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8.閑話
32.永那 中2 春〜夏《相澤芽衣編》
チャイムが鳴ったから、永那を起こす。
「んぁ…ごめん…寝ちゃってた…」
「いいよ」
永那が目を擦る。
「寝てないの?」
「んー…寝れなくて…」
「そっか。明日は、千陽ちゃん連れてきなよ」
「いいの…?」
「歌は、歌わないけどね?」
永那は「もっと自信持てばいいのに」と笑みを浮かべた。
自信か…。
翌日、永那は佐藤千陽を多目的室に連れてきた。
永那は早々に、私の膝枕で寝てしまう。
「千陽ちゃん」
「…はい」
「永那、何かあったの?」
「知りません」
守ってもらってるんだから、それくらい聞こうとか思わないの?
「千陽ちゃん…永那にばっか頼らないでさ、少しは自分からもクラスメイトに歩み寄ろうとしてみたら?仲良くなる必要はないと思うけど、最低限普通に話すくらい、できるようにならないと…。余計なお世話かもしれないけどさ」
「ホント、余計なお世話ですね」
怒るな、私。
「そんなの…わかってます。先輩に言われなくたって、わかってます」
佐藤千陽が膝を抱いて、顔をうずめた。
「先輩こそ…付き合ってもないのに、永那とセックスしてるんですよね?」
「…は?」
血の気が引いていく。
「え、永那が、そう…言ったの…?」
「“先輩に好きって言われたから振ってきた”って言ってました。あなたのことですよね?」
…振ってきた?
風美のこと?
「私は、永那に“好き”なんて、一言も言ってないけど?だから、当然振られてもないし。なんの話?」
…振られたようなものではあるけど…でも、事実、私は永那に好きとは言っていない。
佐藤千陽は目だけ出して、睨むように私を見る。
「ハァ」と小さく息を吐いて「じゃあ、違う人なんだ…」と呟いた。
「でも…先輩、永那とシてますよね?今の反応、明らかにそう見えましたけど」
彼女が、笑っているような気がした。
それも、嘲笑うような…。
気がしただけかもしれない。
口元が隠れていて、笑っていたのかどうかもわからない。
でも、無性に苛立った。
「そう見えたなら、そうかもね」
「永那、いろんな人とセックスしてますよ。この前は、男とシたって言ってたし…。先輩、永那のことが好きなら、諦めたほうがいいですよ?」
男と…。
セックスできれば、永那は、それでいいってこと…?
小倉心音からお金を貰っていたのも、実は“ついで”みたいなもので、永那はセックスが目的だったってこと?
…いや、でも…小倉心音がお金を持ってこなかった日、物凄い怒声を浴びせていた。
セックスが楽しいって思うようになったのは、私とシてからだって言っていた…。
永那が全く理解できなくて、目を瞑る。
私、なんでこの子のことが好きなんだっけ?って、わからなくなる。
でも永那が起きて、いつもの子犬みたいな態度を取られると、私はまたすぐに“好き”って思っていた。
やっぱり…沼から抜けられない。
部屋でたくさん泣いた。
永那との2人の時間が奪われて、触れ合える時間が減って、寂しくてたまらない。
気づいたら『土曜日、家に来て』とメッセージを送っていた。
『どうして?』
『会いたいからって理由じゃ、だめ?』
『わかった』
ホッとする気持ちと、永那にとっての1番が自分じゃないかもしれないという不安がぐちゃぐちゃに混ざる。
それから毎日永那は多目的室に佐藤千陽を連れてきて、私の膝で眠った。
私と佐藤千陽は特に会話を交わすこともなく、ただお互いにスマホを見て過ごした。
土曜日、インターホンが鳴って、お母さんよりも先にドアを開ける。
「永那っ」
彼女をギュッと抱きしめた。
「芽衣、おはよ」
「おはよ」
彼女の手を引いて、部屋に行く。
手を繋いだまま、2人でベッドに座って、しばらくの沈黙。
俯いていたら、永那が私の顔を覗き込んで、キスされた。
久しぶりの感触にときめく自分が嫌。
「永那…」
「ん?」
「男とセックスしたって本当?」
「え!?なんで…知ってるの…?」
「千陽ちゃんから聞いた」
「ハァ」とため息をついて、永那が頭をボリボリ掻く。
「そっかあ…。いやあ…うん…まあ…」
「どうして?永那は、本当は男が好きってこと?」
「違うよ…。男とのセックスってどんなかな?って、ちょっと興味があっただけ。実際やってみたら、もう一生しなくていいなって思った。私は…女の子のほうが好き」
「ちょっと興味があってセックスするって…おかしいでしょ…」
「そうかな?」
なんてことないみたいに言う永那に苛立って、彼女を睨んだ。
睨んだんだけど…彼女の私を見る目があまりに冷たくて、びっくりした。
「芽衣だって、興味があったから私とシたんじゃないの?」
何も言い返せなくて、唾を飲む。
私は…私は…ただ、永那が好きで…。
でも…本当に?本当に、それだけだった?
永那を歪ませてしまったのは、きっと、小倉心音と私で…それで…。
彼女に押し倒される。
キスされて、それに応えてしまう。
彼女が私の肌にキスを落として、胸を揉む。
私は何の抵抗もせず、彼女を受け入れた。
「んぁ…ごめん…寝ちゃってた…」
「いいよ」
永那が目を擦る。
「寝てないの?」
「んー…寝れなくて…」
「そっか。明日は、千陽ちゃん連れてきなよ」
「いいの…?」
「歌は、歌わないけどね?」
永那は「もっと自信持てばいいのに」と笑みを浮かべた。
自信か…。
翌日、永那は佐藤千陽を多目的室に連れてきた。
永那は早々に、私の膝枕で寝てしまう。
「千陽ちゃん」
「…はい」
「永那、何かあったの?」
「知りません」
守ってもらってるんだから、それくらい聞こうとか思わないの?
「千陽ちゃん…永那にばっか頼らないでさ、少しは自分からもクラスメイトに歩み寄ろうとしてみたら?仲良くなる必要はないと思うけど、最低限普通に話すくらい、できるようにならないと…。余計なお世話かもしれないけどさ」
「ホント、余計なお世話ですね」
怒るな、私。
「そんなの…わかってます。先輩に言われなくたって、わかってます」
佐藤千陽が膝を抱いて、顔をうずめた。
「先輩こそ…付き合ってもないのに、永那とセックスしてるんですよね?」
「…は?」
血の気が引いていく。
「え、永那が、そう…言ったの…?」
「“先輩に好きって言われたから振ってきた”って言ってました。あなたのことですよね?」
…振ってきた?
風美のこと?
「私は、永那に“好き”なんて、一言も言ってないけど?だから、当然振られてもないし。なんの話?」
…振られたようなものではあるけど…でも、事実、私は永那に好きとは言っていない。
佐藤千陽は目だけ出して、睨むように私を見る。
「ハァ」と小さく息を吐いて「じゃあ、違う人なんだ…」と呟いた。
「でも…先輩、永那とシてますよね?今の反応、明らかにそう見えましたけど」
彼女が、笑っているような気がした。
それも、嘲笑うような…。
気がしただけかもしれない。
口元が隠れていて、笑っていたのかどうかもわからない。
でも、無性に苛立った。
「そう見えたなら、そうかもね」
「永那、いろんな人とセックスしてますよ。この前は、男とシたって言ってたし…。先輩、永那のことが好きなら、諦めたほうがいいですよ?」
男と…。
セックスできれば、永那は、それでいいってこと…?
小倉心音からお金を貰っていたのも、実は“ついで”みたいなもので、永那はセックスが目的だったってこと?
…いや、でも…小倉心音がお金を持ってこなかった日、物凄い怒声を浴びせていた。
セックスが楽しいって思うようになったのは、私とシてからだって言っていた…。
永那が全く理解できなくて、目を瞑る。
私、なんでこの子のことが好きなんだっけ?って、わからなくなる。
でも永那が起きて、いつもの子犬みたいな態度を取られると、私はまたすぐに“好き”って思っていた。
やっぱり…沼から抜けられない。
部屋でたくさん泣いた。
永那との2人の時間が奪われて、触れ合える時間が減って、寂しくてたまらない。
気づいたら『土曜日、家に来て』とメッセージを送っていた。
『どうして?』
『会いたいからって理由じゃ、だめ?』
『わかった』
ホッとする気持ちと、永那にとっての1番が自分じゃないかもしれないという不安がぐちゃぐちゃに混ざる。
それから毎日永那は多目的室に佐藤千陽を連れてきて、私の膝で眠った。
私と佐藤千陽は特に会話を交わすこともなく、ただお互いにスマホを見て過ごした。
土曜日、インターホンが鳴って、お母さんよりも先にドアを開ける。
「永那っ」
彼女をギュッと抱きしめた。
「芽衣、おはよ」
「おはよ」
彼女の手を引いて、部屋に行く。
手を繋いだまま、2人でベッドに座って、しばらくの沈黙。
俯いていたら、永那が私の顔を覗き込んで、キスされた。
久しぶりの感触にときめく自分が嫌。
「永那…」
「ん?」
「男とセックスしたって本当?」
「え!?なんで…知ってるの…?」
「千陽ちゃんから聞いた」
「ハァ」とため息をついて、永那が頭をボリボリ掻く。
「そっかあ…。いやあ…うん…まあ…」
「どうして?永那は、本当は男が好きってこと?」
「違うよ…。男とのセックスってどんなかな?って、ちょっと興味があっただけ。実際やってみたら、もう一生しなくていいなって思った。私は…女の子のほうが好き」
「ちょっと興味があってセックスするって…おかしいでしょ…」
「そうかな?」
なんてことないみたいに言う永那に苛立って、彼女を睨んだ。
睨んだんだけど…彼女の私を見る目があまりに冷たくて、びっくりした。
「芽衣だって、興味があったから私とシたんじゃないの?」
何も言い返せなくて、唾を飲む。
私は…私は…ただ、永那が好きで…。
でも…本当に?本当に、それだけだった?
永那を歪ませてしまったのは、きっと、小倉心音と私で…それで…。
彼女に押し倒される。
キスされて、それに応えてしまう。
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私は何の抵抗もせず、彼女を受け入れた。
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