イグニスもいてくれるし」
生きがい!?
自分で言った言葉にびっくりする。
「私、生きる気に完全になっていたのね……」
いつからだろう。
私はいつから変わった?
しばらく黙っていた彼女がいきなり顔をあげた。
「ナタリー様!」
「え、なにかしら」
なんか突然目に闘志が湧いているわね。どうしたのよ。
「なんでも聞いてください! なんでもします!」
「だからそんな言葉を安売りしないでと言ったでしょう」
「あ、そうでした」
「でも、それならもう一つ聞くわ。ミセル様の恋人にはなるの?」
「……ならないと思います」
「ゲームを攻略したのなら簡単なんじゃない?」
あ、言っててムカついてきたわ。
「いえ。ミセル様はナタリー様をお好きですから」
「……恋愛感情はないわよ」
「だとしても、誰のことも好きではないゲームのミセル様と、こちらのミセル様。同じ会話は再現できないかと」
「……試したの?」
「!?」
あ、気づいたら武器を取り出していたわ。
「無意識よ、気にしないで」
「ど、どっから出したんですか! 何も動きが見えなかったですよ!?」
「魔に浸かると人間以上の早業も身につくみたいね。身体能力も向上したわ」
「……すみませんでした」
「あなたのせいではないし、こうならなければイグニスと、その……りょ、両想いになれなかったからいいのよ」
おかしいわね。人に話すと照れるわ。
「あの、ミセル様とのゲーム上での会話は試すまでもなかったです。最初から全然違いましたし」
「……そう」
つまり私の影響で何かが変わったってこと? 私もミセル様に忠誠を誓っているし、なんだか嬉しいわね。
でも、それなら……。
「ミセル様はヒロインと結ばれない場合、どうなるの? どこの誰と結婚するの」
それも知りたかった。よけいなトラブルが発生しないよう事前に把握しておきたい。
「あー……身分が釣り合い、もっとも問題が起きなさそうな相手を選ぶみたいなことは言ってた気がします。割り切っているような……それくらいです」
確かに言いそう。
跡継ぎは絶対に必要だ。どこぞの貴族然としたご令嬢よりは、この子のがマシかもしれない。私との噂があった以上、どんな相手であれ私を疎みそうだ。滞りなく護衛職をまっとうするには……。
「あの、ナタリー様? 大丈夫ですよ、ミセル様にはその、何もしません」
「殺そうとしたら殺すわよ」
「ふええ!?」
あ、つい台詞に不穏なものを感じて見当違いなことを言ってしまったわ。
「ミセル様が誰かと一緒になるのなら、今のところあなたがマシね」
「えええ!?」
本当は愛を交わせる相手が一番なのだろうけど……。あの人、厄介な性格だからなぁ。
「貴族の令嬢なら私のことを嫌いになるわ。あの方、私のことを気に入ってるもの」
「あ……なるほど。深い仲は感じますもんね」
「ミセル様は婚約者より妻より護衛を信頼するわ。私を害そうとする人は消されるわよ、きっと。世継ぎを産んでもらったあとにね」
「うわぁ」
王妃を殺してくれたくらいだもの。だから私も、どれだけだって死ねる。
「私とミセル様の間にある絆を理解してくれる方でないと危険ね。年月も経てば信頼関係も愛情も生まれるかもしれない。でも……そうなる前に消されたら何も生まれないわ。嫌じゃないなら頑張ってみたら?」
「!?」
あ、また無意識に武器を取り出してたわ。
「ナタリー様、怖いです~」
「悪いとは思ってるわよ。少し……不安なのね。ミセル様との間には主従の信頼関係があるけど……あの方に愛する人ができた時、もしかしたら変わる何かがあるかもしれないと。それが不安なだけ」
「大丈夫ですよ」
「分かってるわよ。でも――ミセル様に必要とされてあの方のために生きることが全てだから」
「……イグニスさんは違うんですか」
「別種ね。ミセル様のために死ぬことは怖くないけど……イグニスには悪いなと思うわよ。できればもう死にたくない」
今の彼と違うあの人を恋人にするのは……浮気に似た感覚になりそうだ。
「甘えたくなるのはイグニスだけで、今の彼を置き去りにしたくない。でも……ミセル様の盾となることに躊躇いもないわ」
「……複雑ですね」
「そうね」
「うーん、学園に通われたらどうですか」
「どうしてあなたまでそう言うのよ。なんでそんな発想に至ったのよ」
「少し色々と考えてみます」
「はあ? 何を考えるのよ」
「内緒です!」
――まさか、この会話のせいであんなことになるとは思わなかった。
「ナタリー様、お待ちしていました」
ノックをすると、おどおどと彼女が出てきた。サラサラの金の髪、透きとおった青の瞳。こうしてあらためて見るとミセル様にお似合いだ。
……外見だけは。
内面は、彼と渡り合えるほど綺麗に歪んだ人でないと上手くいかない気がする。
「休みの日に申し訳ないわね」
「いえ、もっと話したかったので嬉しいです。どうぞ、中に」
「お邪魔するわ」
寮には自宅が遠い学生が入る。彼女のご両親は領地にいるので、彼女だけがここにいる。
ま……貴族と富裕層向けの寮だけあって、部屋も安っぽくはないわね。ソファまであるし、過ごしやすそう。
「ソファの方に座ってもいいかしら」
「はい、どうぞ」
緊張しているわね……。
あれ。そういえば私、こんな接し方でいいのかしら。侯爵令嬢のままだし、大丈夫よね。普段はミセル様の護衛として働いているから、王宮では貴族と話す時は丁寧にしている。
「飲み物を持ってきますね。ローズヒップティーでいいですか?」
「ありがとう」
……メイドなのに、貴族をこき使っている気分だわ。落ち着かない。
少しして、彼女がティーポットとカップを持ってきてきてくれた。本当に落ち着かない。
「悪いわね」
「いえ、お口に会えばいいのですが……」
独特の酸味だ。私は好きだけど、人を選ぶ。私を迎えるのにこれを選ぶなんて……もしかして見た目と違って癖が強いのかしら。
「美味しいわ」
「ありがとうございます。すみません、飲み物を用意するという発想に思い至らず……緊張しすぎて頭が回っていませんでした」
ああ、彼女の好みか。
「それで、ご要件は……」
そんなに畏まられても困るわね。
「勢いで来ただけよ。雑談をしにね」
「雑談……ですか」
少しほっとしているわね。
「あなた、転生者なのよね」
「は、はい」
「イグニスと私は恋人なのだけど……」
「はい」
口に出したら恥ずかしくなってきたわ。
「その、前世でゲームは攻略したの? 私はしていないのよ。イグニスに関するバッドエンドとかあるの? ここに行ったら死にますよとか」
「あー、ああ。大丈夫です、それはありません。イグニスさんのバッドエンドは、ヒロインが彼に殺される形なので心配いりません」
殺されるって……。
「ああ……そういえばクラスメイトが死亡エンドも多いとか言ってたわね」
「クラスメイトですか?」
「女子高生だったの、私。城之内未来って名前よ」
「え……?」
私の名前、そんなに意外かしら。
「もしかして知ってるの?」
「あ、いえ。未来というお名前なんですね。素敵です」
「未来はなくなったけどね。死んだもの」
「……どうやってとかは聞いちゃ駄目ですよね。あ、私は田舎に遊びに行ってて川に流されました」
え……、あっさりと言うわね。
「それはなんというか……大変だったわね。私は分からないの、記憶がないのよ。死のうとしていたところまでしか覚えていないの」
「……死のうと……」
あ、言うのは駄目だったかしら。ショックを受けた顔になってしまった。
「だ、大丈夫よ。もう死のうとはしないわ。今はミセル様を護ることが生きがいだし、イグニスもいてくれるし」
生きがい!?
自分で言った言葉にびっくりする。
「私、生きる気に完全になっていたのね……」
いつからだろう。
私はいつから変わった?
しばらく黙っていた彼女がいきなり顔をあげた。
「ナタリー様!」
「え、なにかしら」
なんか突然目に闘志が湧いているわね。どうしたのよ。
「なんでも聞いてください! なんでもします!」
「だからそんな言葉を安売りしないでと言ったでしょう」
「あ、そうでした」
「でも、それならもう一つ聞くわ。ミセル様の恋人にはなるの?」
「……ならないと思います」
「ゲームを攻略したのなら簡単なんじゃない?」
あ、言っててムカついてきたわ。
「いえ。ミセル様はナタリー様をお好きですから」
「……恋愛感情はないわよ」
「だとしても、誰のことも好きではないゲームのミセル様と、こちらのミセル様。同じ会話は再現できないかと」
「……試したの?」
「!?」
あ、気づいたら武器を取り出していたわ。
「無意識よ、気にしないで」
「ど、どっから出したんですか! 何も動きが見えなかったですよ!?」
「魔に浸かると人間以上の早業も身につくみたいね。身体能力も向上したわ」
「……すみませんでした」
「あなたのせいではないし、こうならなければイグニスと、その……りょ、両想いになれなかったからいいのよ」
おかしいわね。人に話すと照れるわ。
「あの、ミセル様とのゲーム上での会話は試すまでもなかったです。最初から全然違いましたし」
「……そう」
つまり私の影響で何かが変わったってこと? 私もミセル様に忠誠を誓っているし、なんだか嬉しいわね。
でも、それなら……。
「ミセル様はヒロインと結ばれない場合、どうなるの? どこの誰と結婚するの」
それも知りたかった。よけいなトラブルが発生しないよう事前に把握しておきたい。
「あー……身分が釣り合い、もっとも問題が起きなさそうな相手を選ぶみたいなことは言ってた気がします。割り切っているような……それくらいです」
確かに言いそう。
跡継ぎは絶対に必要だ。どこぞの貴族然としたご令嬢よりは、この子のがマシかもしれない。私との噂があった以上、どんな相手であれ私を疎みそうだ。滞りなく護衛職をまっとうするには……。
「あの、ナタリー様? 大丈夫ですよ、ミセル様にはその、何もしません」
「殺そうとしたら殺すわよ」
「ふええ!?」
あ、つい台詞に不穏なものを感じて見当違いなことを言ってしまったわ。
「ミセル様が誰かと一緒になるのなら、今のところあなたがマシね」
「えええ!?」
本当は愛を交わせる相手が一番なのだろうけど……。あの人、厄介な性格だからなぁ。
「貴族の令嬢なら私のことを嫌いになるわ。あの方、私のことを気に入ってるもの」
「あ……なるほど。深い仲は感じますもんね」
「ミセル様は婚約者より妻より護衛を信頼するわ。私を害そうとする人は消されるわよ、きっと。世継ぎを産んでもらったあとにね」
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「!?」
あ、また無意識に武器を取り出してたわ。
「ナタリー様、怖いです~」
「悪いとは思ってるわよ。少し……不安なのね。ミセル様との間には主従の信頼関係があるけど……あの方に愛する人ができた時、もしかしたら変わる何かがあるかもしれないと。それが不安なだけ」
「大丈夫ですよ」
「分かってるわよ。でも――ミセル様に必要とされてあの方のために生きることが全てだから」
「……イグニスさんは違うんですか」
「別種ね。ミセル様のために死ぬことは怖くないけど……イグニスには悪いなと思うわよ。できればもう死にたくない」
今の彼と違うあの人を恋人にするのは……浮気に似た感覚になりそうだ。
「甘えたくなるのはイグニスだけで、今の彼を置き去りにしたくない。でも……ミセル様の盾となることに躊躇いもないわ」
「……複雑ですね」
「そうね」
「うーん、学園に通われたらどうですか」
「どうしてあなたまでそう言うのよ。なんでそんな発想に至ったのよ」
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