この世界で唯一『スキル合成』の能力を持っていた件

なかの

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第二十三話『三重合成』

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「次は僕の番だね!」
と両手を広げた。
僕は3つめの『炎拳 - ファイヤーパンチ』をヒカルからもらっていた。

今考えると、この世界に来てから、『炎拳 - ファイヤーパンチ』との付き合いは長い。
来た瞬間に持っていた、『炎拳 - ファイヤーパンチ』と『風弾 - ウインドショット』を合成して『炎弾 - ファイヤーバレット』を作って、最初のクマさんを倒した。

そして、その『炎弾 - ファイヤーバレット』と『炎拳 - ファイヤーパンチ』2つを合成して、『二重炎拳 - フレイムパンチ』を作った。そして、このスキルでゴーレムを倒した。

「僕は、『炎拳 - ファイヤーパンチ』と幼なじみみたいなものだな!」
「そうね、最初から持ってたものね」
とニコが言う。
彼女は僕がこの世界に登場した瞬間から知り合いなので、彼女も似たようなものだ。僕にとっては。

「だから、幼なじみの成長を見るみたいな感じではある。この世界に来て、少ししかたってないけど」
と笑った。
幼なじみみたいなものだ『炎拳 - ファイヤーパンチ』もニコも。

「さて、では行きますか!」

といつもの通り両手を広げる僕。

今もらった、『炎拳 - ファイヤーパンチ』を左手に、『炎拳 - ファイヤーパンチ』を2つ重ねて出来た『二重炎拳 - フレイムパンチ』を右手にイメージする。

「さて、どうなるのかしら!」
とニコは、笑顔で見てる。彼女は、『二重炎拳 - フレイムパンチ』を生成するところを見ているから、何をやろうとしてるか、わかっているようだった。

『炎拳 - ファイヤーパンチ』はダブりやすいスキルみたいで、この世界だと、『はずれスキル』として認識されているようだった。そう、僕が来るまでは!

『スキル合成 - シンセサイズ』

と、スキルを発動させ、両手を合わせた。

<<合成に成功しました>>

と響き渡る。

良かった。

実は、回数制限があるのでは、という気がしていた。
このまま無限に強くなるとは思えなかったからだ。
ソーシャルゲームとかでも、同じものを重ねられる、回数が決まっている。

この世界で決まっていてもおかしくない。

<<三重炎拳 - フレイムヘブンを生成しました>>

「フレイムヘブン!!いきなり中二っぽくなった!!・・・だが・・・悪くない」
と僕はつぶやいた。当然そういうのは嫌いじゃない。ファイヤーパンチ、フレイムパンチ、フレイムヘブン!悪くない!悪くないじゃないか。

「なに言ってるのよ!」
とニコは笑った。中二病という単語は知らなくてもなんとなく何を言っているかはわかったのだろう、ちゃんと突っ込まれた。

「そして、最終形態っぽいな・・・この名前!」
と僕は思った。

<<『炎拳 - ファイヤーパンチ』の進化回数上限に達しました>>

「なるほど、やっぱりそうか!」
僕は『炎拳 - ファイヤーパンチ』の最終進化、『三重炎拳 - フレイムヘブン』を生成したのだった。
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