72 / 107
第4章 終幕戦編

第65話 二人はそれぞれで

しおりを挟む
【キュールside】

「ふぅ~終わった!」
「終わりですね!」

 たった今配給も片付けも終わりました。結構肉体仕事でもあるので、あまり体の強い方ではない私はあまり得意な仕事では無いです………
 でも、クライトは私よりももっと大変な事をしているんです。将来のお嫁さんとしてこのくらい私も頑張らないとです!

「キュールちゃん、屋敷に戻ったら一回疲れたし休も~!」
「す、すみません。その、あまり早くに帰っては来れない用事があって………」
「あれ?あぁ、そういえばちょっと前に言ってたね!どこ行くの?僕が見てきた限り、隣領はもう今や実質的な廃土となってるし。王都だってクライトが一緒に居ないと歩いてじゃ行けないでしょ?」
「あ、それに関しては大丈夫です!………まぁ、走り回りはするんですけど」
「ん~?なんだろ、でもあんまり聞かれたくない内容だったらこれ以上僕は聞かないよ!」

 えっと、別に聞かれたくない内容ではないのですけれど………説明とかする時間も惜しいので今回はクレジアントちゃんにはちょっとだけ内緒です。

「帰ってきたら話しますから!あ、でもその………結構帰ってくるのは遅くなると思います」
「どれくらいに帰って来る?」
「ええっと………分からないです。でも、クライトを万が一にも死なせないようにする為ですから!」
「えぇっ?それはどういう………」

 クレジアントちゃんに疑問符を打たせないうちに腕輪の効果を発動します。

 瞬きを強いられる眩い光が僅かな時間発生した後、目を開けた先には私は学園に着いていました。正確に言うと寮の私の部屋の中。

「ここに印をつけておいて良かったです!」

 私の取り柄は何かあった時に備えて事前に選択肢を増やしておくことですからね!

 実は学園戦技祭前にあの後何回かダンジョンに皆で潜ったのですが………この腕輪、もう一つ宝箱から出てきていました。その上で特に使い道が無かったのでバックアップ用にとこの部屋の中に保管していたのが功を奏しました。

「屋敷に帰れる用のストレージも確保していたので良かったです!」

 今付けている腕輪には、『私の寮の部屋』『クライトの剣鞘』『屋敷の借りている自室』が登録されています。そして、私の寮の部屋に置いてあった腕輪には………三人の所有物に印をつけてあります。そして、それは基本的にそれぞれがいつも身に着けているものです。

「賭けですけれど………やるしかありませんっ!」

 勿論、これが不法侵入になるという事は分かっています。

 だから、出来るだけ長いしない様にある手紙を置いておくことにしてあります。

「躊躇っていて、クライトの身に何かあったら私一人じゃ守り切れないです………」

 だから、やるしかないのです。

☆★☆★☆

【クレジアントside】

 領に住む人たちにお昼ご飯を届けて、その上で片づけまで終わらせた。

「ふぅ~終わった!」
「終わりですね!」

 いやぁ、中々に疲れちゃったな。でもこれの何倍も辛い仕事をクライトはしてるんだもんなぁ………いっそのこと、ボクもついていった方が良かったんじゃないかな?僕がクライトに追いつく実力かどうかは置いておいても、下級魔人程度なら楽に倒せるし。上級魔人はちょっと………何人も来られると厳しいけれど。

「キュールちゃん、屋敷に戻ったら一回疲れたし休も~!」
「す、すみません。その、あまり早くに帰っては来れない用事があって………」
「あれ?あぁ、そういえばちょっと前に言ってたね!どこ行くの?僕が見てきた限り、隣領はもう今や実質的な廃土となってるし。王都だってクライトが一緒に居ないと歩いてじゃ行けないでしょ?」

 結構心配。キュールちゃんって、回復魔法とか、生活魔法の発展魔法はすっごく上手に使いこなせてるなと思うけれど直接的な戦闘をしている所は見たことないし。何か危険な目にあってもボクもクライトもついていない状況では戦えないと思うから。

「あ、それに関しては大丈夫です!………まぁ、走り回りはするんですけど」
「ん~?なんだろ、でもあんまり聞かれたくない内容だったらこれ以上僕は聞かないよ!」

 こういうのは深追いしない方が良いって、長年の経験が言ってる。伊達にも幼少期に大人を味方につけなきゃいけないくらい弱い立場だったボクだからね。ちょっと無頓着な部分があると思われてるかもしれないけれど………意外とボク、意識的にベターな対応してるんだよ?

「帰ってきたら話しますから!あ、でもその………結構帰ってくるのは遅くなると思います」
「どれくらいに帰って来る?」
「ええっと………分からないです。でも、クライトを万が一にも死なせないようにする為ですから!」
「えぇっ?それはどういう………」

 僕が言葉を最後まで紡ぐ暇もなく、キュールちゃんはいつの間にか居なくなってしまった。それと同時に、学園戦技祭でキュールちゃんが使っていたあの技について思い出す。あれはきっとダンジョン踏破の宝箱から出て来る品の筈。ダンジョン踏破って、低級でも結構難しいのに………キュールちゃん、ああ見えて意外と強いのかも?

「まぁ、それは冗談だけど」

 あの練度の回復魔法が使える上に単騎踏破まで出来る実力の持ち主だったら怖すぎる。僕だって、初見では難しい所はあるし。

「ふぅ~じゃあボクはナイパーさんとか、使用人の皆と一緒に色々しようかな。あ、農業の手伝いとかもしてみたいしそれもいいかも………」



 ドゴォン!!!!!!!!!!


「………良くない音がした」

 僕は剣を持って外に飛び出る。



 最近は最早見慣れた光景、そこには魔人が大人数居た。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...