ビッグデータ探偵

なかの

文字の大きさ
79 / 100

第79話 コードと性格

しおりを挟む
「大和さんのプログラムは綺麗なんだね!」
ヒカルちゃんは言った。
彼女は大和くんと仲良くなっていろいろ教えてもらってたりソースコードを見させてもらっているようだった。
プログラマには多いのだが、彼は特に隠すような性格ではなく、オープンに教えてくれていた。

「そうだね、性格通り冷静な感じ」
僕も常に彼のソースコードを見ているのでそう言った

「そうだね、ヒカルちゃんは風って感じだね」
僕は言った。
ヒカルちゃんのコードも前回ルート最適化のプログラムを作ったときにみたけれども、そう印象があった。
とにかく速い。速く試し先に進んでいく。

「そういうのあるんですか?面白いですね!佐鳥先生はどうなんですか?」
高崎くんが話を聞いて喜んでいた。

「僕はどうだろう??」
僕はつぶやいた。
自分で自分のことを正しく評価するのは難しい。

「先生は両方ですね。速いし正確です。私もスピードを見習いたいです」
大和くんが言う。
彼との付き合いは長いからそうなのだろうな、と思う。
自分より自分のことはそばにいる人の方がわかっているだろう、きっと。

「大和くんは信頼性が高いタイプだからね」
僕は言う。
それはそれで大事だ。
そういうメンバーがいないと事故が起きてしまう。一人で全部を完璧にはできない。

「ありがとうございます。70パーセントで設定できました。少しだけ動いてるか確認したら後は待つだけです」
大和くんは言った。
そして、70パーセント類似度の人物を洗い出すプログラムを書き終えた。
あとは自動でクラウドサーバにより計算される、僕らにできることはそれを待つことだけだ。

「よし、お疲れ。楽しみだね」
僕は言う。
かなり良い仕事ができているといって良いだろう
この人数で大きな成果だ。ソフトウェア開発はただ人がいれば良いものができるわけではない。
トップクラスの人材が作るとこの期間でも大きな成果がだせる。

「楽しみなんだよ!」
ヒカルちゃんのテンションが上がる。
ピョンピョン飛び跳ねている。

「うん、ヒカルちゃんもお手柄だったね。やったことないことなのに!」
僕はいう。
そう彼女は新しいことでもどんどん取り入れ自分の力にしていく。

「うん、でも楽しかったんだよ!」
ヒカルちゃんが微笑む。

「これ、論文にかけるかもしれないから、終わったら大和くんと相談して論文書いてみるといいよ」
僕は言う。
そうやって彼女にはどんどん先に進んでいってもらいたい。
論文を書いたりオープンソースを出したりしていけば、もっと良い環境に身を置くことができて彼女はもっと進化する。

「論文!面白そうなんだね!」
ヒカルちゃんは言う。
そう、彼女は物怖じしない。できることはやってみたいタイプだ。
英語も論文も恐れずどんどん身につけていくだろう。

「うん、類似論文を大和くんがまとめてあるから、そのリンク送るね」
僕は言う。

「きた!見てみるね!」
ヒカルちゃんは言う。

「真似して書いてみるといいよ!」
僕は言う。そう、それが上達の方法だ。

「おもしろそう!」
ヒカルちゃんは言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...