いたずらはため息と共に

常森 楽

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5.時間

311.酸いも甘いも

「めっちゃ濡れてるね」
彼女が優しく笑う。
「好き」
気づけば、口を開いていた。
フフッと笑われる。
「千陽はすぐ“好き”って言うんだから。…穂にもメッセージ送りすぎ」
「見たの?」
永那を睨む。
「前、お前がスマホ見せてくれたときにね」
「永那が勝手に見たんでしょ」
「千陽が見せてくれたんでしょ」
そう言って、彼女の指がショーツの奥に入ってくる。
「ぁっ…」
ギュッと手を握りしめる。
「すげー濡れてる。そんな良かった?」
彼女の指が割れ目を上下に往復する。
「声出すなよ?…穂の気持ちが整ったら、ちゃんとさわってやるから」
あたしは下唇を噛む。

永那の手が恥部から離れた。
ショーツのウエスト部分から手を入れて、もう一度触れられる。
穂にも、誰にも、触れられたことのない場所。
初恋の人に、初めて、さわられる喜び。
「あ…」
声を出しそうになって、両手で口を押さえた。
永那が笑う。
すぐに快楽に襲われて、手が震えた。
「んっ…」
目をギュッと瞑った。
足が床から浮いて、指が全部開く。
必死に声を出さないようにしながら、ビクッと体が震えた。

永那が階段を見る。
「もう一回な」
永那を見つめると、見つめ返してくれた。
またすぐに快楽がやって来る。
「ハァッ…ぁっ」
体が揺れて、力が抜ける。
「気持ちいい?」
「…気持ちいい」
「ん、良かった。怖くない?」
あたしが頷くと、頷き返してくれる。

「あ…ッ」
彼女の指がなかに入ってくる。
「痛い?」
首を横に振る。
「少しだけだよ?…たぶん、そろそろ戻ってくるから」
…全然、違う。
玩具と、全然、違う。
「ん…ッ」
永那の手がゆっくり動くのに、めちゃくちゃ気持ちいい。
「ぁっ…」
永那の腕にしがみつく。
「千陽、それじゃ動かしにくいよ」
慌てて離して、ソファに手をつく。

ドライヤーが止まる音がする。
永那を見ると、永那は階段を見ていた。
…お願い。やめないで。
「イかせられないな。ごめん」
左手で頭を撫でられた。
永那があたしのなかから出ていく。
「…いや」
「え?」
「やめないで」
永那の腕を掴む。
「ごめんね」
掴んだ手を離される。
永那の手が外に出た。
あたしの蜜がついた指を、彼女が舐める。
それだけでキュゥッと子宮が締まって、とめどなく蜜が溢れ出た。

穂が階段を下りてくる。
「どうだった?綺麗になった?」
「なんとか、ね…」
「穂、やっぱそのワンピース似合ってる。可愛い」
永那が立ち上がって、穂を抱きしめる。
胸が、苦しい。
…嫉妬?
さっき妬かなくなったと思ったのに、あたし、また…?
「千陽…?」
穂の声で、ハッと顔を上げた。
「千陽、どうしたの?」
隣に座った穂に頬を包まれた。
胸の苦しみを消すために、彼女の唇を口に含んだ。
穂が離れる。
「何かあった?」
「永那にいじめられた」
「「え!?」」
2人が言って、顔を見合わせた。
「え、永那ちゃん…何したの?」
「えー…っ」
永那が頬をポリポリ掻いて、目をそらす。

「親切のつもりだったんだって!」
穂に、永那にさわられたと話すと、穂は部屋の隅でしゃがみこんだ。
「なんで言うんだよ!」
永那があたしに怒鳴る。
怒鳴られても、べつに怖くないけど。
「秘密なんて最低のすることでしょ?」
永那の目の下がピクピクと痙攣する。
「お前なー…」
…もっとさわってほしかったんだもん。
「ハァ」と永那はため息をついて、穂のそばに座る。
「穂、ごめんて」
「私のいないところで…」
「うん、もうしないから」
「内緒にしようとした…」
「これからはちゃんと全部話すから」
「前にもその話したよ?なのに、永那ちゃん隠そうとしたんでしょ?」
「穂の気持ちが整ったら言うつもりだったよ」
「気持ちが整ったらってなに…?」
「ほら…3人でするって…」
「整わない!」
「えー…」
…それは、困る。

あたしは立ち上がって、穂の背中に抱きつく。
「穂、あたしがちゃんと言ったでしょ?…永那が隠しても、あたしは言うよ。穂に隠し事なんてしない」
穂が目に涙を溜めながらあたしを見る。
「うん」
永那が項垂れる。
「好き、大好き、穂」
「私も、千陽大好き」
穂は体をあたしに向けて、抱きしめてくれた。
「穂、あたし…シたい。だめ?…穂のエッチな声聞いて、シたくなったの」
穂の顔が見る見る赤くなっていく。
「2人で、ベッド行かない?」
「ちょ…私は?」
キッと睨むと、永那はまた項垂れた。
「もう寝る時間だし、さ?」
穂は少し考えて、頷いた。

あたしと穂が手を繋いで2階に行くと、永那が後ろからトボトボついてくる。
「ねー、2人ともごめんてー…仲間外れにしないでよー…」
歯磨きして、部屋に入った。
永那が部屋の前で立ち止まって項垂れてるから、あたしと穂は顔を見合わせて笑った。
「どうする?穂」
「仕方ないから…一緒に寝てあげる」
永那がバッと顔を上げて、目を輝かせた。
「でも穂、あたし、シたいんだけど…」
「じゃあ…永那ちゃん、しばらく待ってて?」
バタンと廊下に永那が倒れ込んだ。
「ねえ、永那?あたし、もう永那にさわられたんだし、穂にさわってもらってもいいよね?」
「は!?だめ!」
「なんで?永那はいいのに穂はだめなの?…穂は、さわってくれる?」
上目遣いに見ると、穂は頬をピンク色にしながらも頷いてくれた。
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