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「おかしくないですか! 大事なのは、愛でしょう! それなのになんですか。愛だけでは大切な相手は守れないなんて!」
「まあ、とりあえず落ち着け」
エリカはもう何杯目になったのかも忘れたエールを飲み干し、ジョッキをテーブルに叩きつけた。世の中は、理不尽だ。この生きにくさを受け入れるためには、酒の力を借りるしかない。そうだ、飲むしかないんだ!
「ひどいっ。あんまりです。あなたも、愛よりお金が大事だと? 地位と名誉を持った相手でないと、大切なものを守るに値しない。そうおっしゃるんですか!」
「そういう意味ではないが」
悲しい女が欲しいものは、冷静なアドバイスやら指摘などではない。ただの共感だ。これだから女に不自由したことのなさそうなイケメンは。
わかってくれないことが悔しくて悲しくて、ついつい八つ当たりをしてしまう。それこそ、たいして仲良くない知り合いにうざ絡みをするくらいには酔っ払っていた。
「うわーん、もうダメだ。お願いです! 私と契約結婚して、一緒に聖獣の卵を育ててくれませんか! 団長ならお金もあるし、地位も名誉もあるし、腕っぷしだって文句ないですよね?」
「……いいだろう」
「約束ですよ! 約束忘れたら、絶対に許しませんからね! 指切りです。破ったら、針千本飲むんですよ。どうせ準備できないとか思っていませんか。まち針とか刺繍針とか合わせたら、簡単に千本くらい用意できるんですからね!」
「当然だ。約束を破ったら、針千本どころか針山に飛び込んでみせよう」
「なにそれ、こわい」
指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。指切った。翌日、約束を忘れたのはもちろんエリカの方だった。
「まあ、とりあえず落ち着け」
エリカはもう何杯目になったのかも忘れたエールを飲み干し、ジョッキをテーブルに叩きつけた。世の中は、理不尽だ。この生きにくさを受け入れるためには、酒の力を借りるしかない。そうだ、飲むしかないんだ!
「ひどいっ。あんまりです。あなたも、愛よりお金が大事だと? 地位と名誉を持った相手でないと、大切なものを守るに値しない。そうおっしゃるんですか!」
「そういう意味ではないが」
悲しい女が欲しいものは、冷静なアドバイスやら指摘などではない。ただの共感だ。これだから女に不自由したことのなさそうなイケメンは。
わかってくれないことが悔しくて悲しくて、ついつい八つ当たりをしてしまう。それこそ、たいして仲良くない知り合いにうざ絡みをするくらいには酔っ払っていた。
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「当然だ。約束を破ったら、針千本どころか針山に飛び込んでみせよう」
「なにそれ、こわい」
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