いたずらはため息と共に

常森 楽

文字の大きさ
518 / 595
8.閑話

33.永那 中2 夏《相澤芽衣編》

…気持ちいい。

服を脱がされ、優しく胸を揉まれて、乳首を舐められる。
指で弄くられて、気持ち良くて、声が出た。
お母さんがいるからと、口を手で押さえられると、なぜかもっと興奮した。
永那の底光りする瞳が、私を捕えて離さない。
恥部に触れられて、舐められて、クリトリスで何度もイかされて…彼女の指がなかに入ってきて、またイかされる。

お母さんの「お昼できたよー!」と階段下から呼ぶ声が聞こえて、急に冷静になった。
永那を見るとニヤニヤ笑ってて、彼女の膝をペシッと叩く。
私は急いで服を着た。
「そいつがね、しつこく、からかってきたんだ」
パンツを穿いている最中、突然永那が言った。
なんの話かわからず、手が止まる。
「最初は無視してたんだけど、“顔が良いだけでモテて、人生勝ち組で羨ましい”って言われて、めっちゃ腹立った」
永那の顔が歪む。
「私が勝ち組!?どこが!どこがだよ…。こんな惨めな思いしてんのに…」
彼女がボリボリと痛そうな音を立てながら頭を掻く。
「だからね…セックスさせてやったの」
永那は、壊れた人形みたいに笑った。

「“女”っぽくさ、猫撫で声っていうの?出してみたりして。…“私ってよく、かっこいいとか言われるけど、男子からもモテてるのかな?…ねえ、君は、私のこと、可愛いって思う?思ってくれる?”って」
似合わない高い声。
似合わない笑顔。
似合わない、手つき。
私の顎を、人差し指の腹で撫で上げて、“女”っぽく言う姿は、全部、永那には全く似合わなかった。
彼女が私の顎を上げるときはいつも、人差し指と親指で挟むようにしている。
その仕草はいつもかっこよくて、安心感があった。
「そしたらさ、あいつ、ビビってんの!いっつも“顔だけ良い奴”とか“ハーレム御殿”とか“射的上手そうだよな、いろんな人落としてるだけに!”とか、わけわかんないこと言ってきてたくせに!ビビって、なんも言えないのな?」
そっと永那を抱きしめる。
「“私のこと、好きなの?だからいつも、絡んでくるの?”って聞いたらさ、鼻息荒くさせながら、ちんこ勃たせてんの」
…聞きたくない。
「キスしたら、体震わせてんの。ガキじゃん、ただのガキじゃん!…そいつ、普段からコンドームみんなに見せびらかしたりしてたから、それ使わせて、セックスした」

「おーい。永那ちゃん、芽衣、お昼できたよー」
ドアの向こうから、お母さんが言う。
「うん、後で食べる」
「はーい」
私が答えると、お母さんが階段を下りていった。
永那は泣いていなかったけど、無表情のまま、どこか一点を見つめていた。
「“顔だけだった?”って聞いたら、首横に振って…“だったらもう、絡んでくんな”って言ったら、頷いてた。それから、そいつに告白されたけど…“誰とも付き合う気ないから”って言って振った。まだ、たまに話しかけられるけど…なんか、めっちゃ照れながら話されるから、笑っちゃうよね」
永那が小さく息を吐く。
「私って、なんなんだろう…。なに、やってんだろう…馬鹿みたいだ。他に、方法があったのかな?」
永那にしかわからない世界。
私には、せいぜい彼女を慰めてあげることしかできない。
「永那が…それが・・・正しいと思ってやったことなら、それで、いいんじゃない?」
フッと彼女が笑う。
「正しいかどうかなんて、全然わからないよ。全部…全部、間違ってる気がする。誰か…教えてよ…」
ギリリと彼女の奥歯が鳴った。
「永那…とりあえず、お昼食べよ?ね?」
彼女が頷くから、私はまた手を引いて、リビングに向かった。

お昼を食べ終えて、2人でベッドに寝転ぶと、永那にキスされた。
…そうだ。小倉心音のときにも私は思った。
永那の汚れを綺麗にしてあげたいって。
だから私は、彼女の体を舐めた。
春休みに“手を大事にして”と言われてから、私が彼女を気持ち良くするときは、舐めるようにしている。
全身、くまなく。
私が下半身を舐め始めると、永那は必ずシャツを着て、起き上がる。
彼女が膝立ちになるから、私が寝転ぶ。
「ハァ…やっぱり、芽衣にされるのは、気持ちいい…」
彼女が腰を揺らす。
自分でクリトリスに手を伸ばして、「んっ」と彼女が果てた。

また2人でベッドに寝転んだ。
「永那?」
「ん?」
「風美ともセックスするの?」
「えー、わかんない」
そこは普通“しない”って答えるでしょ…。
もう、いいけど。
「風美のおっぱい、さわったんでしょ?」
「芽衣は情報通だなあ。怖い怖い」
私が鼻で笑うと、永那は私の胸元に顔を擦りつける。
「どうだった?風美のおっぱいは」
「んー…思ってたより、やわらかくなかった」
「それ、風美に言っちゃダメだよ?風美、いろんな人に言われて傷ついてんだから」
「うい」
彼女の髪を撫でる。

それから永那は、いろんな女の子とセックスするようになった。
まるでわざと自分の汚れを増やすかのように。
汚れを汚れで隠そうとするみたいに。
“わからない”と言った直後に、永那は風美とヤった。

しばらくして、風美が荒れた。
おっとりした性格の風美が荒れるのは、初めて見た。
風美がもう一度告白して永那が振ったとき、彼女は大声で泣いた。
それがちょっとだけ、羨ましかった。
感想 56

あなたにおすすめの小説

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話

穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! ✽全28話完結 ✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 ✽他誌にも掲載中です。 ✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。 →表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

身体だけの関係です‐三崎早月について‐

みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」 三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。 クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。 中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。 ※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。 12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。 身体だけの関係です 原田巴について https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789 作者ツイッター: twitter/minori_sui

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。