【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)

文字の大きさ
75 / 124

075 デカい

しおりを挟む
 オオカミとの一対一を制したジゼルが、エレオノールの援護に入ったことで、戦況は大きく変わった。当初、四対五の数的不利だったが、ジゼルが二体のオオカミを屠ったことで、数的優勢に翻っていた。

 やはり、ジゼルは成長が著しいな。その成長速度は、頭一つどころか、二つは飛び抜けているだろう。

「これが【剣王】の力か……」

 剣を持ったこともなかった少女が、この短期間でレベル3のダンジョンモンスターを一刀に伏すなど、尋常なことではない。つくづく凄まじいギフトの力だ。世の剣士たちが、喉から手が出るほど欲しがるのも頷ける。

 しかし、そんなジゼルの活躍も、エレオノールの働きがあればこそだ。エレオノールが三体ものオオカミを受け持ち、ジゼルに一対一でオオカミを屠る機会を与えたのだ。そして、敢えて自分が隙をさらし、エレオノールを攻撃しようとするオオカミの隙を作ってみせた。

 今回の戦闘のMVPを決めるとしたら、それは間違いなくエレオノールになるだろう。エレオノールは、初めて三体のオオカミを捌いてみせた。剣や盾に拘らず、足を使ったのもポイントが高い。お行儀の良い常に控えめなお嬢様から、また一歩冒険者として成長した気がする。

 残った三体のオオカミも、クロエ、ジゼル、エレオノールによって素早く討伐された。オレとクロエの援護が無く、数的劣勢からのスタート。エレオノールたちにとって、いい経験となっただろう。

 そして、今回の戦闘で、エレオノールたちの実力は十分にレベル3のダンジョンでも通用することが確信できた。これならば、ボスに挑んでも問題あるまい。

 オレは、『五花の夢』の成長の喜びを噛み締めながら、仲間の元に歩いていくのだった。


 ◇


「まぁ、流れとしてはそんな感じだな。なにか質問がある奴はいるか?」

 オレが視線を向けると、地面に座り込んだ五人の少女たちの顔がエレオノールに向いていた。

 今回のボス戦の最大の山場を担うのは、間違いなくエレオノールとなるだろう。むしろ、今回のダンジョンは、エレオノールを鍛えるために選んだと言っても過言ではない。

「……ッ」

 仲間の視線を感じたのか、エレオノールが小さく息を呑んで頷いてみせた。かなり緊張しているようだな。しかし、「止めよう」とか「無理だ」と言い出さず、頷いて応えたところは大いに評価したい。なにせ……。

「たしかに、相手は今までのオオカミの三倍は大きい巨体のオオカミだ。重さとはパワーでもある。デカいってのは、それだけで強い」

 緊張のし過ぎで顔色が失せ、唇が紫になっているエレオノール。彼女がここまで目に見えるほど緊張しているのは、これほど大型のモンスターとの戦闘が初めてだからだ。

 以前の『ゴブリンの巣穴』のボスも、普通のゴブリンに比べれば大きかったが、その背丈はせいぜい成人男性程度だった。明らかに人間よりも大きいモンスターとの戦闘は、これが初めて。大きいというのは、それだけで強いが、同時に、相手にするとき恐怖も感じるのだ。

 エレオノールは今、必死に自分の中の恐怖と戦っているのだろう。

 そして、諦めず、逃げ出さない。その姿は、素直に尊敬に値する。

 オレは腰を落として、エレオノールの不安に揺れる垂れ気味な青い瞳を正面から見つめる。絡み合うオレとエレオノールの視線。

 エレオノールは一瞬目を伏せたが、次の瞬間には、真正面からオレの目を見つめてきた。しかも、微かに口角を上げて、笑顔まで見せてきた。青い顔しながらよくやるものだ。

 普段はおしとやかな側面ばかりが目に映り、あまりこういった感想は持たなかったが、エレオノールもどうやら気が強い少女らしい。まぁ、そうでなくては親の反対を押し切って冒険者になったりしないか。

「笑えるなら上等だ」

 気が付けば、オレも笑顔を浮かべて、エレオノールの頭に右手を置いていた。

「ッ!?」
「ぁッ!?」

 驚いたのか、パッと目を瞠るエレオノール。心なしか、顔色が少し良くなったような気がする。オレは、エレオノールの頭に置いた右手で、そのままポンポンと頭をやさしく撫でる。オレなりの激励のつもりだ。

「いいか、エル」
「ぁ……ひゃいっ」

 エレオノールが上ずった変な声を上げるが、オレは構わずに口を開く。

「相手はたしかにデカい。重量じゃ、ぜってぇーに勝てねぇー。まともに真正面からぶつかり合ったら、こっちが潰されるだけだ。だからな、エル。お前は回避することを覚えなきゃならねぇ。重装備なのに、足を使って回避しろってのは、たしかにキツイ。重りを身に着けてダンスするようなもんだ。だが、デカい奴が相手の時は、攻撃を受け止めようと思うな。まずは回避だ」

 エレオノールが、壊れたおもちゃのようにガクガクと首を縦に振る。その顔色は、完全に元通り。むしろ、紅潮しているようだ。まるで宝石のような青い瞳も、潤んだように艶を増しているように見えた。

 オレは、エレオノールを安心させるようにたたみかける。

「安心しろよ。危ない時は必ず援護してやる。オレを、オレたちを信じろ!」
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

処理中です...