ビッグデータ探偵

なかの

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第87話 電光石火

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「お前らも警察か?」
突如僕らは誰かに声をかけられた。
そう現場でそれっぽい会話をしていたからだ。
これは迂闊だったと言わざるを得ない。
聞き込み場所からはすこし離れた場所だったが、たしかにそこに犯人がいるとは限らない。

「え?」
僕は驚く。
その声を聞いて振り返るよりも早くなにかが動いた。
そしてそれはその声の元に高速で動いた。

「よっ!」
動いた影は高崎くんだ。
声でわかった。
そしてそのかるい掛け声とともにさっとその相手を倒した。

「すごい!」
僕が言う。
電光石火の一撃だった。
そうか電光石火はこういう時に使うのか。

「確保しました!」
高崎くんが大きな声で言う。
近くにいる警察官に聞こえるようにだ。
それを聞きつけた警察官が走ってくる。

「高崎さんお疲れ様です!引き継ぎます!」
近くにいた警察官。
優秀と言われていた彼だ。
彼がそう言って取り押さえた。

さすがに優秀だなめらかな引き継ぎだった。

「お疲れ様です!あとはよろしくお願いします!」
高崎くんはそう言って、その相手を引き継いだ。
彼女はぼくらのボディーガードという仕事を素晴らしくこなした。
まるで当たり前のように。

ぼくらはドキドキしている。
こんな場面に出くわすことは普段一切ないからだ。
普段は大学でプログラミングをしているだけだ、こういう暴力的な状況に慣れていない。

「一瞬の出来事だったね、さすが高崎くん」
僕が高崎くんに言う。
さすがの高崎くんだった。
ぼくが高崎くんの方に視線を動かした瞬間。

「ありがとうございます!えっ!」
高崎くんは僕の方を向きながら言った。
そしてその先にある何かを見て気がついた。
その瞬間彼女は走りだした。ぼくの方に向かって。高速で。

「えっ??」
僕は驚く。
彼女はそれを目で追っている。
そして彼女は距離を計算した。間に合わないと判断して声をだした。

「なに?」
僕は聞く。
それをうまく聞き取ることができずに聞き返していた。
焦っていると言葉を正しく聞き取ることも難しい。

「先生の後ろにいる人かなり格闘経験あります!伏せてください」
高崎くんが言う。しかし僕にその運動神経はない。
即座に伏せる能力はなかった。
ダメージをくらうと思ったその時。

「えい!!」
ヒカルちゃんが僕を思いっきり引っ張った。
何気に冷静なヒカルちゃんがその言葉を聞いて行動していた。
僕はそれにより伏せることに成功した。

「ナイス、ヒカルちゃん!」
高崎くんはそういいながら走りだした。
そう、ぼくが伏せる代わりに、ヒカルちゃんが引っ張って擬似的に伏せる状況をつくりだした。
それによりぼくは攻撃を避けたのだろう。ブンという大きな音が聞こえた。

「とーりゃー!!!」
高崎くんはそういいながら、僕を飛び越えその犯人に攻撃した。
いくら強い相手といえ彼女は日本一だ、戦える距離にいたら彼女に勝つのは難しい。
一瞬でその相手を行動不能にした。

「すご」
僕はつぶやいた。
パッと動いて彼女は腕をきめていた。
わずか数秒のことだった。

「はい!確保!!」
高崎くんは言った。
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