異世界で勇者兼聖女なりました!……が、現在ドラゴンにストーカーされてます!?

嘉藤 静狗

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第2章 『対・四天王①』編

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 ──カ、チンッ……


 そして、何者にも触れることは叶わぬ、深淵の地にて。
 封印は、また一つ解かれた。






 ふわふわと目が覚める。

 ……なんか、とんでもなく賑やかな──でも、重要な夢をみてた気がする。と言っても、もう思い出せないんだけどさ。
 ま、夢ってそんなもんだよねぇ。

 くぁっ、と欠伸をしながら、私は寝ていた木から飛び降り……た?って、あるぇ?木になんて、上ってたっけね?記憶にないなぁ。

(たぶん……地べたに直接寝っ転がってたハズなんだけど)

 んーむ……そう言えば、ここら辺の風景が寝る前と違うような?何だろ……木の密度が、増えて?って、あぁ!?

「伐採しちゃった木が、復活してる!?」

 そーだよ!なんで気づかなかったの、私!
 さっき、私が斬って切り株お化けになってた木々が、もう元の姿に戻ってるんだ……すごい。コレは、ヴァストークの森の効果なのか、それとも森の主が治したのか……。どちらにしろ、(主に私の罪悪感が減ったから)ありがたい。

 でも、コレなら私の回復魔法は要らないんじゃ?
 ………あ、ダメージはまだ残ってるから使うべきなのね。りょーかい!
 んーと、癒しの術なら──【水】と……あ、【光】も使おう。何だかんだ言って、使ったことないしね。


[……静寂しじまを照らすは、さやけき月光。月魄げっぱくつぶらなる瞳の雫、それすなわち慈悲なり。
 ───顕現、《玉兎涕涙ギョクトテイルイ》]


 詠唱を終えると、私を中心に青みがかった白ウサギたちが、ぴょこぴょこと森の中を跳ね飛んでいく。
 か、かわいい。種類は……ネザーランドドワーフに似てる。ま、私が知ってるウサギなんて、五、六種程度だもんね。イメージが中でもメジャーなウサギに走るのも、納得だ。
 でも、このウサギたちもイメージにすぎないのよね……残念ながら。実体はないから、モフモフ出来ないんだっ!
 くやしぃーっ!

「な、何だこれ!?」
「……?」

 ん?誰かいるの……って、このヒトまた来たのか。ま、微かに気配はあったから知ってたんだけど。
 私が起き出した頃から、ずぅっと隠れてるから、もう出てくる気はないんだと思ってた。

「私の魔法ですよ、アシルストーカーさん。……引っ込んでたなら、そのまま黙ってりゃ見逃したものを」
「うっ……」

 まぁいい、取り敢えずこのヒトのことは放っておこう。だって、私、このヒト苦手だし。


 ……気を取り直して、《玉兎涕涙》である。
 すでに姿が見えなくなった白ウサギたちは、それぞれが対象物──すなわち、怪我を負ったものの前で待機している。
 全部のウサギが待機姿勢に入ったところで、私はパチンッと指を鳴らす。すると、その瞬間にウサギたちは、対象に向かって突撃し──消えた。

「ぅおあっ!?」

 ……あ、一羽アシルお兄さんの鳩尾みぞおちに入った。たぶん、さっき私が蹴り飛ばしたところだね。
 お兄さん、ずいぶんと驚いてるみたい。まぁ、ダメージはないハズなんだけどねー。むしろ、治癒されてるハズだけど。

 さて、可愛い白ウサギちゃんたちがぶつかった木々たちは──、と。んー、傍目はためには大丈夫に見えるけど……分かんないな。
 なら、《世界事典》の機能を流用して、えぇと……よし、出来た!
 試しに、あの木を診てみよう。

[発動───《完全解析パーフェクト・アナライザ》]


 ………………
 …………
 ……


 ──ポーン!

………主神・イリオスヴァスィレマより、新たに【】属性魔法《完全解析》承認されました!


New!『スキル《完全解析》』…《世界事典》の知識を使い、あらゆるヒト・モノ・コトを解析することが可能。故に、このスキルは《世界事典》の所持者のみ行使できる。

《現・保有者リスト》
 勇谷いさみや 清明さやか → 種族・『ИчжЮО"м族』


………保有者が一人です!
………《固有コモン》スキルに認定をしますか?
     →Jaヤー/Neinナイン

………保有者が同一種族です!
………《種族レェス》スキルに認定をしますか?
     →Jaヤー/Neinナイン


 ──ピピーッ!

 ──Error・Error・Error!


………主神・イリオスヴァスィレマの強権により、第三の答え→『保留』が選択されました。
………【神】属性魔法《完全解析》を、一時的に《特殊スペシャル》スキルに保存します。


 ──Now Loading……


………作業が完遂されました。
………清明の意識データを《神域サントゥアリオ》から《現実》に再接続します。


 ──Now Loading……


………接続が完了しました。転送を開始します。


 ──Now Loading……


………転送を終了します。

………引き続き、楽しい人生をお送りください!


 ……
 …………
 ………………



 ──はっ!なに、コレ……白昼夢!?
 え、私ってば今、スキルを使っただけだよね!?なのに、なんで、あんなコトに?

 ……ダメだ。考えても、ちっとも分からん。
 まぁ、たぶんイリオスのせい、だとは思うんだけどねぇ。……でも、にしては聞こえてきた声が、だったのが気になるなぁ。
 うぅむ、取り敢えず後回しだ!最悪、イリオスに聞きゃあいいよね?

 さてさて、解析結果は出てるかなー?((遠い目
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