ビッグデータ探偵

なかの

文字の大きさ
69 / 100

第69話 電光石火

しおりを挟む
「よし、できたんだよ!!」
ヒカルちゃんは話している最中にすでにあたらしいプログラムを書いていた。
サクッと小さく試してすでに自動で口を切り取った画像を作り出すことに成功していたようだ。
その画像の塊があれば、口を隠している人でも人物同定を行うことができる。

「はやっ!」
高崎くんが驚く。そうわずか数分のことだった。
つまりこれはアイデアがでればすぐ完成してしまうことを意味していた。
ただしいアイデアを思い付く仕組みが大事なのだ。

「うん、速いね。素晴らしい」
ぼくがうなずく。
仕事の仕方も素晴らしい。
いきなり大きなデータで試さないところにセンスが現れる。

「これも、あとは自動でやってくれるんだよ!」
ヒカルちゃんが言う。
小さく確認したのではあとはそのプログラムを全データに対して行えばあとはできるのを待つだけだ。

「よしよし、これで口を隠しててもある程度見つけられるんだよ!」
ヒカルちゃんは言う。
うれしそうにしていく、自分が作った人工知能がどんどん成長していく、それはかなり楽しいことだろう。

「すごーい!電光石火の速さで進んでいきますね!」
高崎くんが感嘆の気持ちを四字熟語で伝えた。

「電光石火」
ぼくは笑った。

「電光石火って言いません??」
高崎くんがあれ?変なこと言いました?という顔をしていた。

「言うけどね。高崎くんみたいな若者は言うかなぁ」
ぼくは笑った。

「格闘技で使われるのかもしれないですね!」
高崎くんがどこでその単語を覚えたのか思い出したみたいだった。
たしかにそれなら、定期的に使われるかもしれない、アナウンスや実況者は使いそうな単語ではあった。

「たしかに、そういう事か、格闘技なんてほとんど見た事ないからなぁ」
ぼくは納得した。
ぼくの知らない世界では常に使われる単語だったのかもしれない。
データサイエンスの単語が彼女にとって知らない単語ばかりであるように格闘技の単語は僕にとってしらないものばかりだろう。

「そうなんですね!」
高崎くんは笑った。
やっぱり全然格闘技についてしらないんですね!と微笑んだ。
彼女は佐々木をみる限り有名みたいだから知っているひとはみんな知っているのかもしれない。

「佐々木はなんとなく高崎さんのこと知ってたみたいだからなんとなく見てるのかもしれないけどなぁ」
ぼくは言った。
知っている人は知っている、知らない人は知らない、みたいなことがSNS社会だと加速される。
特に僕らは学術の世界にのめり込みがちなので一般的なニュースはあまり知らない。

「そうですね!」
高崎くんが笑う。

「あ、電話です!失礼しますね!はい高崎です!もう1人見つかった?わかりました!ありがとうございます!」
高崎くんがかかってきた電話にでて答える。
その内容から、もうひとり見つかったことがわかった。
さっそくヒカルちゃんのあたらしいアルゴリズムの成果がでた。

「やったね」
ぼくは頷いた。しっかりとした成果がでたことに喜んだ。

「あと2人なんだよ!!」
ヒカルちゃんがガッツポーズをとりながら言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...