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第4章 終幕戦編
第60話 新たなる書簡
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【クライトside】
「ふぅ………」
カタン、と筆を置く。ようやく税率変更の届出の書類を書き終わった。三つ折りにして茶封筒にしまい込む。そして、封筒の口を封蝋で留める。手紙を書くのはいちいち丁寧な文法を意識して書かないといけないし全く持って楽しい作業ではないけれど、この瞬間だけはなんとなく少しだけいい気分になる。
「よし、これで郵送しておこっと。」
「あ、クライトー!終わった~?」
「クレジアント、もう書類は書き終わったよ。あとはこれを王都に送るだけ」
「あ、お、お疲れ様です!」
「キュールも来てくれたの?ありがとう」
二人と手を繋ぐ。さっきは恥ずかしい所見せちゃったから今度は僕の方がカッコいい所見せないと!
「二人は休んでてよ。あ、そうだ!二人にマッサージとかしてあげる!さっきしてくれたでしょ?」
「お、ホント?」
「もちろん!やってあげるよ!」
「で、でも………」
「ん?どうしたの?」
キュールが時計の方を指さしている。別に壊れていない、今は昼頃になろうとしている。その他は特に………ん、昼?昼って事はお昼ご飯の時間だよね、最近は配給してるけれど………あれ?昨日の内に100人増えたのに、足りる?
「………やっばぁ」
「あ、そうじゃん。クライト、お昼ご飯どうするの?」
「昨日領民の方が増えたという話をナイパーさんから聞いたので………」
「ちょ、ちょっと待ってて!確認してくる!」
まずいまずい。お昼ご飯の供給、今のままじゃ足りるかどうか分からないじゃんか!!!いや、急な事だったし僕昨日の事を寝ちゃってあんまり気にかけることが出来てなかったから何にも対処が出来てない………
「りょ、料理長!」
「ん?あぁ、お坊ちゃま。どうされましたか!!!というか、朝食をお食べにならなかったようですが、どうされたのですか!!!」
「え、えと、ちょっと眠ってて………ごめんね」
「いえいえ、それは良いんです!何かお食べになりますか?」
「ううん、大丈夫。ありがと!………って、そうだった!」
今は話してる場合じゃないんだった!
「昨日両隣の領から合計100人くらいの人を連れてきたっていう話聞いた?」
「はい。聞きましたよ」
「えっと………いつもの2倍の量の昼食って作れる?というか、食材あるかな………?」
流石に、無いよねぇ………
「あぁ、もう取りかかってます」
「えっ」
嘘でしょ、流石に仕事が速すぎない?というか、どういう事なの?
「あ、丁度来たようです」
「料理長~。隣領から兵糧持ってきましたよ~」
「あ、え、そういう事?」
使用人の皆が何やら大分大きな荷台を押しながら扉から入って来る。
「あ、お坊ちゃま!如何されましたか?」
「え、いや。皆こそどうしたの?」
「あぁ、これでしょうか?昨日の夜にクレジアント様から話を聞きまして、昼食をどうしようかと考えていたところ、ナイパーさんが『隣領に残っている食料や兵糧を持ってくれば良いのでは?』という話をされていたので、朝から出発して食材を持ってきて参った次第です!」
いやぁ………凄すぎるよ。使用人の皆は訓練とかしてないし、
「は、はぇぇぇ………あ、ありがとう。大変だったでしょ?ゆっくり休んでもらって………」
「お坊ちゃま、まだ昼食の食材を持ってきただけです。肝心の料理はこれからなのでまだ休憩を取る事は出来ません。これから私たちは昼食の用意に入るのでお坊ちゃまの要望に応えることが難しくなると思いますが、何かお困りの事があればナイパーに申し付けて下されば何でもしてくれると思いますのでよろしくお願いします」
あ、だからさっきナイパーが『布団とシーツの方は私めが洗っておきます』って言ってたのか。いつもならナイパーは指示係とか、僕の業務に関する事をして貰ってるのに今日は家事してくれるみたいでちょっと引っかかってたんだ。
「あ、あぁ、分かった。本当にありがとね?昼食作り終わったら今度こそ休んでていいからね?配給は僕とかナイパーがしておくから」
「いえいえ、お手を煩わせるわけには………」
「いいの!僕にもやらせて!」
「あ、ちょっと………」
そう言って、上の階に逃げていく。流石に食事も作ってくれた上に配給までやらせるほど僕は厳しくなれない。でも、食事を作る事に関しては僕よりも皆の方が上手いから僕は残りの業務をやろうかな。
「えっと………あ、そうだった!」
税率の変更っていうのばっかが頭に刷り込まれていたけれど、本当に緊急なのは勅令の手紙を返信することだった。早く書かないと………
コンコンコンコン コンコンコンコン
「あ、この叩き方はナイパーかな?全然入って良いよ~」
「失礼します。先ほど、王室からの手紙が届いたようです」
「え?僕まだ手紙書いてないんだけど………それにまだ期限も過ぎてないはずだし、どういう内容で来たの?」
「まだ開けておりません。どうされますか?」
「う~ん………こういうのってなるべく早く開けた方が良いと思うんだけど、今はちょっと忙しいからお昼ご飯の配給が終わってからにしよう。まだこの返信も書いてないしね。この机に置いておいてくれる?」
「畏まりました」
「ありがと!」
さっさと手紙を書いて、王都に出そう。この手紙も………何か変な内容だったら許さないからね?
「ふぅ………」
カタン、と筆を置く。ようやく税率変更の届出の書類を書き終わった。三つ折りにして茶封筒にしまい込む。そして、封筒の口を封蝋で留める。手紙を書くのはいちいち丁寧な文法を意識して書かないといけないし全く持って楽しい作業ではないけれど、この瞬間だけはなんとなく少しだけいい気分になる。
「よし、これで郵送しておこっと。」
「あ、クライトー!終わった~?」
「クレジアント、もう書類は書き終わったよ。あとはこれを王都に送るだけ」
「あ、お、お疲れ様です!」
「キュールも来てくれたの?ありがとう」
二人と手を繋ぐ。さっきは恥ずかしい所見せちゃったから今度は僕の方がカッコいい所見せないと!
「二人は休んでてよ。あ、そうだ!二人にマッサージとかしてあげる!さっきしてくれたでしょ?」
「お、ホント?」
「もちろん!やってあげるよ!」
「で、でも………」
「ん?どうしたの?」
キュールが時計の方を指さしている。別に壊れていない、今は昼頃になろうとしている。その他は特に………ん、昼?昼って事はお昼ご飯の時間だよね、最近は配給してるけれど………あれ?昨日の内に100人増えたのに、足りる?
「………やっばぁ」
「あ、そうじゃん。クライト、お昼ご飯どうするの?」
「昨日領民の方が増えたという話をナイパーさんから聞いたので………」
「ちょ、ちょっと待ってて!確認してくる!」
まずいまずい。お昼ご飯の供給、今のままじゃ足りるかどうか分からないじゃんか!!!いや、急な事だったし僕昨日の事を寝ちゃってあんまり気にかけることが出来てなかったから何にも対処が出来てない………
「りょ、料理長!」
「ん?あぁ、お坊ちゃま。どうされましたか!!!というか、朝食をお食べにならなかったようですが、どうされたのですか!!!」
「え、えと、ちょっと眠ってて………ごめんね」
「いえいえ、それは良いんです!何かお食べになりますか?」
「ううん、大丈夫。ありがと!………って、そうだった!」
今は話してる場合じゃないんだった!
「昨日両隣の領から合計100人くらいの人を連れてきたっていう話聞いた?」
「はい。聞きましたよ」
「えっと………いつもの2倍の量の昼食って作れる?というか、食材あるかな………?」
流石に、無いよねぇ………
「あぁ、もう取りかかってます」
「えっ」
嘘でしょ、流石に仕事が速すぎない?というか、どういう事なの?
「あ、丁度来たようです」
「料理長~。隣領から兵糧持ってきましたよ~」
「あ、え、そういう事?」
使用人の皆が何やら大分大きな荷台を押しながら扉から入って来る。
「あ、お坊ちゃま!如何されましたか?」
「え、いや。皆こそどうしたの?」
「あぁ、これでしょうか?昨日の夜にクレジアント様から話を聞きまして、昼食をどうしようかと考えていたところ、ナイパーさんが『隣領に残っている食料や兵糧を持ってくれば良いのでは?』という話をされていたので、朝から出発して食材を持ってきて参った次第です!」
いやぁ………凄すぎるよ。使用人の皆は訓練とかしてないし、
「は、はぇぇぇ………あ、ありがとう。大変だったでしょ?ゆっくり休んでもらって………」
「お坊ちゃま、まだ昼食の食材を持ってきただけです。肝心の料理はこれからなのでまだ休憩を取る事は出来ません。これから私たちは昼食の用意に入るのでお坊ちゃまの要望に応えることが難しくなると思いますが、何かお困りの事があればナイパーに申し付けて下されば何でもしてくれると思いますのでよろしくお願いします」
あ、だからさっきナイパーが『布団とシーツの方は私めが洗っておきます』って言ってたのか。いつもならナイパーは指示係とか、僕の業務に関する事をして貰ってるのに今日は家事してくれるみたいでちょっと引っかかってたんだ。
「あ、あぁ、分かった。本当にありがとね?昼食作り終わったら今度こそ休んでていいからね?配給は僕とかナイパーがしておくから」
「いえいえ、お手を煩わせるわけには………」
「いいの!僕にもやらせて!」
「あ、ちょっと………」
そう言って、上の階に逃げていく。流石に食事も作ってくれた上に配給までやらせるほど僕は厳しくなれない。でも、食事を作る事に関しては僕よりも皆の方が上手いから僕は残りの業務をやろうかな。
「えっと………あ、そうだった!」
税率の変更っていうのばっかが頭に刷り込まれていたけれど、本当に緊急なのは勅令の手紙を返信することだった。早く書かないと………
コンコンコンコン コンコンコンコン
「あ、この叩き方はナイパーかな?全然入って良いよ~」
「失礼します。先ほど、王室からの手紙が届いたようです」
「え?僕まだ手紙書いてないんだけど………それにまだ期限も過ぎてないはずだし、どういう内容で来たの?」
「まだ開けておりません。どうされますか?」
「う~ん………こういうのってなるべく早く開けた方が良いと思うんだけど、今はちょっと忙しいからお昼ご飯の配給が終わってからにしよう。まだこの返信も書いてないしね。この机に置いておいてくれる?」
「畏まりました」
「ありがと!」
さっさと手紙を書いて、王都に出そう。この手紙も………何か変な内容だったら許さないからね?
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