赤い目は震わす

伊達メガネ

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第九章

当惑

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 右頬に痛みを感じた。
 意識が覚醒し、思考が始まっていく。
 目を開くと、女性が立っていた。
 制服姿の絹江さんだ。
 目を動かして、状況を確認する。
 何故か右頬を、絹江さんに強くつねられていた。
 思わず尋ねた。
「なぁひひゃってるんでふか?」
 絹江さんは当然のように答えた。
「何となく……」
 そして沈黙が流れる。
「………………」
「………………」
 暫く考えてみたが、言っていることは、全く理解出来なかった。
 しかし、これ以上問いただしても、結果は変わらない気がする。
 その間も絹江さんは、右頬をグイグイとつねっていた。
 取り敢えず絹江さんの手を掴むと、右頬から強引に振り解いた。
「あッ……!」
 絹江さんが、口惜しそうな表情を浮かべた。
 上体を起こして、周りを見渡した。
 正面には黒板、その手前から机とイスが、ズラリと並んでいる。
 教室内には自分と、絹江さんの二人しかいなかった。
 絹江さんが聞いてきた。
「今までずっと寝ていたの? あきれるわね!」
 窓辺は赤く染めあがり、部活動に励む生徒の声が聞こえてくる。
 時計の針は、六時を回ろうとしていた。
「……どうやら、そのようですね」
 授業が終わっても、誰も起こしてくれなかったか……。
 そこはかとなく孤独感に苛まれながら、帰り支度を始める。
 寝起きのせいか、妙にのどが渇いていた。
 ふと思い、つぶやいた。
「……何か、冷たいものでも欲しいな……」
 絹江さんが嬉々として、語り掛けてきた。
「最近、駅前におしゃれなアイスクリーム屋さんが、出来たのよ!」
「あら、いつの間に……」
 筆箱はカバンに入れてと……科書は置いておこう……。
「そこ凄く評判が良くて、雑誌とかでも紹介されているの!」
「へ~~そうなんですね」
 う~~ん、でも、もう机の中パンパンだな。
「でも、そこ高級なお店で、ちょっとお高いみたいなのよね!」
「まあ、それは致し方ないですね」
 どうしようかな? 持って帰るのは面倒くさいしな……。
 絹江さんはおもむろに指を伸ばして、弓を引くように構えると、首筋に力強くブッチャーをかましてきた。
「ウゴッ……‼」
 突然の横暴な攻撃に、首を抑えてむせび泣く。
 あまりの理不尽な行いに、暴君絹江に抗議の声を上げた。
「なッ……何をするんですかッ!」
 暴君絹江が威圧的に答えた。
「分かっているよね?」
「……何が? ですか……?」

 どこか達観した気持ちで、それを眺めていた。
 絹江さんがショーケースの前を、忙しそうに右往左往している。
「う~~ん、どうしようかな~~? ねぇ? どれがいいと思う?」
「絹江さんの思うがままに、選べばいいじゃないですかね」
「ええ~~そんなこと言ったら、決められないよ~~!」
 ショーケースの中には、色とりどりのアイスクリームが並んでいた。
 どれもこれも美味しそうに見える。
 先程から絹江さんは、悩みに悩んでいた。
 その姿は大変愛らしく、暴君絹江にカツアゲされていることを、多少なりとも紛らわせてくれた。
「バニラは外せないよね?」
「まあ、定番ですね」
「チョコも捨てがたいな~~」
「チョコは偉大ですから」
「ストロベリーも良いよね」
「甘酸っぱいところが、これまたいい感じです」
「バナナも美味しいよね」
「ある種、果物の王様って感じですね」
「抹茶も美味しいし~~」
「日本だけではなく、世界でも大人気」
「キャラメルも魅力的だしなぁ」
「どこか郷愁を誘います」
「ミントも割と好きなのよね」
「好みが分かれる所がありますが、好きな人は好きですね」
「……アボカド……⁉」
「それ某NFL選手のおかげで、一躍世界的に有名になりました」
「どうしようかなぁ~~あッ! これって何段までいけるのかな?」
「……常識の範囲内でお願いします」
 何段までいくつもりだったの……?
 何か……凄く嫌な予感が……。
 絹江さんの問いに、女性の店員さんが丁寧に答えた。
「お客様の望むままに、何段でも可能でございます」
「本当ですかッ!」
「いやッ⁉ そんなことはないでしょッ!」
「宇宙の広さや、人の欲望と同じく、アイスクリームの重ねる段数は、無限大でございます」
「ちょっと、店員さんあなた何言っているんですかッ⁉」
「それじゃあ、全部お願いします!」
絹江さんあなたも何言っているんですかッ⁉」
「承りました!」
「いや、承らないでッ!」
「あッ! すみません、やっぱりアボカドは無しでいいです!」
「アボカド差別すんなよッ!」
 ここにきて、ごく当たり前のことに気付いた。
「そもそも……いくら何でも現実には、そんなに乗らないでしょ?」
「お客様、それはアイスクリームよりも、甘うございます!」
 女性の店員さんは人差し指を前に出して、左右に素早く振った。
 そして奥の棚から、紙コップを取り出して前に置いた。
 それは小ぶりのバケツぐらいのサイズであった。
「ファミリーのお客様向けに、こういう物もご用意しております!」
「あ~~ッ! これなら全部入りますね!」
 絹江さんの嬉々としている姿に悟った。
 あッ……これは無理だ……どうあがいたところで……流れは変わらない……もうあきらめるしかない……!
 お尻のポケットから財布を取り出して、中身を確認する。
 さっき念の為下ろしてきたから、大丈夫だよね……?

 駅前のベンチに、絹江さんと一緒に腰かけた。
 夕暮れとはいえ、まだまだ気温は高く暑かった。
 だが、今はそんなこと関係なかった。
 特に絹江さんはそうだろう。
 絹江さんは小ぶりのバケツサイズの紙コップを片手に、嬉々としてアイスクリームを食していた。
「美味しい~~‼ 何これッ⁉ スゴ~~イッ‼」
「……そんなに美味しいですか?」
 絹江さんが満面の笑みを浮かべて答えた。
「どれもこれも最高よ! アイスクリームの宝石箱だわ‼」
「そうですか……それは良かったですね……」
 これで美味しくなかったら、やってられないよ……本気マジで!
 まさかアイスクリーム屋さんで、諭吉さんに二人もご足労していただくとは、思わなかったですよ!
 片手にはアイスクリームが握られていた。
 バニラとチョコの二段重ねだ。
 これが常識の範囲内だよな……。
 バニラを一舐めする。
 おッ! 何だこれッ! スゲー美味しいッ!
 スッキリと爽やかな甘さなんだけど、すごく濃厚で、シャーベット状になっているのが、これまた良いッ!
 今度はチョコを一舐めする。
 おおッ! これもまたッ! すごく美味いッ!
 チョコの甘さの中にしっかりと苦みもあって、それが良いアクセントになり、カカオの風味を存分に感じられる!
 あまりの美味しさに、食が一気に進む。
 ヤベーッ! これ全然止まんないんだけど! 何かイケナイ物でも入っているんじゃないか?
 あっという間に、アイスクリームを平らげてしまった。
 いや~~本気マジで美味しかった~~暴君絹江にカツアゲされたことが、吹っ飛んじゃったよ……。
 でも、食べ終わったら、また戻って来たなぁ……。
 不意に、聞き覚えのある声が聞こえた。
「何だ? 上手そうなもの食ってんな!」
 声の方にはパンクロックのTシャツに、ダメージジーンズという出で立ちの、ツバメ姉さんが立っていた。
「あれ⁉ ツバメ姉さん!」
「あッ! お疲れ様です」
「ヨウ、お疲れチャン!」
「今日はどうしたんですか? こんな所で?」
「ああ……ちょっとな……まあ、気にすんなよ!」
 そう言って、ツバメ姉さんは頭をかいた。
 ツバメ姉さんにしては珍しく、いまいち煮え切らない態度だ。
「ツバメさんも、アイスクリーム食べますか?」
 絹江さんが紙コップを、ツバメ姉さんに差し出した。
「おッ! ちょっともらおうかな」
 ツバメ姉さんが、一口すくって食べる。
「おおッ! 何だこりゃ! スゲーうめぇじゃねぇかッ!」
 ツバメ姉さんが頬を緩ませた。
 不意に、また聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あれ⁉ ツバメちゃん?」
 そこには響子さんが立っていた。

 初顔合わせの絹江さんと、響子さんが軽く自己紹介がてら挨拶を交わすと、一同ベンチに腰を掛け、響子さん、自分、絹江さん、ツバメ姉さんの順に座っている。
 響子さんが、ツバメ姉さんに声をかける。
「それにしても、ツバメちゃんがいるとはね……どうしてかしら?」
「フン……別にいいだろう! まあ、強いて言えば……勘が働いたってところだな!」
「〝勘〟ねぇ……でも、まるで監視でもしているみたい……」
「それは響子オマエの考えすぎだろ?」
「……そうかしら?」
「まあ、何せよ。タイミングってあるよな? 時期早々だと、上手くいかないものだろ? 「慌てる乞食は貰いが少ない」って言うしな」
「唐突に何かしら? ツバメちゃんにしては、奥歯にものが挟まったような言い草ね!」
 意味ありげな二人のやり取りに、思わず絹江さんと顔を見合わせた。
 絹江さんと小声で話す。
(何これ? どうなっているの?)
(いや……自分にもサッパリ……?)
(何か雰囲気が……どうしようか?)
(う~~ん、話を変えてみるとか?)
(……それなら、ちょっとまかせて!)
 唐突に絹江さんが、響子さんへ紙コップを突き出した。
「あ……あの! アイスクリーム食べませんか?」
 ……いくら何でも話の腰を折りすぎでは? 絹江さん……。
 だが、以外にも響子さんは乗ってきた。
「あら、ありがとう! じゃあ、ちょっといただくわ」
 響子さんは一口すくって口に運ぶと、感嘆の声を上げて頬を緩めた。
「美味しいわね~~! これってもしかして、直ぐそこに最近できたアイスクリーム屋さんの物?」
「ハイ、そうです!」
「評判は聞いていたけど、噂に違わぬ味ね! でも――」
 響子さんが少々あきれたように、小さめのバケツサイズの紙コップ指差した。
「流石にちょっと、量が多いんじゃないかしら?」
 絹江さんは笑ってごまかした。
「はは……成長期なんですよ……ね?」
 何故か同意を求めてくる絹江さん。
 否定はしないけど、単に食べたいだけでは?
 絹江さんはスレンダーな体型だが、結構な大食漢だ。
 ただ、まあ、成長期というなら、もう少し胸の方が……。
「そうですね。まだまだ成長した方が良い部分がグェッ!」
 絹江さんの肘鉄が、腹にめり込んだ。
「どこの成長が? 何?」
「……いえ……決して……胸が小さいなゲフッ!」
 絹江さんの裏拳が炸裂した。
 痛みに耐えながら、どうにか絞り出す。
「……話を……振ってきたの……そっちなのに……」
 それを見ていたツバメ姉さんが笑う。
「ハハ……お前ら仲良いな!」
 ここで唐突に、響子さんが思いがけない一撃を放った。
「狛彦君はオッパイが好きなの?」
「ぶぅッ!……何を……言っているんですか……?」
 あまりにもストレートな質問に、聞き返すのがやっとであった。
 だが、さらに強烈な攻撃が続く。
「だって今のもそうだし、それに狛彦君、シュウちゃんのオッパイを、もみもみしたんでしょ? もみもみ! 本人から聞いたわよ!」
 響子さんはそう言って、両手を前に出し揉む仕草をした。
 それやめて下さい!
 確かに以前、赤目の攻撃から避けた際に、偶然シュウさんに重なり合って、胸に手かいったことがあった。
 それは認める……それは認めるけど!
「違います! それは誤解です! あれは事故だったんです! 決してやましい心があって、やったわけではありません!」
 絹江さんが半眼な目つきで、横からチャチャを入れてきた。
「どーだか?」
 響子さんが肩に手を置き、語りかけてきた。
「うんうん、分かるよ。狛彦君みたいな年頃の男の子だと、やっぱりそういうことに興味あるよね。でもね……超えてはいけない線があると思うの。もう子供とは言えないんだし、たとえ周りが許しても、法律の方が……ね!」
 響子さんの言葉は、小さい子供を諭すような優しい口調だが、その中身は犯罪者扱いだ。
 横にいた絹江さんが、大げさな仕草で口に手を当てて、こちらを指差している。
 やめて! 本当にやめて! この話題に悪乗りするのは!
「違います! 本当に違いますから! 信じて下さい!」
「じゃあ、オッパイは嫌いなの?」
「そ……そういう……問題では……」
「あら、こんな簡単なことが言えないのかな? 本当にやましい心がなければ、簡単に言えると思うけどな?」
 そういう風に言われちゃうと……。
「~~~~~~~~~~」
「ちょっと声が小さいわね! もう少し大きな声で答えて!」
 響子さんは綺麗な顔を、間近まで近づけてきた。
 これ、何かのプレイなの?
「……オッパイ好きです」
 どうにか絞り出した言葉に、響子さんが反応する。
「偉い偉い! 正直でお姉さん嬉しいわ!」
 響子さんがやさしく頭を撫でてきた。
「……ううぅ……」
 めちゃくちゃ恥ずかしんですけど……
「それじゃあ、狛彦君が道を踏み外さないように、お姉さんも一肌脱いであげなきゃね!」
 響子さんがおもむろに両手を掴んできて、当然のように自分の胸に押し付けた。
「ハイ、どうぞ♡」
 両手に柔らかい感触が伝わってきた。
「へッ……⁉」
 兎に角ひたすら柔らかい。
 シュウさんのとはまた違う感触で、向こうはもう少し張りが強い感じであったが、こちらは揉めば揉むほどに、その柔らかさが強調される感じであった。
 両者とも甲乙つけがたく、触っていて非常に気持ちが良い。
「なッ……何やってるんですかッ⁉」
 絹江さんが驚いて立ち上がった。
「狛彦(アンタ)もいつまでも揉んでんじゃないッ‼」
 そして拳骨が振り下ろされる。
「オゲェッ!」
 目玉が飛び出るかと思うほどの強い衝撃を食らい、激しい痛みに後頭部を押さえた。
「あらあら、暴力はいけないわよ」
 響子さんはいきり立つ絹江さんとの間に入り、痛む後頭部をやさしく擦ってくれた。
 響子さんは周りを諭すように言った。
「うふふ、別に驚くことではないわ。だって私たち姉弟きょうだい何だから、これぐらい当然よ。特にやましいことではないわ」
 …………………………んん⁇
 痛みのせいか、響子さんの言った内容を、上手く理解することが出来なかった。
 だが、激しく心を揺さぶられるのを感じる。
「………………今何と?」
「狛彦君が私のオッパイを揉んでも、何もやましいことはないわ」
「いえ、そこではなく! その理由が……」
 そこはそこで、もの凄く気になるけど……。
「それは狛彦君と、私が実の姉弟きょうだいだからよ!」
 ……キョウダイ?
 もう一度聞いたけど、よく理解できないな……。
 周りを見ると、絹江さんは口を大きく開け、目が点になっていて、ツバメ姉さんは呆れた顔をして、額を押さえていた。
 しょうがないので、いま一度尋ねてみた。
「……えッ……と……キョウダイですか?」
「そう! 姉弟きょうだい!」
 ……キョウダイって……あれだよな?
「それって京都にある、有名な大学のことですか?」
「それは京都大学ね。それ違うわ!」
「なら女性がお化粧する時などの使う、大きな鏡のついた机のこと?」
「それは鏡台よ。これも違う!」
「でしたら橋の両端にある、橋を支えている台のこと?」
「それは橋台……のことかしら? 確実に違うわね!」
 ……これら以外にキョウダイ……?
「もう、しょうがないわね! いい? 今から言うことを、よく聞いてちょうだい!」
 響子さんが両手で頬をつかまえてきて、顔をそっと近づけてきた。
「私の父親と、狛彦君の母親は元夫婦なの! とある事情により離婚したのだけど、その直後に生まれたのが狛彦君なのよ! その関係で離ればなれに暮らしてきたけど、ちゃんと確認は済んでいて、狛彦君と、私は血を分けた実の姉弟なの‼」
 頭がグルングルンと、回っているのを感じる。
 予想外の展開に、思考が全然追いついていかない。
「……そ……そう……なんですね……」
 今はそう言うことが、精一杯であった。
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