この世界で唯一『スキル合成』の能力を持っていた件

なかの

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第五十二話『キングゴーレム戦決着』

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「いまだ!」
僕は、ニコの合図を受けて走りだした。
次の一撃にすべてをかける!!
ナイフを構えながら走る。

キングゴーレムは、ニコによって、顔に当てられた『炎弾 - ファイヤーバレット』に怒り、ニコの方に向かっている。

「グオォォォォォ」と怒っている。
完全に、キングゴーレムの意識は、ニコに向かっている。

僕は走る。

「皆が、ダメージを与えた、キングゴーレムの胸に最後の攻撃を叩き込む!!」
と、宣言すると共に走る。

そう、やることは一つだけ。
キングゴーレムの胸に『三重炎突 - フレイムブレイカー』を叩き込む!!

それだけだ!

それだけに、すべての神経を集中させる!

「グオォォォォォ」とキングゴーレムが、今にもニコに『土剣 - マッドソード』で襲いかかろうとしている。
ニコは「タカシ・・・」と小さく呟いた。
その声が僕に微かに届いた。

普段はそんなことは言わない、ニコだ。

その声を聞いてさらに僕は加速する。
ニコにこれ以上ダメージを与えるわけには行かない!!

「間に合えぇぇぇぇぇえ!」
と、走りながら僕は『三重炎突 - フレイムブレイカー』を発動させる。

「ゴオオオォォォォォ」
と大きな音と共に僕の体全体は炎で包まれた。

そして、そのまま、突きが発動する。
キイィィィィィン、更に、体が光で包まれる。
炎に包まれた、突きをキングゴーレムに叩き込む!

この『三重炎突 - フレイムブレイカー』の突きは、
元々の『速突 - ラピッドスラスター』よりも『速い』!!
そう、炎で更に加速が付いているのだろう。

「凄い・・・タカシ・・・」
と、その駆け抜けていく様子を身近で見ていた、ニコが呟く。

僕は更に加速を続ける。
と、同時に、キングゴーレムの剣が、ニコに襲いかかろうと振り下ろされた。

瞬間。

ズバアアァァァァァァァン

と、キングゴーレムの胸に、僕の刃。

ほぼ同時に思われたその攻撃は僅かに僕の方が速く相手にヒットした!!
『三重炎突 - フレイムブレイカー』に包まれた、ナイフが、届いたのだ。
『土剣 - マッドソード』がニコに届くよりも速く!!

その僕の炎は、キングゴーレム全体に伝播し、燃え上がらせる。一瞬でキングゴーレムの体全体に広がった。

「グオオォォォォォ」
キングゴーレムの最後のうめきが聞こえた。

キングゴーレムは、僕の突き刺した胸から広がった、炎によって、粉々になっていった。あの巨大だったキングゴーレムの姿は徐々に小さくなって、消えていった。

そして、僕は着地する。
ほっとしたのか、ガクっといきなり力が抜ける。

「た!倒した!!」
と、僕は言った。

「うおおぉぉぉぉぉぉぉ!」
僕はさらに雄叫びを上げた。

そう、僕は、この森、最強のモンスター。
ヒカルが全滅もあり得ると覚悟した『キングゴーレム』を倒したのだった!
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