ビッグデータ探偵

なかの

文字の大きさ
76 / 100

第76話 達人のデータ

しおりを挟む
「凄かったですね!これは次の研究に活かしたいな」
大和くんが高崎くんのスーパープレイを見ていった。

「喜んでもらえて嬉しいです!」
高崎くんが喜んでいる。

「達人のデータは常に欲しいからね!」
僕は言った。貴重なデータだ。
僕らはデータを集めたいがなかなか千差万別のデータを集めるのは難しい。
僕らは特別に何百万人というユーザというデータにアクセスできる立場にいるのだけど、普通の心理学の論文などは1000人からデータを取れたら、だいぶ多いな、というレベルだ。

「今回は素人の動きを探すものなのでここまでの精度はいらないので、通常のカメラで大丈夫です」
大和くんが整理する。
つまり今まで手に入れた監視カメラの画像でも今回の目的に対してならなんとかなるということだ。
高崎くんの動きを解析して、達人二人の差を調べようとした場合はハイスピードカメラなどの高価な機材が必要になるということ。

「うんうん」
僕が頷く。
目的に対して必要なスペックだけを選べるというのは、エンジニアにとってかなり重要な能力になっていくので、大和くんの思考が素晴らしく満足した。

「ヒカルちゃんに出してもらった、人の動きを解析しています!同じ人が朝と夜二回映っているので比較します」
大和くんが言う。
同じ人物の別の時間帯の動きが手に入ったらしい。
さっと、そういうデータを見つける能力が必要になる。

「なるほど!そうやるんだね!」
ヒカルちゃんが喜んでる。
彼女は実験方法のことを言っている。
機械学習の世界ではどのように成果を確認するのかが大事とされていて、大和くんのこれはうまいやりかただった。

「はい、類似度90パーセントで同一人物判定されました!」
大和くんが言う。
さっきの高崎くんの正拳突きのように二つの同じ人物の歩きを重ねてみせた。
今度は一般の人の同じ動きだ。

「100パーセントじゃないんですね?」
高崎くんが質問する。
さっきの高崎くんはとんでもない類似度を叩き出していた。

「そうなんです、高崎さんみたいに全く同じ動きをするのは訓練されていない人間には無理なんです」
大和くんが高崎くんに説明する。
そう、さっきの高崎くんの動きは特別。
他の人にできるものではない。

「面白いですね」
高崎くんが頷く。
同じうごきができないと、高速で攻撃ができない。
毎回違ううごきをしてしまうということは毎回違う速度で攻撃しているということだ、その差で多分打ち負けるのだろう。

「なので70パーセントから100パーセントぐらいの類似度なら同一人物だと捉えられます」
大和くんが説明する。
これは彼が密かにいろいろなパラメータで試してみた結果だろうと思われる。

「この70パーセントか80パーセントかを決めるのがセンスになってくるんだよね」
僕が補足した。
テクノロジーによりセンスの必要がなくなっていると思われがちだが、最終的な部分はかなりセンスによっていく。

「そうなんです、80だと本人を見逃す可能性があって、70だと他の人と間違えてしまう可能性が増えますね」
大和くんが説明する。
彼がグラフを出す。
80の時と70の時の成功確率の分布が出ている。

「なるほど、今回は多少間違ってても警察でなんとかするので70でいいということですね」
高崎くんが言った。

「素晴らしい!それが工学の世界で大事とされてる、安全側の思考だ」
僕が言った。

「安全側??」
高崎くんが聞いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

処理中です...