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繋がる刹那
繋がる刹那・・・その7
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きっと、そうなんだわ。
夏樹さんが、京子たちの事を許していないのか?
それとも、そういう問題ではないのか?は、分からないけど・・・。
もしかしたら、夏樹さんの方が、京子たちに会うつもりがない。
もっと言えば、夏樹さんが、京子たちを拒絶している。
確か、夏樹さん、こう言ってたのよね・・・「もういい・・・」って。
きっと、この言葉が、夏樹さんの京子たちに対しての感情の全てだったんだわ。
でも、それじゃ、どうしてあの日、わざと京子に見せつけるように雪子さんと歩いていたのかな?
そんな行動に出たあの日の夏樹さんは、京子に、いったい、何を伝えたかったのかな?
確かに、あのままの京子では、夏樹さんを恨む事でしか生きる目的を見つけられない。
そして、そんな京子の感情を逆なでする事で、京子の心の中にある何かを動かそうとした。
それは夏樹さんから聞かされたから何となく分かるけど・・・でも、それだけなのかしら?
「どうしたんですか、直美さん?」
「えっ?あっ、ちょっと考え事してたみたい・・・ははは」
直美は、運ばれてきたミルクティーを一口飲むと・・・
「あっ、お砂糖を入れるの忘れちゃった・・・ははは、ダメね、私って!」
「もしかしたら・・・。直美さんだったら、もしかしたら・・・」
「えっ?私が、どうかした?」
「いえ、ただ、ちょっと・・・」
「何よ、ただ、ちょっとって」
「いえ・・・別に・・・」
「別にって、そう言われると、余計に気になるじゃない?何?何よ?なに、なに、なに?」
「いえ、別に・・・ちょっと思っただけですから?」
「だ~か~ら!主語がないわよ!主語が!」
「はは・・・直美さんて、面白いですね」
「面白い?・・・私が・・・?」
「自分で、そう思って言っていないところなんか、特に・・・」
「そうかな~?で、さっきの主語は、何だったの?」
「いえ、別に大した事じゃないんですけど」
「大した事じゃないなら言いなさいよ!」
「はあ・・・もしですよ、もしですからね」
「な~に?カメさんでも出てくるの?」
「あはは・・・そういう発想とかもですけど、もしの話ですから怒らないで下さいね」
「大丈夫、私って怒った事ないから」
「あの・・・一度もが入っていないんですけど」
「気にしない、気にしない、手に鹿せんべい・・・うん!これは、新しいわ!」
「なんですか、それ?」
「気にしない、気にし・・・ちょっと、リピートかかっちゃうじゃない!」
「あはは・・・」
「まあ、怒らないから、言ってみてよ!」
「はあ・・・それじゃ言いますけど。もし、父さんが母さんじゃなくて、直美さんと結婚していたらって、ちょっと思ったんですよ」
「私と?夏樹さんが?そんなの分かりきってるじゃない。私なんか、1年もしないうちにポイされちゃうわよ」
「そうかな~?」
「なに?そうかな~って、もしかして2年は持つって?それとも半年しか持たないって?」
「そうじゃなくて、もし、父さんと直美さんだったら、きっと、上手くいってたんじゃないかなって?」
「へっ・・・?」
「いえ、何となく、ちょっと思っただけですから気にしないで下さい」
「う~ん・・・返答に困るかも?ってか、まあ、そんな事より、これから、どうするの?」
「どうするって、父さんとって事ですか?」
「違うわよ?省吾君はいくつになるの?いくつか知らないけど、もういい歳でしょ?それなのに、いつまでも、お母さんのところにいて、お母さんの世話になって、この先も、そうやって生きていくの?」
「それは・・・」
「それは、な~に?お父さんがあ~だったから?お父さんがこうだっから?だから、自分たちが苦労するはめになったって?だから、高校も卒業出来なかったって?だから、良いとこにも就職が出来なかったって?この先も、そうやって、お父さんが悪いの、お父さんのせいで、こうなったの、あ~なったのって言いながら生きていくわけ?・・・余計なお世話なのは分かってるけどさ。そういうのって、イライラするのよね。言い方を変えれば、ウザいって言うのかしら?」
「確かに、それは・・・」
「確かに、それは・・・なに?省吾君は、楽しい?そんな毎日って・・・。家族みんなで父親の悪口を言い合って、それどころか、父親の悪口でまとまってるみたいな家族じゃないの?省吾君は、そんな毎日が楽しいって思えるの?」
「別に、そういうわけじゃ・・・」
「まだ、分かってないのね?別にそういうわけじゃから始まる言い訳三昧でも言うつもり?まあ、私の問題じゃないし、これで、私が、省吾君に嫌われようがどうなろうが、私は痛くもかゆくもないし・・・。省吾君も分かってるんでしょ?違う?」
あまりにも的を得た直美の言葉に、省吾は返す言葉が見つからなかった。
夏樹さんが、京子たちの事を許していないのか?
それとも、そういう問題ではないのか?は、分からないけど・・・。
もしかしたら、夏樹さんの方が、京子たちに会うつもりがない。
もっと言えば、夏樹さんが、京子たちを拒絶している。
確か、夏樹さん、こう言ってたのよね・・・「もういい・・・」って。
きっと、この言葉が、夏樹さんの京子たちに対しての感情の全てだったんだわ。
でも、それじゃ、どうしてあの日、わざと京子に見せつけるように雪子さんと歩いていたのかな?
そんな行動に出たあの日の夏樹さんは、京子に、いったい、何を伝えたかったのかな?
確かに、あのままの京子では、夏樹さんを恨む事でしか生きる目的を見つけられない。
そして、そんな京子の感情を逆なでする事で、京子の心の中にある何かを動かそうとした。
それは夏樹さんから聞かされたから何となく分かるけど・・・でも、それだけなのかしら?
「どうしたんですか、直美さん?」
「えっ?あっ、ちょっと考え事してたみたい・・・ははは」
直美は、運ばれてきたミルクティーを一口飲むと・・・
「あっ、お砂糖を入れるの忘れちゃった・・・ははは、ダメね、私って!」
「もしかしたら・・・。直美さんだったら、もしかしたら・・・」
「えっ?私が、どうかした?」
「いえ、ただ、ちょっと・・・」
「何よ、ただ、ちょっとって」
「いえ・・・別に・・・」
「別にって、そう言われると、余計に気になるじゃない?何?何よ?なに、なに、なに?」
「いえ、別に・・・ちょっと思っただけですから?」
「だ~か~ら!主語がないわよ!主語が!」
「はは・・・直美さんて、面白いですね」
「面白い?・・・私が・・・?」
「自分で、そう思って言っていないところなんか、特に・・・」
「そうかな~?で、さっきの主語は、何だったの?」
「いえ、別に大した事じゃないんですけど」
「大した事じゃないなら言いなさいよ!」
「はあ・・・もしですよ、もしですからね」
「な~に?カメさんでも出てくるの?」
「あはは・・・そういう発想とかもですけど、もしの話ですから怒らないで下さいね」
「大丈夫、私って怒った事ないから」
「あの・・・一度もが入っていないんですけど」
「気にしない、気にしない、手に鹿せんべい・・・うん!これは、新しいわ!」
「なんですか、それ?」
「気にしない、気にし・・・ちょっと、リピートかかっちゃうじゃない!」
「あはは・・・」
「まあ、怒らないから、言ってみてよ!」
「はあ・・・それじゃ言いますけど。もし、父さんが母さんじゃなくて、直美さんと結婚していたらって、ちょっと思ったんですよ」
「私と?夏樹さんが?そんなの分かりきってるじゃない。私なんか、1年もしないうちにポイされちゃうわよ」
「そうかな~?」
「なに?そうかな~って、もしかして2年は持つって?それとも半年しか持たないって?」
「そうじゃなくて、もし、父さんと直美さんだったら、きっと、上手くいってたんじゃないかなって?」
「へっ・・・?」
「いえ、何となく、ちょっと思っただけですから気にしないで下さい」
「う~ん・・・返答に困るかも?ってか、まあ、そんな事より、これから、どうするの?」
「どうするって、父さんとって事ですか?」
「違うわよ?省吾君はいくつになるの?いくつか知らないけど、もういい歳でしょ?それなのに、いつまでも、お母さんのところにいて、お母さんの世話になって、この先も、そうやって生きていくの?」
「それは・・・」
「それは、な~に?お父さんがあ~だったから?お父さんがこうだっから?だから、自分たちが苦労するはめになったって?だから、高校も卒業出来なかったって?だから、良いとこにも就職が出来なかったって?この先も、そうやって、お父さんが悪いの、お父さんのせいで、こうなったの、あ~なったのって言いながら生きていくわけ?・・・余計なお世話なのは分かってるけどさ。そういうのって、イライラするのよね。言い方を変えれば、ウザいって言うのかしら?」
「確かに、それは・・・」
「確かに、それは・・・なに?省吾君は、楽しい?そんな毎日って・・・。家族みんなで父親の悪口を言い合って、それどころか、父親の悪口でまとまってるみたいな家族じゃないの?省吾君は、そんな毎日が楽しいって思えるの?」
「別に、そういうわけじゃ・・・」
「まだ、分かってないのね?別にそういうわけじゃから始まる言い訳三昧でも言うつもり?まあ、私の問題じゃないし、これで、私が、省吾君に嫌われようがどうなろうが、私は痛くもかゆくもないし・・・。省吾君も分かってるんでしょ?違う?」
あまりにも的を得た直美の言葉に、省吾は返す言葉が見つからなかった。
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