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第1章 『最初の街』編
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雲一つない快晴──キラキラと言うより、ビカビカと照ってる太陽のお陰で、汗が吹き出て止まらない。
おまけにここは草原のど真ん中で、遮蔽物など周囲のどこを見渡しても、ない。……風があるのが、せめてもの救いだ。
「ぅあ~っ、あっっっついっ!」
おもっいっきり、猛暑である。
むしろ、酷暑と言っても過言じゃ……え、言い過ぎ?あらまそ。
つい最近まで、夏日になるかならないかぐらいの環境にいたのに、この寒暖差は酷すぎじゃない?
その上、ここ数年、私は昼間は専ら建物内にいたんだよ?……ま、終わらない(←終わらせてくれない、とも言う)仕事の所為だけどさー。
そーんな、ほぼ引きこもりが、こんな強烈熱烈な太陽光なんぞ浴びたら一溜まりもないって……。
せっかく転生したのに、早くも逝きそうだ。今度の死因は、熱中症かなぁ。
「……スポドリを持たせてくれたのって、もしかしてこの為?」
装備品決めの際に、いるorいらない問題に始まり、どのメーカーのにするかまで、揉めに揉めたこのスポドリ。最終的には私がごり押ししてアク○リになったけど、まさかこんなすぐに役立つとは……。先見の明はイリオスにあったらしい。
ちなみに、余談だが。ペットボトルはこの世界だと、まだオーバーテクノロジー扱いなので、飲み切るか、私の手元を離れたら勝手に消える仕様になってるそうな。とってもエコだね。
と、内心で思いながらヒイヒイと声にならない悲鳴をあげながら歩くこと半刻──確か一時間──ほど。どこまで行っても地平線だった視界に変化が訪れる。
「あれ、道じゃん……!しかも、人工物だ!」
日本のような黒いコンクリートの物ではないが、踏み固められただけじゃない、ちゃんと整備された道路がそこにあった。……まだ数キロは先だが。
それでも目標が見えれば、足は早くなる。
草を踏み分け、老いぼれゾウさんのようにのっそのっそと歩いていた身体が、気持ち小走りになって、道路へと引き寄せられていくように──、
「っと、その前に!早速か!」
なったところで、目の前に突然何ものかが飛び出してきた。……正確には先に居たのかもしれないが、私には少なくともそう見えた。
周りの草の色を濃縮したかのような、噛むことを想像しただけで口の中が苦くなりそうな、濃い緑。大きさは私の拳二個分で、楕円形。その決して大きくはないボディに、つるりと光沢を帯びた物体──RPGの序盤戦でお馴染みの、スライムである。
ふるんふるんとプリンみたいに震えて、何だかちょっと面白い。突いてみたら楽しそうだ。
……なんて、油断してたのがいけなかった。
「んのぁっ!?───ぃでっ!」
勢いよくコートに叩きつけられたテニスボールよろしく、突然跳ね上がるように顔面に激突してきたスライム。
それが、反射神経の鈍い私のデコに、見事にクリティカルヒットした。……チートスペックのお陰か、デコピンぐらいの衝撃だが、痛いもんは痛い。
「くーっ!こんのぉ~、よくもやってくれたなぁ?」
お返しじゃー!と、ばかりにスライムを蹴り飛ばす──と、それは空中で砕け散り、溶けるように消えていってしまった。……え?初回戦闘、これで終了?!
あまりのアッサリ感に一応、ホントに終わったのかスライムが消えた位置に確認にいくと、そこには親指の爪ほどの大きさの緑のプルプルが。
……つまみ上げると、ほどよい弾力が癖になるプニプニ感。まるで、猫の肉球みたいな。
「何コレ?スライムの残骸?」
じっと睨みつけて──ガンを飛ばして──ると、頭の中でポーンと何かが弾けた。
『小スライム【風】の欠片…何だかプニプニしてる。特に効果はない』
「何もないんかーい!」
思わず地面に叩きつけたったら、案の定バウンドして私のデコに直撃した。スーパーボールかよ!……自業自得だけどさ、チクショー。
とは言え、この世界で入手した初☆アイテムである。記念に採っといてもバチは当たらないでしょう。
ってなわけで、所持スキルの《異空間収納》を開くと、その中に小スライムの欠片をひょいっと突っ込んだ。これでよし。
あ、《異空間収納》が魔法じゃなくてスキルに分類されるのは、魔法に『空間』に類する属性が存在しないからだって。
イリオスの所で勉強した『魔法とスキルの違い~初級編~』によると、
◇魔法→四元素【火】、【水】、【土】、【風】と天冥【光】、【闇】の属性に該当する。
◇スキル→魔法属性に該当しない。あるいは無属性。
なんだとさ。
本当のところは、ちょっと違うらしいんだけど……この世界の管理者であるイリオスが放置していた間に、そうまとまってしまっていたらしい。
管理者、おい。仕事しろよ。
で、ようやっと道に出た。
思った通り、この道路は『王の道』と同じように整備されている。確か、アケメネス朝ペルシャだったかな?
当時としては、画期的な技術だったらしいのは覚えてるけど……世界史、苦手だったからなぁ。詳しくは分からないや。でも、『王の道』って、なんか厨二っぽいネーミングだよね。
一つ確かなのは、明らかに人の手で作られているってこと。つまり、ここを進んで行けば必ず人里に出られる……はず。そこが滅んでなければね!
ま、道路に雑草なんかもないし、今でも使われているっぽいから……大丈夫でしょ。
取り敢えず太陽の方──は、眩しいから、その逆に向かって進んで行こうか。
たぶん、こっちは北だ。………え?北東だって?そうなんだ。
おまけにここは草原のど真ん中で、遮蔽物など周囲のどこを見渡しても、ない。……風があるのが、せめてもの救いだ。
「ぅあ~っ、あっっっついっ!」
おもっいっきり、猛暑である。
むしろ、酷暑と言っても過言じゃ……え、言い過ぎ?あらまそ。
つい最近まで、夏日になるかならないかぐらいの環境にいたのに、この寒暖差は酷すぎじゃない?
その上、ここ数年、私は昼間は専ら建物内にいたんだよ?……ま、終わらない(←終わらせてくれない、とも言う)仕事の所為だけどさー。
そーんな、ほぼ引きこもりが、こんな強烈熱烈な太陽光なんぞ浴びたら一溜まりもないって……。
せっかく転生したのに、早くも逝きそうだ。今度の死因は、熱中症かなぁ。
「……スポドリを持たせてくれたのって、もしかしてこの為?」
装備品決めの際に、いるorいらない問題に始まり、どのメーカーのにするかまで、揉めに揉めたこのスポドリ。最終的には私がごり押ししてアク○リになったけど、まさかこんなすぐに役立つとは……。先見の明はイリオスにあったらしい。
ちなみに、余談だが。ペットボトルはこの世界だと、まだオーバーテクノロジー扱いなので、飲み切るか、私の手元を離れたら勝手に消える仕様になってるそうな。とってもエコだね。
と、内心で思いながらヒイヒイと声にならない悲鳴をあげながら歩くこと半刻──確か一時間──ほど。どこまで行っても地平線だった視界に変化が訪れる。
「あれ、道じゃん……!しかも、人工物だ!」
日本のような黒いコンクリートの物ではないが、踏み固められただけじゃない、ちゃんと整備された道路がそこにあった。……まだ数キロは先だが。
それでも目標が見えれば、足は早くなる。
草を踏み分け、老いぼれゾウさんのようにのっそのっそと歩いていた身体が、気持ち小走りになって、道路へと引き寄せられていくように──、
「っと、その前に!早速か!」
なったところで、目の前に突然何ものかが飛び出してきた。……正確には先に居たのかもしれないが、私には少なくともそう見えた。
周りの草の色を濃縮したかのような、噛むことを想像しただけで口の中が苦くなりそうな、濃い緑。大きさは私の拳二個分で、楕円形。その決して大きくはないボディに、つるりと光沢を帯びた物体──RPGの序盤戦でお馴染みの、スライムである。
ふるんふるんとプリンみたいに震えて、何だかちょっと面白い。突いてみたら楽しそうだ。
……なんて、油断してたのがいけなかった。
「んのぁっ!?───ぃでっ!」
勢いよくコートに叩きつけられたテニスボールよろしく、突然跳ね上がるように顔面に激突してきたスライム。
それが、反射神経の鈍い私のデコに、見事にクリティカルヒットした。……チートスペックのお陰か、デコピンぐらいの衝撃だが、痛いもんは痛い。
「くーっ!こんのぉ~、よくもやってくれたなぁ?」
お返しじゃー!と、ばかりにスライムを蹴り飛ばす──と、それは空中で砕け散り、溶けるように消えていってしまった。……え?初回戦闘、これで終了?!
あまりのアッサリ感に一応、ホントに終わったのかスライムが消えた位置に確認にいくと、そこには親指の爪ほどの大きさの緑のプルプルが。
……つまみ上げると、ほどよい弾力が癖になるプニプニ感。まるで、猫の肉球みたいな。
「何コレ?スライムの残骸?」
じっと睨みつけて──ガンを飛ばして──ると、頭の中でポーンと何かが弾けた。
『小スライム【風】の欠片…何だかプニプニしてる。特に効果はない』
「何もないんかーい!」
思わず地面に叩きつけたったら、案の定バウンドして私のデコに直撃した。スーパーボールかよ!……自業自得だけどさ、チクショー。
とは言え、この世界で入手した初☆アイテムである。記念に採っといてもバチは当たらないでしょう。
ってなわけで、所持スキルの《異空間収納》を開くと、その中に小スライムの欠片をひょいっと突っ込んだ。これでよし。
あ、《異空間収納》が魔法じゃなくてスキルに分類されるのは、魔法に『空間』に類する属性が存在しないからだって。
イリオスの所で勉強した『魔法とスキルの違い~初級編~』によると、
◇魔法→四元素【火】、【水】、【土】、【風】と天冥【光】、【闇】の属性に該当する。
◇スキル→魔法属性に該当しない。あるいは無属性。
なんだとさ。
本当のところは、ちょっと違うらしいんだけど……この世界の管理者であるイリオスが放置していた間に、そうまとまってしまっていたらしい。
管理者、おい。仕事しろよ。
で、ようやっと道に出た。
思った通り、この道路は『王の道』と同じように整備されている。確か、アケメネス朝ペルシャだったかな?
当時としては、画期的な技術だったらしいのは覚えてるけど……世界史、苦手だったからなぁ。詳しくは分からないや。でも、『王の道』って、なんか厨二っぽいネーミングだよね。
一つ確かなのは、明らかに人の手で作られているってこと。つまり、ここを進んで行けば必ず人里に出られる……はず。そこが滅んでなければね!
ま、道路に雑草なんかもないし、今でも使われているっぽいから……大丈夫でしょ。
取り敢えず太陽の方──は、眩しいから、その逆に向かって進んで行こうか。
たぶん、こっちは北だ。………え?北東だって?そうなんだ。
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