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意外にも大奥さまは、お部屋でのんびりとお茶を楽しんでいらっしゃいました。なかなかの策士っぷりですね。呆然とする大旦那さまにすかさずアランが助け船を出します。
「おじいさま、あれを」
「ああ」
黙って差し出された皿を見て、大奥さまが目を細めました。
「まあ、綺麗ね」
「東方の『金継ぎ』と呼ばれる技術を用いて修理したそうです」
傷を隠すのではなく、味わい深い模様として愛でる修復方法です。この国では傷を隠すことが重視されるので、反応が悪くないことに安心しました。
「覆水盆に返らず」とよく言いますが、行動次第で、その後は大きく変わってくるはずです。
割れた皿が傷跡を美しい模様にしてよみがえったように、ひびの入った関係がより強固になることだってあるのではないでしょうか。
「あなたは『そんなものを後生大事にして。新しいものを用意する』とおっしゃいましたね。わたくしは、あなたのおかげで領民たちが職を失わずに済んだことを誇りに思っています。だからこそ、彼らから献上された皿を大切にしたいのです」
「儂はただ、お前が皿の欠片で怪我をしないか心配で……」
尾羽をプルプルさせながら、満足そうにフェリシアが笑っています。お願いです、「ひゅうひゅう、熱いね!」なんて言わないでくださいね。万が一聞こえたら、それは全部私が話したことになるのですから!
「あなたがうちの孫が話していた、お嫁さんにしたい女の子ね。素敵なお嬢さんで安心したわ」
「な、なんのことですか?」
「あら、アランったらまだお嬢さんの同意がとれていないの? ダメじゃないの。一番大事なことよ。愛の告白というのは。プロポーズなしでの結婚だなんて、わたくしは認めませんからね!」
突然話に巻き込まれてしまいました。
「おじいさま、あれを」
「ああ」
黙って差し出された皿を見て、大奥さまが目を細めました。
「まあ、綺麗ね」
「東方の『金継ぎ』と呼ばれる技術を用いて修理したそうです」
傷を隠すのではなく、味わい深い模様として愛でる修復方法です。この国では傷を隠すことが重視されるので、反応が悪くないことに安心しました。
「覆水盆に返らず」とよく言いますが、行動次第で、その後は大きく変わってくるはずです。
割れた皿が傷跡を美しい模様にしてよみがえったように、ひびの入った関係がより強固になることだってあるのではないでしょうか。
「あなたは『そんなものを後生大事にして。新しいものを用意する』とおっしゃいましたね。わたくしは、あなたのおかげで領民たちが職を失わずに済んだことを誇りに思っています。だからこそ、彼らから献上された皿を大切にしたいのです」
「儂はただ、お前が皿の欠片で怪我をしないか心配で……」
尾羽をプルプルさせながら、満足そうにフェリシアが笑っています。お願いです、「ひゅうひゅう、熱いね!」なんて言わないでくださいね。万が一聞こえたら、それは全部私が話したことになるのですから!
「あなたがうちの孫が話していた、お嫁さんにしたい女の子ね。素敵なお嬢さんで安心したわ」
「な、なんのことですか?」
「あら、アランったらまだお嬢さんの同意がとれていないの? ダメじゃないの。一番大事なことよ。愛の告白というのは。プロポーズなしでの結婚だなんて、わたくしは認めませんからね!」
突然話に巻き込まれてしまいました。
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