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3.成長
138.噂
お母さんと誉の視線が一瞬私達の手元にいくのがわかって、私は慌てて手を離した。
「ねえ、姉ちゃんと永那って付き合ってんの?」
ご飯を食べながら誉が言った。
私は食べていたご飯を吹き出しそうになって、口元を手で押さえる。
お母さんが誉の肩を小突いた。
「こら、そういうこと、ハッキリ聞かないの!」
「え、なんで?だめなの?」
私と永那ちゃんは顔を見合わせる。
「だってさ、明らかに千陽と優里とは違くない?めっちゃ2人仲良しじゃん」
…いつの間に誉は佐藤さんを千陽と呼び、優里ちゃんを優里と呼び始めたの?
「誉は、私と穂が付き合ってたらどう思う?」
永那ちゃんが頬杖をつきながら聞く。
2人きりだったら、“食事中に頬杖つかない”って叱ってただろうなあ。
「え?べつに?なんも思わないけど」
「そっか。…じゃあ、付き合ってる」
私の顔が一気に熱をおびる。
「やっぱそうだよね?おかしいなあって思ってたんだよ。やっと納得できたわ」
「た、誉…絶対友達に言いふらさないでよ?」
「なんで?」
「“なんで?”じゃない!誉の友達、絶対“ヒューヒュー”とか言ってくるでしょ?…本当にあれ、嫌だから」
「あー」
誉は想像してみたようで、すぐに「わかったよ」と頷いた。
食事を終えて、お茶を持って2人で部屋に入る。
永那ちゃんと一緒にベッドに寝転ぶ。
横向きになって、2人で見つめ合った。
フフッと笑い合ってから、触れるだけの口付けを交わす。
「朝、3人で何話してたの?」
「まず、私が穂を泣かせちゃったって話をして、謝りたいから待たせてほしいってお願いした」
「内容まで言ったの?」
「言えないよ…そんな、自分のバカさを晒すようなこと?…だし、誉には付き合ってること言ってなかったでしょ?言えないよ」
「じゃあ…なんて言ったの?」
「普通に、さっき言ったまま。昨日私が穂を泣かせちゃったって」
「そっか」
「うん。それで、その後は誉の熱がうつったこと?謝られたりお礼を言われたり」
「うん」
私は苦笑する。
「あとは誉が海楽しみって話をしてて、5人で行くって言ったら、お母さんにまたお礼を言われた。…誉、そんな悪がきとかじゃないし、むしろ素直でめっちゃ良い子だから、お礼言われること、なんもないのにね。…それも、言ったかな」
…そうやって、全国のお母さんが喜びそうなことを平気で言うんだから。
本当、天然のヒトタラシは困るよ。
「誉、ノリもめっちゃいいし、一緒にいて楽しいよ」
「ありがとう」
「え?なんでありがとう?」
「家族を褒められたら、嬉しいものですよ」
永那ちゃんの目が大きくなる。
「…そっか」
永那ちゃんが抱きしめてくれる。
「永那ちゃん?」
「ん?」
「曖昧になっちゃったけど…私も、記念日忘れててごめんね」
彼女がフッと笑う。
「いいよ。結局、穂を悩ませていたのは自分だったわけだし。それで忘れちゃったって言われたら、自業自得じゃん」
「…でも、それでも、永那ちゃんを悲しませた」
「大丈夫だよ」
「永那ちゃんの“大丈夫”は、私に言ってくれるときはかっこいいけど、永那ちゃん自身のことを言うときは嫌い」
「き、嫌い!?」
「大丈夫じゃない。全然、大丈夫じゃないもん」
そう言って、私は彼女の腕のなかで、彼女の胸をさすった。
永那ちゃんの喉が上下する。
「そっか…」
抱きしめられる力が強まる。
どんどん強くなって、潰されているみたいになる。
…ちょっと苦しい。
「好き、大好き、穂、本当に好き。世界で1番好き」
「苦し、い」
「ごめん」
パッと解放され、私は深呼吸する。
「永那ちゃん、おやすみ?」
「でも」
「どうせ昨日も寝てないんでしょ?お願いだから、寝て?」
「…明日も、来ていい?」
「もちろん」
「そっか…。じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
目を閉じると、彼女は数秒で寝息を立て始める。
私も安心して、数分後に夢の中に誘われた。
アラームの音で目が覚める。
…永那ちゃんを起こさなきゃ。と、なんとか重たい体を起こす。
仰向けで寝ている彼女の唇に唇を重ねる。
まだ眠くて、瞼が何度か落ちかける。
でも“起こさなきゃ”という気持ちだけで、なんとか起きている。
彼女が胸元をボリボリ掻く。
私はその手元をジッと見て、なんとなく、本当になんとなく、彼女の胸に手を置いた。
手におさまる柔らかい感覚が心地よくて、むにゅむにゅ揉む。
“起こさなきゃ”という気持ちが蘇って、また彼女にキスする。
そしたら、彼女の目が薄く開いて、口が弧を描いた。
「おはよ、穂」
キスしながら話されて、それがすごくかっこよくて、私も笑った。
カチッと歯が当たる。
「あ」
フフッと彼女が笑う。
永那ちゃんが起き上がるから、自然と私は彼女の膝に座ることになる。
「そんなにさわられたら、エッチしたくなっちゃうよ?」
耳元で囁かれて、一気に目が冴えていく。
…あれ!?私、何してるの!?
彼女が楽しそうに笑う。
「可愛い穂」
ポンポンと頭を撫でられた。
永那ちゃんは伸びをしながら大きく口を開けて、あくびをした。
「…無事仲直りもできたし、今日は帰るかー」
玄関で彼女を見送る。
そこで気づく。
またお土産わたすの忘れた…。
「ねえ、姉ちゃんと永那って付き合ってんの?」
ご飯を食べながら誉が言った。
私は食べていたご飯を吹き出しそうになって、口元を手で押さえる。
お母さんが誉の肩を小突いた。
「こら、そういうこと、ハッキリ聞かないの!」
「え、なんで?だめなの?」
私と永那ちゃんは顔を見合わせる。
「だってさ、明らかに千陽と優里とは違くない?めっちゃ2人仲良しじゃん」
…いつの間に誉は佐藤さんを千陽と呼び、優里ちゃんを優里と呼び始めたの?
「誉は、私と穂が付き合ってたらどう思う?」
永那ちゃんが頬杖をつきながら聞く。
2人きりだったら、“食事中に頬杖つかない”って叱ってただろうなあ。
「え?べつに?なんも思わないけど」
「そっか。…じゃあ、付き合ってる」
私の顔が一気に熱をおびる。
「やっぱそうだよね?おかしいなあって思ってたんだよ。やっと納得できたわ」
「た、誉…絶対友達に言いふらさないでよ?」
「なんで?」
「“なんで?”じゃない!誉の友達、絶対“ヒューヒュー”とか言ってくるでしょ?…本当にあれ、嫌だから」
「あー」
誉は想像してみたようで、すぐに「わかったよ」と頷いた。
食事を終えて、お茶を持って2人で部屋に入る。
永那ちゃんと一緒にベッドに寝転ぶ。
横向きになって、2人で見つめ合った。
フフッと笑い合ってから、触れるだけの口付けを交わす。
「朝、3人で何話してたの?」
「まず、私が穂を泣かせちゃったって話をして、謝りたいから待たせてほしいってお願いした」
「内容まで言ったの?」
「言えないよ…そんな、自分のバカさを晒すようなこと?…だし、誉には付き合ってること言ってなかったでしょ?言えないよ」
「じゃあ…なんて言ったの?」
「普通に、さっき言ったまま。昨日私が穂を泣かせちゃったって」
「そっか」
「うん。それで、その後は誉の熱がうつったこと?謝られたりお礼を言われたり」
「うん」
私は苦笑する。
「あとは誉が海楽しみって話をしてて、5人で行くって言ったら、お母さんにまたお礼を言われた。…誉、そんな悪がきとかじゃないし、むしろ素直でめっちゃ良い子だから、お礼言われること、なんもないのにね。…それも、言ったかな」
…そうやって、全国のお母さんが喜びそうなことを平気で言うんだから。
本当、天然のヒトタラシは困るよ。
「誉、ノリもめっちゃいいし、一緒にいて楽しいよ」
「ありがとう」
「え?なんでありがとう?」
「家族を褒められたら、嬉しいものですよ」
永那ちゃんの目が大きくなる。
「…そっか」
永那ちゃんが抱きしめてくれる。
「永那ちゃん?」
「ん?」
「曖昧になっちゃったけど…私も、記念日忘れててごめんね」
彼女がフッと笑う。
「いいよ。結局、穂を悩ませていたのは自分だったわけだし。それで忘れちゃったって言われたら、自業自得じゃん」
「…でも、それでも、永那ちゃんを悲しませた」
「大丈夫だよ」
「永那ちゃんの“大丈夫”は、私に言ってくれるときはかっこいいけど、永那ちゃん自身のことを言うときは嫌い」
「き、嫌い!?」
「大丈夫じゃない。全然、大丈夫じゃないもん」
そう言って、私は彼女の腕のなかで、彼女の胸をさすった。
永那ちゃんの喉が上下する。
「そっか…」
抱きしめられる力が強まる。
どんどん強くなって、潰されているみたいになる。
…ちょっと苦しい。
「好き、大好き、穂、本当に好き。世界で1番好き」
「苦し、い」
「ごめん」
パッと解放され、私は深呼吸する。
「永那ちゃん、おやすみ?」
「でも」
「どうせ昨日も寝てないんでしょ?お願いだから、寝て?」
「…明日も、来ていい?」
「もちろん」
「そっか…。じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
目を閉じると、彼女は数秒で寝息を立て始める。
私も安心して、数分後に夢の中に誘われた。
アラームの音で目が覚める。
…永那ちゃんを起こさなきゃ。と、なんとか重たい体を起こす。
仰向けで寝ている彼女の唇に唇を重ねる。
まだ眠くて、瞼が何度か落ちかける。
でも“起こさなきゃ”という気持ちだけで、なんとか起きている。
彼女が胸元をボリボリ掻く。
私はその手元をジッと見て、なんとなく、本当になんとなく、彼女の胸に手を置いた。
手におさまる柔らかい感覚が心地よくて、むにゅむにゅ揉む。
“起こさなきゃ”という気持ちが蘇って、また彼女にキスする。
そしたら、彼女の目が薄く開いて、口が弧を描いた。
「おはよ、穂」
キスしながら話されて、それがすごくかっこよくて、私も笑った。
カチッと歯が当たる。
「あ」
フフッと彼女が笑う。
永那ちゃんが起き上がるから、自然と私は彼女の膝に座ることになる。
「そんなにさわられたら、エッチしたくなっちゃうよ?」
耳元で囁かれて、一気に目が冴えていく。
…あれ!?私、何してるの!?
彼女が楽しそうに笑う。
「可愛い穂」
ポンポンと頭を撫でられた。
永那ちゃんは伸びをしながら大きく口を開けて、あくびをした。
「…無事仲直りもできたし、今日は帰るかー」
玄関で彼女を見送る。
そこで気づく。
またお土産わたすの忘れた…。
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