異世界で勇者兼聖女なりました!……が、現在ドラゴンにストーカーされてます!?

嘉藤 静狗

文字の大きさ
39 / 43
第2章 『対・四天王①』編

10

しおりを挟む

『ヴェリココ』…春頃に淡紅色の花を咲かせる樹木型の魔獣=魔樹。この世界には広く分布する樹木。夏頃に収穫を迎える実や種子は、多分に魔力の源《シィーラ》含み、数多くの魔法薬の材料に使われる。


 ふむふむ、なるほど。
 ここまでの表示は《世界事典》と大して変わらんね。まぁ、ソースが同じだからか。

 ちなみに、ヴェリココは桜ではなさそう。幹が違うもの。
 他に、春に咲く淡紅色の花と言えば……梅、かな?あー、でも、梅の花はギリギリ冬の終わりか。近いとは思うんだけど、なんだろ?

 ………あ、あんずっぽいもの?なのね。へぇー。
 確かに、杏から採れる杏仁きょうにんは、前世の漢方でも有名だったわ。風邪薬とかで。
 ふーん、納得納得~。


 って、じゃなくて!《完全解析パーフェクト・アナライザ》の結果だよ!
 本題を忘れるとこだった。あ、あぶねー。

「えーと、解析結果の表示……っと」



『ヴェリココ』

 体力…グリーン域
   →87%(正常値)
 魔力…グリーン域
   →92%(正常値)

 状態…弱疲労
 行動力…無し(非移動型魔樹)
 攻撃…無し(非移動型魔樹)
   →魔攻…有り(【土】魔法)
 防御…普通
   →対魔…やや強
 幸運…普通
 補足…再生疲労、一時的加護強化
 特殊…ヴァストークの主の加護、『ИчжЮО"м族』の魔力効果→(!)


 ……なんか、思ったよか細かいね?
 や、別にさぁ……細かいのは、悪いことじゃないんだけど。こんだけ丸裸になるのもなぁ。プライバシーを侵害してるようで、ビミョーな罪悪感。まぁ、相手さんはあくまで植物だからそこまででもないけど。
 うーん、ヒトには使えないよねぇ。よっぽどのコトがなけりゃさ。

 てか、最後の(!)←コレは何ぞや?
 あと、その直前のヤツも文字化けしてね?
 んーと、何とか出来ないかなぁっと……あ。


(!)→この世界史上初の『ИчжЮО"м族』による魔力干渉。


 な、何か出てきた……ぞ?結局、詳しいことは分からんが。

 まぁ、察するに、この『ИчжЮО"м族』ってのが、私本来の種族なんだろーね。今は『ヒューマン族』のフリしてるけど。
 でも、そっかー。史上初なら、過去に『ИчжЮО"м族』とやらは、この世界に存在してなかったっぽいね。新人種だったのか、私。

 ん?いや、待て。そもそも──コレ、人間種なのか??
 ………あ、生きてる間はギリギリ人間種なんですか、そーですか。でもってソレ、暗に死んだら違うって言ってるようn……もがっ!?(←何故か口封じ?された。解せぬ)


 はぁ、まぁいっか。
 この調子で他の木の様子もバンバン確認していこー!おーっ!





 ──はい、確認終了☆
 『杏っぽいのヴェリココ』以外には、『胡桃っぽいのカリディア』と『柘榴っぽいのロディア』、あと一本だけ『林檎っぽいのミリャ』の樹があったよ。どれもちゃんと回復出来ているみたいで、一安心~。やれやれだぜ(←渋い声)。
 あ、ついでにアシルお兄さんも確認したよ。………んー?さっき「ヒトには使えないよね」って言ってたって?……私はねぇ、ストーカーに人権を与えるほど甘くはないのだよ。フフフ……(黒笑い)

 でも、コレもマジな話。結構、切実な問題だと思うんだ。
 何せ、この世界にはインターネットなんぞない。口コミ……ってか伝聞・噂が評価に直結する。勘違いで祭り上げられるのもだけど、コレで私の正体がバレようものなら、二度と自由は望めないだろーね。
 第一、元々私は『頼まれたら断れない☆』を地で行く典型的な日本人だったのだよ……!「勇者様・聖女様(←寒っ)、どうか助けてください」って言われたら、たぶん拒否できないと思う。ま、その性格のせいで前世日本で過労死したんだから、世話ないよねぇ。

 さて、そんな私の秘密を暴こうとする悪質なストーカーに慈悲はいるか?
 ……答えは当然、Nein 一択!

 前世日本のアニメなんかで、「知られたからには、死んでもらう……!」みたいなシーンあったけど、今ならその重要性がよく分かるよ。
 誰だって、自分を脅かすモノが存在するコトに、耐えきれないもの。そんなもの、消してしまう=殺す方が、心情的に楽だ。
 ……でもさー、私は臆病者チキンだから、殺人なんてできないワケさ。

 だから、この世界だからこそ出来る方法で、縛らせてもらおうか?


「(詠唱なんぞ要らんよね。)……そぉれ」
「はっ?───うおぁ!?」

 はいはい、確保☆
 ふっ、阿呆面晒して油断しているヤツが悪いんだぜ?

 ……そもそも、今日一日の付き合いだけど、こーゆーところがアシルお兄さんの冒険者クラスが上がらない原因だと思う。はっきり言うと、チョロいしザコい。言い方悪いけどね~。
 そうそう、ちなみに冒険者クラスはさっき《完全解析》で覗いちった☆((テヘペロ

 結果はこちら↓


『アシュルタルト(アシル)』…『獣人ベスティア族』の男性、五十三歳。冒険者歴は九年で、ランクはD。前職は実家で家業の薬師見習い兼配達人。長兄が家を継ぎ、跡継ぎである甥が成人(=十八歳)したので、それを機に冒険者へとなった。

 体力…グリーン域
   →94%(正常値)
 魔力…グリーン域
   →89%(正常値)

 状態…弱疲労、捕縛
 行動力…スピード特化+
 攻撃…普通
   →魔攻…有り(【土】魔法)
 防御…普通
   →対魔…やや弱
 幸運…普通
 補足…再生疲労
 特殊…《四天王》から解放されし者、『ИчжЮО"м族』の魔力効果


 ……うん、正直Dランクは納得。
 C以上はマイナス・無印・プラスがつくことから分かりやすいように、同じランク内でも実力差が出やすい。だって、取り敢えずCクラスの条件を満たしてなれたヒトと、実力的にはすでにBだけど、上がるには条件を満たせてないってだけのヒトとじゃ全然違うもの。私も今でこそ+Bだけど、実力ならおそらく+AAはかたいね!ふふん♪

 そうそう、Dクラスまでは、依頼やギルドに納品した素材のポイントさえ貯まれば簡単に上がるんだ。
 ……中には、わざわざC以上にならないように気を付けてるってもいるけど、まぁアシルお兄さんに限ってはないわな。だとしたら、迂闊すぎるもの。


 あ、もちろん怪我はさせてないよ?
 だって、せっかく私が回復させたのに、また傷つきでもしたら、完っ全に魔力のムダでしょ?無尽蔵に魔力を使えるとしても、そんなのイヤだもの。
 ケチ臭い、なんて言わないでよね!節約温存は、大事だから!
 そもそも捕縛=生かして捕まえるってコトだから、傷つけるなんてヘマはしないさ!
 あははっ☆
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

追放された聖女は旅をする

織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。 その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。 国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

処理中です...