君の行く末

常森 楽

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いつもは、私が怖がらないように、なにか話してくれるけど、今日はずっと無言だった。
それでも怖いと感じないのは、いっちゃんの匂いに包まれてるからだろうか?

窮屈そうに手が激しく動き、いつもより強めに刺激される。

「ん、ん……っ」

壁を背もたれにしながら、思わず膝を曲げた。
壁がなかったら、ストンと床に尻餅をついていたかもしれない。
いっちゃんは左手を私の背中に回して、抱きしめた。
私はそれにすがるように、腰に回していた手を上げて、彼女の肩を掴もうとする。
でも手が届かなくて、いっちゃんの服を引っ張るような形になってしまった。

いっちゃんの右手が上下に激しく動く。
膝がガクガクと震えて、私は歯を食いしばった。
目をギュッと瞑ると、余計に感覚が研ぎ澄まされる。

「んっ、んっ、んっ」
喘ぐのを抑えきれなくなる。

お尻がキュッとしまるのと同時に、私はイッた。

それなのに、いっちゃんの手は止まらない。

ついに私は床に座り込んで、開脚させられる。
いっちゃんがかなり強引にスキニーを脱がせる。
布が肌に擦れて痛い。
でも不思議と、それすらも快楽へのひとつの道のりに思えた。

「実結」

いつもよりも低い声に、また下腹部がしまる。

「ん?」
息切れしながら、なんとか答えようとする。

「好きだよ」

細めた瞳が、こちらを見下ろす。

「うん、私も……いっちゃん、大好き」

ゆっくりと笑顔になるいっちゃん。
長い前髪が、彼女の顔に陰を落とす。
それが寂しげにも見えるけれど、私には、必死に何かに耐えようとしているようにも見えた。

いっちゃんは私の首筋に唇を近づけて、強く吸った。
その間にも、ずっとショーツの中に入れられた右手は動き続けていた。

今度は、ただ強くするだけじゃなく、優しく撫でたり 強く撫でたりを交互に繰り返す。
優しいときにはもどかしくて、強いときには一気に果てそうになる。
でも、なかなかイかせてはくれない。

チュパッと、耳元で音がした。
顔を離した彼女は厭らしく笑って、下唇を舐めた。

「私だけの、実結」
「うん」

消えるような声で、精一杯返事をする。

その瞬間、スルリと何かが私の中に入ってきた。
ビクッと体を強張らせて、足に力が入る。

「痛い?」

首を横に振る。

恐る恐る下を見てみると、いっちゃんの指が挿れられているのが、ショーツ越しにわかった。

前は痛かったのに、どうしてだろう?

ゆっくりと抜き差しするたびに、クチュクチュと音が鳴る。
汗かと思っていたけど、お尻のほうまで垂れていた何かは、溢れる蜜だったんだと気づく。

滑りをよくするためのローションをつけたりすると痛くない、と 前に調べたときに載っていたのを思い出した。
濡れていれば、痛みは軽減される……と。

いっちゃんの指は、まるでお腹をノックするみたいに、動いている。
膀胱が刺激される。

「いっちゃ……ン」

きゅうきゅうと子宮がしまるのがわかる。

「なに?」
少し突き放すような言い方をするいっちゃん。

「お……おしっこ……出ちゃいそう……」

顔から火が出るという表現がかなりしっくりくる。
小学校低学年の時でも「トイレ行きたい」と言うだけで恥ずかしさがあったのを思い出す。
大人になって、こんなことを言うとは思いもしなかった。

いっちゃんは、今日一番の笑顔になった。

そして、激しく指を動かし始める。

「待っ……」

いっちゃんの肩に届いた手は、ぎゅうっと力が入って 食い込んでいた。

彼女の左手が、思い出したかのように胸を揉み始めた。
揉みながら、ツンと主張する粒を指に挟まれる。
そのたびに体の感度は増していく。

「いっちゃん……」

今まで感じたことのない感覚に、怖くなって目をギュッと瞑った。
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