【虐げヒロインはドSエリートに翻弄される】〜囚える鎖を放すか否か(仮)

光月海愛(こうつきみあ)

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契約

口と首

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 マットが揺れて、彼がベッドに乗ったのが分かった。 顎を再び掴まれ、「開けて」と指示される。
 また指を差し込まれるのかと思いきや、口を開けた途端、もっと圧の大きなものが入ってきた。
 指じゃない、そして鼻先に毛先のようなものを感じた。

 ――彼が入ってる。

 拒みたいのに、反して、こんな状況でアドレナリンが出てくるのがわかった。……嫌なのに、興奮してる?

「さっきみたいにやって」

 そう言われても、色々違い過ぎる。

 それでも、藍野さんの息遣いを耳で受け取った私は、自身の心拍数を上げながら、舌と唇で彼のモノを舐めたり吸ったりしてみた。
 彼の吐息に甘さが増した時、それは口から引き抜かれ、生温かい液体が私の裸体にかけられた。
 しかし、直ぐに温度を失い、冷たくなって腹部から腰へと流れていく。

「本当は、口の中で出したかったけど」

 ティッシュらしきもので拭き終えた藍野さんが、私の胸に手を添えた。膨らみをなぞるように触れている。
 アイマスクはしたままだから、彼がどんな表情をしているのか分からない。

「初めてだから、やめたんですか?」
「そう。まだ嫌がるだろうから」

 ″まだ″……。
 そのうち、調教されて自ら欲するようになるんだろうか?

「Sの人って、相手が嫌がるのが良いんじゃないんですか?」
「そうだね。でも、それで二回目が無くなったらもともこうもないじゃない」
 
 藍野さんは私とワン・ナイトのつもりはないらしい。付き合うって、こういう事なのか。

「今度は明日美をイかせる番だね」

 急に、私の胸を弄る手に力が込められた。

「俺が許可するまで、何があっても声出すの禁止」
「え……」
「″え″じゃない。″はい″」

 言葉は威圧的だけれど、声の調子は緩い。
 何があってもって、何をされるの? 
 不安と期待を織り交ぜながら、言われるがまま、「はい……」と頷いた。

 もっと乱暴に扱われるかと思ったのに、彼の手はまるでマッサージでもするかのように丁寧に私の胸を均等に回しほぐしていく。

 乳首の周りを舐められた。
 舌で押したり弾いたりしながら、彼はそこだけを刺激してくる。
 段々と、こそばゆさより気持ち良さが上回ってきた。

「胸の大きさに合わせて、乳輪、もっと大きくていいのに」

 不意に言われ、自分の乳輪は普通なのか問いたくなかったが、声を出してはいけないので飲み込んだ。
 
 舐め尽くされたあと、彼の舌先が乳首に移る。
 付け根から乳頭までゆっくりと絡め取られ、敏感になっていたのか、それだけで子宮が疼いて吐息が漏れた。
 それに藍野さんが気がついたか分からない。

「……っ……」

 吸い付かれた途端に声が出た。
 まるで乳房内を真空状態にされたかのように強く吸われ乳首が突起していくのと同時に、先端が彼の鋭い歯先に触れると、今までとは違う快楽が襲ってきた。

 暗闇に白い閃光が落ち、足をつる。

 ダメだと言われていたのに、「……あ……」と声が逃げていった。咄嗟に手で口を押さえたが遅かった。
 叱られると思ったのに、アイマスクを剥いだ藍野さんは微かに笑っていた。

「まさか、初めてで乳首イキするとは思わなかった」

 敏感なんだな、と言われ恥ずかしくなる。

「じゃあクリイキや中イキの経験もある?」

 私は首を横に振った。
 そもそも、まともにセックス自体したことがない。穢れてはいるけれど。

「やりがいあるな」

 満足気な顔をした藍野さんが私にアイマスクを嵌めると、再び真っ暗な世界に閉じ込められた。
 電球の残像が、まるで星のように瞬いた。




























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