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2.変化
66.王子様
優里が自販機で水を買ってくれた。
公園のベンチに2人で座る。
「永那となんかあった?」
優里が心配そうに見つめてくれる。
「べつに…なにも」
「なにもって…そんなわけないでしょ?」
優里があたしの手を握ってくれる。
涙が溢れ出てくる。
「あぁ…」
優里があたしの頭を抱いてくれる。
あたしは彼女の背に腕を回して、大声で泣いた。
「本当に、なにもないの」
彼女の制服を汚してしまっていることも気づかずに、あたしは泣きながら言う。
「なにも、ない…!」
「わかった、わかったよ」
「なにもないのが、悲しい」
優里があたしの体を起こす。
「どういうこと?」
「あたしがどんなに永那を好きでも、永那はあたしを好きになってくれない」
「え?永那は千陽のこと大事にしてるじゃん!」
ギリリと奥歯が鳴る。
「大事にしてくれてる。…でも、あたしのことが好きだから大事にしてくれてるわけじゃない」
優里が困った顔をする。
「永那、空井さんが好きなんだと思う。…友達としてじゃないよ?…恋愛として」
震える手を握りしめる。
「えぇ!?そうなの!?」
「…わからない。聞いたわけじゃないから。でも、なんとなく」
優里はもっと困ったようで、眉間にシワを寄せてしまっている。
「えーっと…でも、ほら、永那の一方通行の可能性のほうが高くない?空井さんって、恋愛とかするイメージないし!」
必死に励まそうとしてくれるけど、例え一方通行だったとしてもあたしが悲しいことに変わりないんだけどなあ…と、ちょっと笑えてくる。
それに、あの雰囲気は…。
深呼吸する。
「千陽がもっと永那にアタックして…永那、こんな可愛い千陽が永那のこと大好きなんだぞ~!って、やって…さ…」
あたしが笑うと、優里がへへへと笑う。
「ご、ごめん…なんか、違うよね」
「うん。でも、ありがとう」
少しの沈黙がおりる。
「私、2人がなにも言わないから聞けなかったけど、てっきり付き合ってるのかと思ってたよ」
「あたしと、永那が?」
「そう。お似合いだし」
胸がギュッと締め付けられる。
「そうなれたら、よかったなあ」
つい本音が溢れる。
「永那は、なんであたしに手を出さないんだろう?」
「えっ?」
優里の純粋な反応が面白い。
「ここだけの話、永那ってめっちゃチャラいからね」
「うぇっ!?そうなの!?…モテるのは知ってたけど」
もう、こうなったら仕返しだ。
“秘密”とは言われていないし、言っちゃうもんね。
心の中で舌を出す。
「下手したら、優里も手出されてたかもね?」
そうおちょくると、優里がパタパタと顔の前で手を振った。
「いやいやいやいや、ないないない」
その姿があまりに可笑しくて、声を出して笑った。
「うー…なんか、永那がチャラいって、うーん、なんか」
「想像できない?」
「いや、できなくはないけど…私、そういうの全然わからないから…今まで誰とも付き合ったこともないし」
優里が恥ずかしそうに俯く。
「千陽は、経験豊富なんでしょ?」
純粋な瞳でまっすぐ見られると、自分の存在が恥ずかしく感じる。
「そう見える?」
「え?…うん」
あたしは含み笑う。
「えぇ?」
優里が首を傾げる。
横目で優里を見て、彼女に耳打ちする。
「あたし、今まで誰とも付き合ったこともないし、誰ともキスしたことないし、その先も…ないよ」
優里は目を見開いて、口を大きく開けて、あたしを見た。
「うっそー」
「ほんと」
「えー!でも前に彼氏いたことあるって…」
「うん、まあ。実際にはいたんだけどね」
「え!?どっち!?」
あたしが笑うと、優里がポカポカ肩を叩いてくる。
「でも、付き合ったうちにいれたくないの」
「どゆこと?」
「うーん、あたしストーカーされたことがあって」
「え!?待って…ちょっと追いつかない」
フフッと笑って、あたしはかまわず続ける。
「1人で帰るのが怖くて、適当に見繕った相手だったんだよね。結局、あたしの体目当ての相手ばっかり…顔で好きになられて、中身なんか見てもらえてない…そんな相手ばっかりだった。あたしも相手を好きじゃなかったし、相手もあたしを好きじゃなかったなら、付き合ったうちに入らなくない?恋人らしいこと…キスとかもしてないしね」
「な、なるほどー…難しい」
いじめられていたことは、言えない。
まだ、言えるほど傷が癒えていない。
公園のベンチに2人で座る。
「永那となんかあった?」
優里が心配そうに見つめてくれる。
「べつに…なにも」
「なにもって…そんなわけないでしょ?」
優里があたしの手を握ってくれる。
涙が溢れ出てくる。
「あぁ…」
優里があたしの頭を抱いてくれる。
あたしは彼女の背に腕を回して、大声で泣いた。
「本当に、なにもないの」
彼女の制服を汚してしまっていることも気づかずに、あたしは泣きながら言う。
「なにも、ない…!」
「わかった、わかったよ」
「なにもないのが、悲しい」
優里があたしの体を起こす。
「どういうこと?」
「あたしがどんなに永那を好きでも、永那はあたしを好きになってくれない」
「え?永那は千陽のこと大事にしてるじゃん!」
ギリリと奥歯が鳴る。
「大事にしてくれてる。…でも、あたしのことが好きだから大事にしてくれてるわけじゃない」
優里が困った顔をする。
「永那、空井さんが好きなんだと思う。…友達としてじゃないよ?…恋愛として」
震える手を握りしめる。
「えぇ!?そうなの!?」
「…わからない。聞いたわけじゃないから。でも、なんとなく」
優里はもっと困ったようで、眉間にシワを寄せてしまっている。
「えーっと…でも、ほら、永那の一方通行の可能性のほうが高くない?空井さんって、恋愛とかするイメージないし!」
必死に励まそうとしてくれるけど、例え一方通行だったとしてもあたしが悲しいことに変わりないんだけどなあ…と、ちょっと笑えてくる。
それに、あの雰囲気は…。
深呼吸する。
「千陽がもっと永那にアタックして…永那、こんな可愛い千陽が永那のこと大好きなんだぞ~!って、やって…さ…」
あたしが笑うと、優里がへへへと笑う。
「ご、ごめん…なんか、違うよね」
「うん。でも、ありがとう」
少しの沈黙がおりる。
「私、2人がなにも言わないから聞けなかったけど、てっきり付き合ってるのかと思ってたよ」
「あたしと、永那が?」
「そう。お似合いだし」
胸がギュッと締め付けられる。
「そうなれたら、よかったなあ」
つい本音が溢れる。
「永那は、なんであたしに手を出さないんだろう?」
「えっ?」
優里の純粋な反応が面白い。
「ここだけの話、永那ってめっちゃチャラいからね」
「うぇっ!?そうなの!?…モテるのは知ってたけど」
もう、こうなったら仕返しだ。
“秘密”とは言われていないし、言っちゃうもんね。
心の中で舌を出す。
「下手したら、優里も手出されてたかもね?」
そうおちょくると、優里がパタパタと顔の前で手を振った。
「いやいやいやいや、ないないない」
その姿があまりに可笑しくて、声を出して笑った。
「うー…なんか、永那がチャラいって、うーん、なんか」
「想像できない?」
「いや、できなくはないけど…私、そういうの全然わからないから…今まで誰とも付き合ったこともないし」
優里が恥ずかしそうに俯く。
「千陽は、経験豊富なんでしょ?」
純粋な瞳でまっすぐ見られると、自分の存在が恥ずかしく感じる。
「そう見える?」
「え?…うん」
あたしは含み笑う。
「えぇ?」
優里が首を傾げる。
横目で優里を見て、彼女に耳打ちする。
「あたし、今まで誰とも付き合ったこともないし、誰ともキスしたことないし、その先も…ないよ」
優里は目を見開いて、口を大きく開けて、あたしを見た。
「うっそー」
「ほんと」
「えー!でも前に彼氏いたことあるって…」
「うん、まあ。実際にはいたんだけどね」
「え!?どっち!?」
あたしが笑うと、優里がポカポカ肩を叩いてくる。
「でも、付き合ったうちにいれたくないの」
「どゆこと?」
「うーん、あたしストーカーされたことがあって」
「え!?待って…ちょっと追いつかない」
フフッと笑って、あたしはかまわず続ける。
「1人で帰るのが怖くて、適当に見繕った相手だったんだよね。結局、あたしの体目当ての相手ばっかり…顔で好きになられて、中身なんか見てもらえてない…そんな相手ばっかりだった。あたしも相手を好きじゃなかったし、相手もあたしを好きじゃなかったなら、付き合ったうちに入らなくない?恋人らしいこと…キスとかもしてないしね」
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いじめられていたことは、言えない。
まだ、言えるほど傷が癒えていない。
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