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105 『洞窟』
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それからダンジョンの情報を集めたり、ダンジョンに潜る準備などをしていると、あっという間にテスト期間が始まった。
テストは一週間のダンジョン攻略とその後におこなわれる筆記試験がある。その一週間をダンジョンの攻略に使うか、筆記試験の対策に使うかは自由だ。
まぁ、ほとんどの生徒は初日からダンジョンに潜るんだけどね。そして、帰ってきたら筆記試験に備えて勉強する形だ。
それはオレたちも変わらない。まずは『嘆きの地下墳墓』をさくっとクリアすると、中級ダンジョンである『洞窟』の前まで来ていた。
「ここが中級ダンジョンか」
学園の裏手。目の前には、切り立った崖にぽっかりと開いた大きな洞窟が広がっていた。中級ダンジョン『洞窟』への入り口だ。
入り口にはオレたち一年生の他に上級生の姿もあり、みんないそいそとダンジョンの中に入っていく。
「俺たちも入ろうぜ!」
「そうするか。シャルリーヌたちは準備はいいか?」
「もちろんよ」
オレたちはぞろぞろと『洞窟』の中へと侵入する。
『洞窟』の中は、『嘆きの地下墳墓』とは違い、ぼんやりと明るかった。洞窟の壁や天井のあちこちに七色のクリスタルがあり、それがぼんやりと光っているのだ。上級生から集めた情報の通りだな。
「一応、松明も用意したけど、この調子ならいらないかな」
「そうですね。マッピングにも影響ありません」
マッピング役のアリソンも大丈夫みたいだし、松明を温存する意味でも使うのはやめておこう。
「じゃあ、進むぞ。事前に決めた隊列の通りにな」
「おう!」
「わかったんだなー」
オレたちはダンジョンに潜る前にいくつか決めたことがある。その一つが隊列だ。
隊列はオレ、ポール、エロワ、シャルリーヌ、アリソン、ブリジットの順番である。
ゲームでは、たまにモンスターからバックアタックされることがあった。それを警戒して、近接攻撃に慣れていないシャルリーヌとアリソンを前衛で挟む形だ。
ブリジットを最後尾に置いたのは、彼女がナイフによる接近戦の他にも弓矢を使えるからである。
問題があればその都度変えるつもりだが、これが基本の隊列だ。
「じゃあ、行くぞ」
隊列に問題がないことを確認すると、オレは前を向いて歩き出した。
盾を持っているオレが一番危ない戦闘を歩くことに忌避感はない。むしろ、ラッキーだと思っていた。
なにせ、オレは『洞窟』の正しい道順を覚えているからね。以前『嘆きの地下墳墓』でやったように、一度もハズレの道を引かずに、正しい道を引き続け、攻略時間を短縮することもできるのだ。
攻略時間が一週間と決まっているからね。できる限り無駄はなくしたい。
「次はこっちに行ってみよう」
薄暗い洞窟の中、オレは適当に選ぶフリをして第二階層へと続く階段への最短距離を進んでいった。
「ん?」
ぼんやりと明るい洞窟の向こうに、水溜まりのようなものが見えた。しかし、この水溜まりはまるで意志を持っているかのようにゆっくりと動いている。
RPGゲームでお馴染みのスライムだ。
「スライムだ!」
「そりゃ!」
オレが声をあげると同時にエロワの槍が水溜まりのように広がっていたスライムを貫く。スライムはぷるぷると震えると、ぼふんっと白い煙となって消えた。討伐したみたいだ。
「一撃か」
エロワがつまらなそうに呟くのが耳に届いた。
「まぁ、まだ第一階層だからね。こんなものじゃないか?」
「そーだな」
「それと確認だけど、今回は長い挑戦になる。魔力回復のポーションも持ってきたけど、できる限り魔力の消費を抑えたい。シャルリーヌの魔法、それとブリジットの矢は温存の方向で」
オレたちのチームは、オレとシャルリーヌの二人がマジックバッグ持ちだ。だから、かなり物資には余裕があるとはいえ、無駄遣いしていい理由にはならない。
「わかってるわ」
「かしこまりました」
「よし」
オレはシャルリーヌとブリジットが頷いたのを確認すると、前を向いて歩き出す。虹色の宝石の明かりに照らされた洞窟はなんだか幻想的で、ダンジョンじゃなければデートスポットとして人気が出そうだなと思った。
モンスターが出るのは難点だけど、今度シャルリーヌと二人っきりで来てみようかな?
そんな感じでオレたちは一度も道に迷うことなく、どんどんダンジョンを進んでいく。
『嘆きの地下墳墓』とは違い、出てくるモンスターはさまざまだ。スライムやゴブリン、ホーンラビット、ウルフ、ケイブシープ、ケイブバッド、ワームなどなど。ゲームでもよく見る顔だね。
それらモンスターに共通する点は、どれも小柄で小さいことだろう。
つまり、弱い。
どれも一撃で倒せる程度のモンスターだ。
『洞窟』は全部で五十階層ある。五階層しかなかった『嘆きの地下墳墓』よりも出現するモンスターが弱いというのはちょっと不思議な気がした。
まぁ、『洞窟』も第十階層を超えれば『嘆きの地下墳墓』よりも強いモンスターが出てくるけどね。
テストは一週間のダンジョン攻略とその後におこなわれる筆記試験がある。その一週間をダンジョンの攻略に使うか、筆記試験の対策に使うかは自由だ。
まぁ、ほとんどの生徒は初日からダンジョンに潜るんだけどね。そして、帰ってきたら筆記試験に備えて勉強する形だ。
それはオレたちも変わらない。まずは『嘆きの地下墳墓』をさくっとクリアすると、中級ダンジョンである『洞窟』の前まで来ていた。
「ここが中級ダンジョンか」
学園の裏手。目の前には、切り立った崖にぽっかりと開いた大きな洞窟が広がっていた。中級ダンジョン『洞窟』への入り口だ。
入り口にはオレたち一年生の他に上級生の姿もあり、みんないそいそとダンジョンの中に入っていく。
「俺たちも入ろうぜ!」
「そうするか。シャルリーヌたちは準備はいいか?」
「もちろんよ」
オレたちはぞろぞろと『洞窟』の中へと侵入する。
『洞窟』の中は、『嘆きの地下墳墓』とは違い、ぼんやりと明るかった。洞窟の壁や天井のあちこちに七色のクリスタルがあり、それがぼんやりと光っているのだ。上級生から集めた情報の通りだな。
「一応、松明も用意したけど、この調子ならいらないかな」
「そうですね。マッピングにも影響ありません」
マッピング役のアリソンも大丈夫みたいだし、松明を温存する意味でも使うのはやめておこう。
「じゃあ、進むぞ。事前に決めた隊列の通りにな」
「おう!」
「わかったんだなー」
オレたちはダンジョンに潜る前にいくつか決めたことがある。その一つが隊列だ。
隊列はオレ、ポール、エロワ、シャルリーヌ、アリソン、ブリジットの順番である。
ゲームでは、たまにモンスターからバックアタックされることがあった。それを警戒して、近接攻撃に慣れていないシャルリーヌとアリソンを前衛で挟む形だ。
ブリジットを最後尾に置いたのは、彼女がナイフによる接近戦の他にも弓矢を使えるからである。
問題があればその都度変えるつもりだが、これが基本の隊列だ。
「じゃあ、行くぞ」
隊列に問題がないことを確認すると、オレは前を向いて歩き出した。
盾を持っているオレが一番危ない戦闘を歩くことに忌避感はない。むしろ、ラッキーだと思っていた。
なにせ、オレは『洞窟』の正しい道順を覚えているからね。以前『嘆きの地下墳墓』でやったように、一度もハズレの道を引かずに、正しい道を引き続け、攻略時間を短縮することもできるのだ。
攻略時間が一週間と決まっているからね。できる限り無駄はなくしたい。
「次はこっちに行ってみよう」
薄暗い洞窟の中、オレは適当に選ぶフリをして第二階層へと続く階段への最短距離を進んでいった。
「ん?」
ぼんやりと明るい洞窟の向こうに、水溜まりのようなものが見えた。しかし、この水溜まりはまるで意志を持っているかのようにゆっくりと動いている。
RPGゲームでお馴染みのスライムだ。
「スライムだ!」
「そりゃ!」
オレが声をあげると同時にエロワの槍が水溜まりのように広がっていたスライムを貫く。スライムはぷるぷると震えると、ぼふんっと白い煙となって消えた。討伐したみたいだ。
「一撃か」
エロワがつまらなそうに呟くのが耳に届いた。
「まぁ、まだ第一階層だからね。こんなものじゃないか?」
「そーだな」
「それと確認だけど、今回は長い挑戦になる。魔力回復のポーションも持ってきたけど、できる限り魔力の消費を抑えたい。シャルリーヌの魔法、それとブリジットの矢は温存の方向で」
オレたちのチームは、オレとシャルリーヌの二人がマジックバッグ持ちだ。だから、かなり物資には余裕があるとはいえ、無駄遣いしていい理由にはならない。
「わかってるわ」
「かしこまりました」
「よし」
オレはシャルリーヌとブリジットが頷いたのを確認すると、前を向いて歩き出す。虹色の宝石の明かりに照らされた洞窟はなんだか幻想的で、ダンジョンじゃなければデートスポットとして人気が出そうだなと思った。
モンスターが出るのは難点だけど、今度シャルリーヌと二人っきりで来てみようかな?
そんな感じでオレたちは一度も道に迷うことなく、どんどんダンジョンを進んでいく。
『嘆きの地下墳墓』とは違い、出てくるモンスターはさまざまだ。スライムやゴブリン、ホーンラビット、ウルフ、ケイブシープ、ケイブバッド、ワームなどなど。ゲームでもよく見る顔だね。
それらモンスターに共通する点は、どれも小柄で小さいことだろう。
つまり、弱い。
どれも一撃で倒せる程度のモンスターだ。
『洞窟』は全部で五十階層ある。五階層しかなかった『嘆きの地下墳墓』よりも出現するモンスターが弱いというのはちょっと不思議な気がした。
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