7 / 10
(7)
しおりを挟む
「はい、どうぞ。俺からのお詫びのアイリッシュコーヒーだよ」
「それで許してもらおうだなんてセコいですね!」
「でも一花ちゃん、口もとが緩んでるよ?」
美味しいものに罪はないからね!
「ウインナーコーヒーみたいにクリームがふわふわ。なんだかパフェみたい」
「せっかくだから、最初は混ぜずに飲んでね」
口の中に広がるのは、冷たいクリーム。それから熱いコーヒーの苦みが押し寄せてくる。そのまま砂糖の甘みとかぐわしい香りに口の中がかき回されていく。
「なんだか、くらくらするんですけど」
「だってそれお酒入ってるもん」
「確信犯だ!」
「あわよくばってのは、正直あるからね」
くすくすとおさえぎみの笑い声が色っぽすぎる。
「とはいえ、好きなひとだから、大事にしたいっていうのもあるし。体から落とすのも、ありだとは思うけど」
「さっきなんかしようとしてましたよね?」
「大丈夫、俺なしではいられないようにしちゃうから」
「全然大丈夫じゃない!」
熱いようで冷たいアイリッシュコーヒー。
下に行けば行くほど、砂糖が溶けて甘ったるくなる。まるで目の前の陽斗さんみたいに。
「俺たち、相性いいと思うよ」
「名前が春っぽいもの繋がりだから?」
「それだけじゃないんだけどさ。まずはちょっと試してみない? 後悔させないよ?」
「お試し?」
「お試ししたら、もう逃がさないけど」
コーヒーとは違う甘い香りが近づいてくる。ふたりの影が重なる直前、テーブルの上の携帯からメッセージアプリの無粋な音がした。誰だよ、こんな時に。そう思いながら携帯を確認し、そのままカバンの中に突っ込んだ。
「誰から?」
「会社のひと」
「昨日告白してきたひと?」
「なんでわかるんですか!」
「一花ちゃんのことなら、何でもわかる」
イケメン恐るべし!
ちなみにメッセージを読んだら、先輩の好感度がさらに下がった。ただでさえ低かったのに、マイナスに突入だ。
彼女どころか、ただ都合のいい女が欲しかったんだろうなってことがよくわかった。悩んだ時間を返せ。
「それで許してもらおうだなんてセコいですね!」
「でも一花ちゃん、口もとが緩んでるよ?」
美味しいものに罪はないからね!
「ウインナーコーヒーみたいにクリームがふわふわ。なんだかパフェみたい」
「せっかくだから、最初は混ぜずに飲んでね」
口の中に広がるのは、冷たいクリーム。それから熱いコーヒーの苦みが押し寄せてくる。そのまま砂糖の甘みとかぐわしい香りに口の中がかき回されていく。
「なんだか、くらくらするんですけど」
「だってそれお酒入ってるもん」
「確信犯だ!」
「あわよくばってのは、正直あるからね」
くすくすとおさえぎみの笑い声が色っぽすぎる。
「とはいえ、好きなひとだから、大事にしたいっていうのもあるし。体から落とすのも、ありだとは思うけど」
「さっきなんかしようとしてましたよね?」
「大丈夫、俺なしではいられないようにしちゃうから」
「全然大丈夫じゃない!」
熱いようで冷たいアイリッシュコーヒー。
下に行けば行くほど、砂糖が溶けて甘ったるくなる。まるで目の前の陽斗さんみたいに。
「俺たち、相性いいと思うよ」
「名前が春っぽいもの繋がりだから?」
「それだけじゃないんだけどさ。まずはちょっと試してみない? 後悔させないよ?」
「お試し?」
「お試ししたら、もう逃がさないけど」
コーヒーとは違う甘い香りが近づいてくる。ふたりの影が重なる直前、テーブルの上の携帯からメッセージアプリの無粋な音がした。誰だよ、こんな時に。そう思いながら携帯を確認し、そのままカバンの中に突っ込んだ。
「誰から?」
「会社のひと」
「昨日告白してきたひと?」
「なんでわかるんですか!」
「一花ちゃんのことなら、何でもわかる」
イケメン恐るべし!
ちなみにメッセージを読んだら、先輩の好感度がさらに下がった。ただでさえ低かったのに、マイナスに突入だ。
彼女どころか、ただ都合のいい女が欲しかったんだろうなってことがよくわかった。悩んだ時間を返せ。
469
あなたにおすすめの小説
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
「一晩一緒に過ごしただけで彼女面とかやめてくれないか」とあなたが言うから
キムラましゅろう
恋愛
長い間片想いをしていた相手、同期のディランが同じ部署の女性に「一晩共にすごしただけで彼女面とかやめてくれないか」と言っているのを聞いてしまったステラ。
「はいぃ勘違いしてごめんなさいぃ!」と思わず心の中で謝るステラ。
何故なら彼女も一週間前にディランと熱い夜をすごした後だったから……。
一話完結の読み切りです。
ご都合主義というか中身はありません。
軽い気持ちでサクッとお読み下さいませ。
誤字脱字、ごめんなさい!←最初に謝っておく。
小説家になろうさんにも時差投稿します。
【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
この恋に終止符(ピリオド)を
キムラましゅろう
恋愛
好きだから終わりにする。
好きだからサヨナラだ。
彼の心に彼女がいるのを知っていても、どうしても側にいたくて見て見ぬふりをしてきた。
だけど……そろそろ潮時かな。
彼の大切なあの人がフリーになったのを知り、
わたしはこの恋に終止符(ピリオド)をうつ事を決めた。
重度の誤字脱字病患者の書くお話です。
誤字脱字にぶつかる度にご自身で「こうかな?」と脳内変換して頂く恐れがあります。予めご了承くださいませ。
完全ご都合主義、ノーリアリティノークオリティのお話です。
菩薩の如く広いお心でお読みくださいませ。
そして作者はモトサヤハピエン主義です。
そこのところもご理解頂き、合わないなと思われましたら回れ右をお勧めいたします。
小説家になろうさんでも投稿します。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる
ラム猫
恋愛
王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています
※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる