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帰りの電車のはなし
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終電まで残業した日の電車は空いている。
平日の終電というのは--いや、いつもだが--様々な種類の人が乗っている。
スマホの充電も通信量もないとき、ぼくは、彼らの事を見ている。
彼らもまた、ぼくの事を見ているんだろう。
酔っ払いもサラリーマンも、遊び帰りの大学生も、お年寄りも、皆ただ自分の目的地に着く時を待っている。
ストーリーがあると思うんだ。彼ら一人一人に、名前があって、家族があって。
そしてその日の出来事があった。いつも終電の人もいれば、たまたま終電の人もいる。
たとえばあの隅っこに座ってうつむいているスーツ姿の男性は、今日はなぜ残業だったのだろう。
たとえば、部下のミスを巻き取ったのだろうか。それとも、商談が長引いたか。
もしくは、接待飲み会にいたのだろうか。そんなふうに。
いちいちそんなことを考えていると、寂しくなる。一人じゃないはずなのに、とっても一人みたいだ。
ふと、なんだかもめごとのような会話が聞こえる。いつものことだ。たまにある。
だいたい、少し疲れたおじさん同士が押しただの押してないだのって。
お酒のせいもあるんだろう。ぼくは関わらないことにしている。関わっても得がない。意味もない。
仮に仲裁して何の価値があるんだろう。自分が怪我をしたって明日の会社は休みにならない。
期待値がマイナス方向に高いのに、わざわざ余計なことをすることに何の価値があるっていうんだろう。
なのにその日は、見てしまった。
酔っぱらったおじさんに絡まれていたのは、おとなしそうな女性であったこと。
迷惑そうに、控えめに、振り払おうとしていること。
周りの人も見て見ぬふりをしていること。
ぼくは迷ってしまった。何に迷ったんだろう?
そうだ。覚えている。その女性の雰囲気が、昔大好きだった人に似ていたこと。
愛子さん。愛子。でも、いるはずがない。彼女は遠い町にいるのだから。
そもそも、似ているだけで本人じゃない。そんなことは少し離れたここから見ても別にわかる。
なのに、ぼくはどうしたんだろう。
「すみません」
おそるおそる近づいてとりあえず謝ってみる。別に暴力は得意じゃないし、そもそも、
こんなシチュエーションの当事者になったことなんてないし、漫画みたいにかっこよくもできないし、
どうしたらいいか、本当にわからなかった。
「何だよ。邪魔すんなよ。」
「すみません・・・こういうの、どうしたらいいかよくわからなくて」
「すっこんでりゃいいだろうが」
「たぶん、それじゃダメだと思ってて・・・ええっと、辞めてもらったりとか、っていうのは・・・」
文字にしていて、なんだか情けなすぎる。なにより、愛子に似たその女性も、何だろうこの人、みたいな顔で見てくるのがつらい。
「うるせえなお前。ぶん殴られたいのか」
今思うと、そりゃそうだよな、って感じだし、こうして文字にするとやっぱり情けない。
でもあの時のぼくはなんだかおかしかった。今となっても説明することはできない。
「いいですよ何発でもやってもらって・・・でもこの人にはもうかまわないでください。お願いします。」
あぁ、そうだ、思い出した。
その日僕が仕事でしょうもないミスをしたこと。
そのミスは同じミスを過去にしたことがあったこと。
挽回しようと思って残業していたこと。
別に挽回なんかできなかったこと。
結局殴られても周りのだれも助けてくれなかったこと。
女性すら、わけがわからない、という顔でぼくをみていたこと。
そうだ、もう死んじゃってもいいかなって、思ってたんだ。
これからも同じような日が続いて、ぼくがいてもいなくてもなにも変わらないんだって。
愛子さんがいた時はあんなに日々が嬉しかったのに。
愛子さんがこっちを見てくれるだけで泣きそうだったのに。
話しかけてくれた、笑ってくれた、隣にいてくれた、抱き寄せてくれた。
あの日々以外のぼくに何の価値も感じなかったんだって。
狭い部屋で小さな鍋を夕食にした日。一緒にテレビを見ていた日。
帰りたくなくて、ベランダで夜通しお話した日。
ぼくね、愛子さんが大好きだったんだ。そう。
床に倒れ込んでも、それだけは、いや、いつだって。
今も割り切ることなんてできていない。
次の駅に停車したとき、興覚めしたのか、おじさんは去って行ってしまった。
遅延とかしなかった。お客様トラブルって、ぼくじゃない人が当事者であるとき起こるのかな。
「あの・・・えっと・・・ありがとうございます。」
申し訳ないんだか迷惑そうなんだかわからないが、とりあえず女性はお礼を言ってくれた。
電車はまた動き出す。
「いいんです・・・」
ぼくは力なく横たわったまま答えた。すでにほかの乗客もいなかった。
格好つけたかったわけでもないし、颯爽と解決したからって、元が格好よくなければ意味ないと思うし。
「あの、いいんです・・・ほっといてもらって・・・」
なんだか疲れてしまった。体も痛かった。
事が終わったからアドレナリンも切れたのか、気力もなかった。
去って行ってもらっていい。このまま倒れていれば最寄り駅にも着くだろう。
「そうじゃなくて」
女性は申し訳なさそうに続けた。
「終点なので降りないと」
ぼくは乗り過ごしていた。
このあとわかることだが、女性も乗り過ごしていた。
---
運命のいたずらだとか、情けは人の為ならずとか、棚からぼたもちだとか、世の中にはいろいろある。
ぼくは大好きだった愛子さんに少し似た人と一緒に駅を出た。
愛子さんだったらどれだけ良かったんだろう。あの日に戻れたらどれだけ良かったんだろう。
「明日もお仕事ですよね・・・」
愛理さんはずっと申し訳なさそうだ。
駅を出てから、少しずつお互いの事を話した。
いつもあの電車を使っていること、互いの仕事のこと、など。
愛理さんも、あまり仕事ができるほうではないらしく、少し親近感が持てた。
ネットや元同級生の話ばかり聞いていると、自分だけが最も劣っている気持ちになってすごく嫌なのだけど、
愛理さんの仕事の話は、素直に共感できたといっていい。
「そうですけど、もう行かなくてもいいかなって・・・体も痛いし」
ぼくはもはや、諦めや後悔や誇らしさや少しの嬉しさやらとにかくいろいろ混ざっていた。
「私のせい、ですし・・・ごめんなさい」
本当に思っているのか、と野暮な気持ちも少しはあった。だからだろう、あんなことを言ってのけるなんて。
どうかしている。本当に、時に、人はどうしようもなく愚かなのだ。
普段だったら絶対言えなかったに違いない。ちなみに、これ以降、一度も言えたことはない。
「じゃあせめて泊めてくださいよ。タクシーもないんだから。」
愛理さんは少し驚いた顔になったが、次の言葉にぼくはその倍以上驚くことになる。
「私だって乗り過ごしてるんです。だから・・・ホテルでも大丈夫ですか?」
---
運命のいたずらだとか、情けは人の為ならずとか、棚からぼたもちだとか、世の中にはいろいろある。
ぼくは愛理さんと一緒に、ホテルに入った。
緊張するし、そもそもどうしたらいいかわからない。
恐らく、これは、いい、ということなのだろうか。それとも、ぼくの状態的に無い、と踏んだのだろうか。
愛理さんは一人でシャワーに入ってしまった。
愛子さんとは入った事がない。いつもどちらかの家が居場所だったから。
愛子さんのことを思い出すと、気持ちが落ち着く。もういないんだって、いてもぼくとは関係ないんだって。
そう思うと、悲しさと一緒に、より一層落ち着くことができる。
そのまま少し泣くことにした。どうせシャワー室からは聞こえまい。
しばらくして、愛理さんが出てきた。
「泣いていたんですか?」
しまった。顔を拭いていなかった。
「シャワー、ぼくも入ってきます・・・」
---
愛子さんの話を、愛理さんにしてしまおうか、全て言ってしまおうか、迷った。
いや、正直、全て言ってしまいたかった。
でも、それはとても失礼なことのような気がした。
そう、きっと言わなくていいのだ。
言わなくたって過去は変わらない。
言ったって未来が良くなる保証もない。
それに、愛理さんは愛子さんじゃない。わかってる。
大好きな愛子さん。どこかで幸せに生きていてくれますように。
ぼくと一緒にいた日々を、大切だった、とずっとずっと、思っていてくれますように。
愛理さんは、ただ、ぼくを見ていた。
バスローブの下には何もない。いや、すべてがあったと言っていい。
そして、あの日のような手つきで「おいで」の格好をした。
あの日のようにぼくを抱き寄せた。
胸に倒れ込んだぼくは、あの日言い足りなかった、これからもずっと言い足りないであろう愛をつぶやいた。
「大好きだよ、ずっと。」
END -「やっと見つけた」-
---
平日の終電というのは--いや、いつもだが--様々な種類の人が乗っている。
スマホの充電も通信量もないとき、ぼくは、彼らの事を見ている。
彼らもまた、ぼくの事を見ているんだろう。
酔っ払いもサラリーマンも、遊び帰りの大学生も、お年寄りも、皆ただ自分の目的地に着く時を待っている。
ストーリーがあると思うんだ。彼ら一人一人に、名前があって、家族があって。
そしてその日の出来事があった。いつも終電の人もいれば、たまたま終電の人もいる。
たとえばあの隅っこに座ってうつむいているスーツ姿の男性は、今日はなぜ残業だったのだろう。
たとえば、部下のミスを巻き取ったのだろうか。それとも、商談が長引いたか。
もしくは、接待飲み会にいたのだろうか。そんなふうに。
いちいちそんなことを考えていると、寂しくなる。一人じゃないはずなのに、とっても一人みたいだ。
ふと、なんだかもめごとのような会話が聞こえる。いつものことだ。たまにある。
だいたい、少し疲れたおじさん同士が押しただの押してないだのって。
お酒のせいもあるんだろう。ぼくは関わらないことにしている。関わっても得がない。意味もない。
仮に仲裁して何の価値があるんだろう。自分が怪我をしたって明日の会社は休みにならない。
期待値がマイナス方向に高いのに、わざわざ余計なことをすることに何の価値があるっていうんだろう。
なのにその日は、見てしまった。
酔っぱらったおじさんに絡まれていたのは、おとなしそうな女性であったこと。
迷惑そうに、控えめに、振り払おうとしていること。
周りの人も見て見ぬふりをしていること。
ぼくは迷ってしまった。何に迷ったんだろう?
そうだ。覚えている。その女性の雰囲気が、昔大好きだった人に似ていたこと。
愛子さん。愛子。でも、いるはずがない。彼女は遠い町にいるのだから。
そもそも、似ているだけで本人じゃない。そんなことは少し離れたここから見ても別にわかる。
なのに、ぼくはどうしたんだろう。
「すみません」
おそるおそる近づいてとりあえず謝ってみる。別に暴力は得意じゃないし、そもそも、
こんなシチュエーションの当事者になったことなんてないし、漫画みたいにかっこよくもできないし、
どうしたらいいか、本当にわからなかった。
「何だよ。邪魔すんなよ。」
「すみません・・・こういうの、どうしたらいいかよくわからなくて」
「すっこんでりゃいいだろうが」
「たぶん、それじゃダメだと思ってて・・・ええっと、辞めてもらったりとか、っていうのは・・・」
文字にしていて、なんだか情けなすぎる。なにより、愛子に似たその女性も、何だろうこの人、みたいな顔で見てくるのがつらい。
「うるせえなお前。ぶん殴られたいのか」
今思うと、そりゃそうだよな、って感じだし、こうして文字にするとやっぱり情けない。
でもあの時のぼくはなんだかおかしかった。今となっても説明することはできない。
「いいですよ何発でもやってもらって・・・でもこの人にはもうかまわないでください。お願いします。」
あぁ、そうだ、思い出した。
その日僕が仕事でしょうもないミスをしたこと。
そのミスは同じミスを過去にしたことがあったこと。
挽回しようと思って残業していたこと。
別に挽回なんかできなかったこと。
結局殴られても周りのだれも助けてくれなかったこと。
女性すら、わけがわからない、という顔でぼくをみていたこと。
そうだ、もう死んじゃってもいいかなって、思ってたんだ。
これからも同じような日が続いて、ぼくがいてもいなくてもなにも変わらないんだって。
愛子さんがいた時はあんなに日々が嬉しかったのに。
愛子さんがこっちを見てくれるだけで泣きそうだったのに。
話しかけてくれた、笑ってくれた、隣にいてくれた、抱き寄せてくれた。
あの日々以外のぼくに何の価値も感じなかったんだって。
狭い部屋で小さな鍋を夕食にした日。一緒にテレビを見ていた日。
帰りたくなくて、ベランダで夜通しお話した日。
ぼくね、愛子さんが大好きだったんだ。そう。
床に倒れ込んでも、それだけは、いや、いつだって。
今も割り切ることなんてできていない。
次の駅に停車したとき、興覚めしたのか、おじさんは去って行ってしまった。
遅延とかしなかった。お客様トラブルって、ぼくじゃない人が当事者であるとき起こるのかな。
「あの・・・えっと・・・ありがとうございます。」
申し訳ないんだか迷惑そうなんだかわからないが、とりあえず女性はお礼を言ってくれた。
電車はまた動き出す。
「いいんです・・・」
ぼくは力なく横たわったまま答えた。すでにほかの乗客もいなかった。
格好つけたかったわけでもないし、颯爽と解決したからって、元が格好よくなければ意味ないと思うし。
「あの、いいんです・・・ほっといてもらって・・・」
なんだか疲れてしまった。体も痛かった。
事が終わったからアドレナリンも切れたのか、気力もなかった。
去って行ってもらっていい。このまま倒れていれば最寄り駅にも着くだろう。
「そうじゃなくて」
女性は申し訳なさそうに続けた。
「終点なので降りないと」
ぼくは乗り過ごしていた。
このあとわかることだが、女性も乗り過ごしていた。
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運命のいたずらだとか、情けは人の為ならずとか、棚からぼたもちだとか、世の中にはいろいろある。
ぼくは大好きだった愛子さんに少し似た人と一緒に駅を出た。
愛子さんだったらどれだけ良かったんだろう。あの日に戻れたらどれだけ良かったんだろう。
「明日もお仕事ですよね・・・」
愛理さんはずっと申し訳なさそうだ。
駅を出てから、少しずつお互いの事を話した。
いつもあの電車を使っていること、互いの仕事のこと、など。
愛理さんも、あまり仕事ができるほうではないらしく、少し親近感が持てた。
ネットや元同級生の話ばかり聞いていると、自分だけが最も劣っている気持ちになってすごく嫌なのだけど、
愛理さんの仕事の話は、素直に共感できたといっていい。
「そうですけど、もう行かなくてもいいかなって・・・体も痛いし」
ぼくはもはや、諦めや後悔や誇らしさや少しの嬉しさやらとにかくいろいろ混ざっていた。
「私のせい、ですし・・・ごめんなさい」
本当に思っているのか、と野暮な気持ちも少しはあった。だからだろう、あんなことを言ってのけるなんて。
どうかしている。本当に、時に、人はどうしようもなく愚かなのだ。
普段だったら絶対言えなかったに違いない。ちなみに、これ以降、一度も言えたことはない。
「じゃあせめて泊めてくださいよ。タクシーもないんだから。」
愛理さんは少し驚いた顔になったが、次の言葉にぼくはその倍以上驚くことになる。
「私だって乗り過ごしてるんです。だから・・・ホテルでも大丈夫ですか?」
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運命のいたずらだとか、情けは人の為ならずとか、棚からぼたもちだとか、世の中にはいろいろある。
ぼくは愛理さんと一緒に、ホテルに入った。
緊張するし、そもそもどうしたらいいかわからない。
恐らく、これは、いい、ということなのだろうか。それとも、ぼくの状態的に無い、と踏んだのだろうか。
愛理さんは一人でシャワーに入ってしまった。
愛子さんとは入った事がない。いつもどちらかの家が居場所だったから。
愛子さんのことを思い出すと、気持ちが落ち着く。もういないんだって、いてもぼくとは関係ないんだって。
そう思うと、悲しさと一緒に、より一層落ち着くことができる。
そのまま少し泣くことにした。どうせシャワー室からは聞こえまい。
しばらくして、愛理さんが出てきた。
「泣いていたんですか?」
しまった。顔を拭いていなかった。
「シャワー、ぼくも入ってきます・・・」
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愛子さんの話を、愛理さんにしてしまおうか、全て言ってしまおうか、迷った。
いや、正直、全て言ってしまいたかった。
でも、それはとても失礼なことのような気がした。
そう、きっと言わなくていいのだ。
言わなくたって過去は変わらない。
言ったって未来が良くなる保証もない。
それに、愛理さんは愛子さんじゃない。わかってる。
大好きな愛子さん。どこかで幸せに生きていてくれますように。
ぼくと一緒にいた日々を、大切だった、とずっとずっと、思っていてくれますように。
愛理さんは、ただ、ぼくを見ていた。
バスローブの下には何もない。いや、すべてがあったと言っていい。
そして、あの日のような手つきで「おいで」の格好をした。
あの日のようにぼくを抱き寄せた。
胸に倒れ込んだぼくは、あの日言い足りなかった、これからもずっと言い足りないであろう愛をつぶやいた。
「大好きだよ、ずっと。」
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