思ったよりも楽しいです♪

rikuro

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第1章

いどうのじかん

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駄々を捏ねるだけこねた後、勝利を手にしたユズキです!



「ユズキ様、そろそろ一度休憩を取りましょう」
「んぅ?まだだぁじょぶだよ?」
「いや、主ではなく。ウィースたちの為にだ」
セバスに休憩をと言われたが休むほど疲れていないと返せば、ユエにウィース達の為だとウィース達を振り返りながら伝えてくる。

「なっ…なんで、俺たちより…」
「…余裕で…」
「ハイペースで…ある…けてるん、だ」

わぉ。どうやらハイペース過ぎたのかウィース達が少しグロッキーだ。そんなに速かったかな?

「ウィース達よ、主を普通の幼児と思うなよ。普通の幼児なら自分の牧場を、ましてや広大な土地含めて持っていない」

「…そ、そうだな。」
「と、…取り敢えず、休憩を…」
「……」
ドサッと地面に座り込んだ3人、相当疲れたみたいだ。
「じゅりーと、だいじょうぶ?」
「………」
一番近くにいたズリートに声をかけるが帰ってきたのは無言だった。一応、手を挙げてくれたが相当キツそうだ。


「んー。ユエ、セバス、きょうはここまでにしよ?」
「そうでございますね。本日はこれ以上進むことは出来ないでしょう。野営の準備を致しますので少しお待ちください」

まだ陽が落ちるまで時間もあるが冒険者3人の状態を見ると今日はここまでにした方が良いだろう。
…でも、ロンズ達ってあんまり体力無いんだね。でも、そしたらランクAってそんなに強くないのかな??



「ユズキ様、準備が整いました。ユズキ様も一度テントの中でお休みください」
「そうだな、主もここまで歩いたのは初めてだからな。自身で思っているより疲れているかもしれない。休んでいる間に周辺の探索と夜飯の準備もしておくから、一度休んでいてくれ」
「…しょうだね。ちょっとやしゅんでくる」
確かこんなに歩いたのは初めてだ。この世界に来る前もここまで歩くことはなかったし、少し休むことにしよう。


張ってもらったこのテント、これは外から見ると普通より少し大きめのテントだが、中に入ると普通じゃない。
このテントも空間拡張がされていて主寝室と同行者用の寝室が3つ、リビングと台所、トイレにお風呂まで付いている特別製だ。もちろんゲーム時代に懐に物を言わせた一品だ。しかも!設営すると、テント周りの半径50mに結界が張られるのだ。

全て揃っているのとそうでないのでは野宿の際の回復量が全然違うのだ。なので、迷わず手に入れていたのだ。まさか実際に使用することになるとは思わなかったけど、手に入れた自分を誉めるよ!グッジョブ!!

「ろんじゅー、うぃーしゅー、じゅりーとー、テントの中でやしゅもー」
「…へっ?」
「…え?俺たちも良いのか?」
「いいよー。いっしょになかでやすもー」
「あぁ。ありがとう」
「えへへ。テントはってくれちゃのはセバスたちだけどょね」
3人を誘って一緒に中に入る。入ってすぐはリビングだ。

「「「…………」」」
あれ?3人が入ってすぐに固まっちゃった?

「どーちたの?」
「…ユズキさん?……テントの中なのになんで、リビング?扉も有るのはなんで??広さもおかしくない!?」
「ふわっ!?」
ロンズがいきなり大きな声を出すからビックリした。

「あにょね、ひろさはくうかんかくちょうしてありゅからだょ。いっぱいきのうありゅとべんりだよね!」
にっこりと便利だからと説明する。
「……いやいやいや、便利で済む話じゃないだろう……」
あ、ウィースが項垂れた。ズリートが諦めたようにウィースに声をかける。
「諦めよう。ユズキ達に俺達の常識は通じない。ここまで来るまでにも進むスピードがどう考えても子どもじゃなかっただろう?……諦めよう……そういうもんだと思えばいい」
「…そうだな。それが一番いい。ってことで、休もうか…」

むぅ。ズリートもロンズも言いたいことだけ言って!って、ちゃんと部屋で休んでよぉ!
「みんな、ちゃんとへやでやしゅんでよ!ちゅかれとれないよ!」
「んん?部屋ってなんだ?」
「……まさか、あの扉の向こうか?」
「しょうだよ。しゃんにんはあっちのへやね」
部屋があることに驚いている3人に休んでもらう部屋を指す。入り口から入って左手手前の部屋だ。3人で寝るのにも十分な広さが有るのでさっさと押し込んでいく。

「「「……」」」
3人は疲れたように部屋に入っていった。
歩き疲れたから話す気力も無いのかもしれない。夕飯までゆっくりするといいよ!


自分もしばらく休むため、自分用の部屋に入っていった。




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