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8.閑話
11.永那 中2 夏〜秋《室橋芹奈編》
永那と話して、落ち着いた。
家に帰って、スマホを握りしめる。
不安は消えないけど、息を吐いて『別れたい』と馬鹿にメッセージを送る。
電話がかかってきて、鼓動が速くなる。
「も、もしもし」
「お前急に何言ってんの?」
「は?急じゃないし…ずっと、思ってたし」
「なんなんだよ~、ったくさー。俺のこと好きでしょ?セックスだって気持ち良さそうにしてたじゃん」
「はー?気持ち良いなんて1回も思ったことないわ!」
「お前クズだな。ブスのくせに」
視界がボヤけて、泣きそうになるのを必死に堪える。
“ちゃんと大事にしてくれる人、いるから”
永那の言葉を思い出して、フゥッと息を吐く。
「うっせーわ!!お前のほうがクズだろ!!チビのくせに!」
叫んで、電話を切る。
『俺、何か悪いことした?』
『お前のこと大事にしてたのに』
『裏切んのかよ、最低だな』
イライラして、ブロックした。
深呼吸して、床に大の字に倒れた。
「あーーー!清々した!!」
誰かと付き合ったりキスしたりセックスしたり、散々自慢されてたから、なんかちょっとヤケになってたっていうか…。
あたしだって、興味がなかったわけじゃないし。
だから、好きでもない奴と付き合ってみたけど…最低だった。
最低な気分になった。
…本当に凄い人って、たぶん永那みたいな人なんだろうな。
わざわざ自慢してくるような奴は大した奴じゃない。
永那は、自分からは何も言わないけど…なんか、とてつもなく、開けちゃいけない箱みたいな感じがする。
聞いたら教えてくれるけど、聞いてしまったら最後…みたいな…。
突然、あの、エロい笑顔が思い出されて、あたしは両手で顔を覆った。
“女の子とするのは、好きだよ”
…千陽とも、ヤってたり…するのかな…?
顔が熱くなって、パタパタと手で扇いだ。
毎日、不安に襲われた。
永那は、検査薬は2週間後って言ってたけど…それまで待つなんて耐えられない。
でも、永那が毎日メッセージをくれて、学校が始まってからは、いつもよりたくさん話しかけてくれた。
「ホント、永那が男だったら良かったのに」
「芹奈は男好きなんだな~」
「は?なんでそうなんの?」
「だって私が男だったら良かったんでしょ?男だったら、好きになってたんでしょ?それって、めっちゃ男好きじゃん」
そう言われて、モヤモヤする。
「あたしは永那が好きっ」
千陽が永那の腕に胸を押し付ける。
上目遣いで、グロスでツヤツヤにした唇を突き出していた。
わざとらしい、ぶりっ子。
…そういうとこが女に嫌われるんだっつーの。
まあ、千陽は永那にさえ好かれてればそれでいいんだろうけど。
2週間経たずに、生理がきた。
朝一で永那に言うと、「良かったね」と今までで1番優しい笑みを向けてくれた。
安心したのと同時に、キュンとする。
「でも、念のため検査薬もちゃんとやろうね?」
なんなんだろう、この安心感。
永那に言われると、その通りにすれば大丈夫な気がしてくる。
「芹奈」
「おー、近づくなよ。ストーカーだぞ?」
永那が自分の爪をカリカリ弄りながら、馬鹿に言う。
あたしはちょっと怖くて、永那の服の裾を掴んだ。
「俺は、芹奈と別れたくないの。話くらいさせろよ」
フッと永那が笑う。
「みっともないぞー。本当に好きなら、相手の気持ちを汲んであげるのがかっこいいんだよ。もっとそういうこと勉強してから出直せ?」
「は…はあ?お前には関係ないだろ」
馬鹿が気圧されている。
「私は芹奈の友達だから。関係なくねえよ」
永那が睨む。
「ハァ」とため息をついて、「ちょっと来い。良いこと教えてやるから」と馬鹿の腕を掴んで教室から出て行った。
千陽がつまらなさそうに、貼り付けていた笑顔を剥がして、真顔になる。
「千陽」
「なに」
「千陽って…その…永那と…シてたりするの?」
「なにを」
「せ、セックス」
恥ずかしくて、千陽の耳元で言う。
千陽が不愉快そうに眉間にシワを寄せた。
「教えない」
…や、やっぱり…シてるのかな。
「…今日の昼休み、多目的室行ってみたら」
「え?なんで?」
「永那のそういうのに興味あるんだったら…見られるかも」
千陽はポケットから鏡を出して、自分の顔を確認しながら席に戻った。
授業が始まる直前に永那と馬鹿が戻ってきた。
馬鹿と一瞬目が合って、そらされる。
…なに、話したんだろ?
昼休み、永那が給食をかきこんで食べた。
話しかけようとしたけど、さっさとトレーを台に戻して、どこかに行っちゃった。
多目的室…。
あたしも急いで食べて、早歩きで多目的室に向かう。
ドアの窓に黒いカーテンがかかっていて、中が見えない。
ゆっくり、少しだけ…ドアを開ける。
「永那」
「芽衣、会いたかった」
「も~…永那、可愛いんだから…」
「芽衣の作る歌、好きだからさ。芽衣が卒業したら聞けなくなると思うと、寂しい。最近受験勉強ばっかでかまってくんないし」
「そんなこと言って…他の子もたらし込んでるくせに」
ニシシと永那の笑う声が聞こえる。
他の子も…?
家に帰って、スマホを握りしめる。
不安は消えないけど、息を吐いて『別れたい』と馬鹿にメッセージを送る。
電話がかかってきて、鼓動が速くなる。
「も、もしもし」
「お前急に何言ってんの?」
「は?急じゃないし…ずっと、思ってたし」
「なんなんだよ~、ったくさー。俺のこと好きでしょ?セックスだって気持ち良さそうにしてたじゃん」
「はー?気持ち良いなんて1回も思ったことないわ!」
「お前クズだな。ブスのくせに」
視界がボヤけて、泣きそうになるのを必死に堪える。
“ちゃんと大事にしてくれる人、いるから”
永那の言葉を思い出して、フゥッと息を吐く。
「うっせーわ!!お前のほうがクズだろ!!チビのくせに!」
叫んで、電話を切る。
『俺、何か悪いことした?』
『お前のこと大事にしてたのに』
『裏切んのかよ、最低だな』
イライラして、ブロックした。
深呼吸して、床に大の字に倒れた。
「あーーー!清々した!!」
誰かと付き合ったりキスしたりセックスしたり、散々自慢されてたから、なんかちょっとヤケになってたっていうか…。
あたしだって、興味がなかったわけじゃないし。
だから、好きでもない奴と付き合ってみたけど…最低だった。
最低な気分になった。
…本当に凄い人って、たぶん永那みたいな人なんだろうな。
わざわざ自慢してくるような奴は大した奴じゃない。
永那は、自分からは何も言わないけど…なんか、とてつもなく、開けちゃいけない箱みたいな感じがする。
聞いたら教えてくれるけど、聞いてしまったら最後…みたいな…。
突然、あの、エロい笑顔が思い出されて、あたしは両手で顔を覆った。
“女の子とするのは、好きだよ”
…千陽とも、ヤってたり…するのかな…?
顔が熱くなって、パタパタと手で扇いだ。
毎日、不安に襲われた。
永那は、検査薬は2週間後って言ってたけど…それまで待つなんて耐えられない。
でも、永那が毎日メッセージをくれて、学校が始まってからは、いつもよりたくさん話しかけてくれた。
「ホント、永那が男だったら良かったのに」
「芹奈は男好きなんだな~」
「は?なんでそうなんの?」
「だって私が男だったら良かったんでしょ?男だったら、好きになってたんでしょ?それって、めっちゃ男好きじゃん」
そう言われて、モヤモヤする。
「あたしは永那が好きっ」
千陽が永那の腕に胸を押し付ける。
上目遣いで、グロスでツヤツヤにした唇を突き出していた。
わざとらしい、ぶりっ子。
…そういうとこが女に嫌われるんだっつーの。
まあ、千陽は永那にさえ好かれてればそれでいいんだろうけど。
2週間経たずに、生理がきた。
朝一で永那に言うと、「良かったね」と今までで1番優しい笑みを向けてくれた。
安心したのと同時に、キュンとする。
「でも、念のため検査薬もちゃんとやろうね?」
なんなんだろう、この安心感。
永那に言われると、その通りにすれば大丈夫な気がしてくる。
「芹奈」
「おー、近づくなよ。ストーカーだぞ?」
永那が自分の爪をカリカリ弄りながら、馬鹿に言う。
あたしはちょっと怖くて、永那の服の裾を掴んだ。
「俺は、芹奈と別れたくないの。話くらいさせろよ」
フッと永那が笑う。
「みっともないぞー。本当に好きなら、相手の気持ちを汲んであげるのがかっこいいんだよ。もっとそういうこと勉強してから出直せ?」
「は…はあ?お前には関係ないだろ」
馬鹿が気圧されている。
「私は芹奈の友達だから。関係なくねえよ」
永那が睨む。
「ハァ」とため息をついて、「ちょっと来い。良いこと教えてやるから」と馬鹿の腕を掴んで教室から出て行った。
千陽がつまらなさそうに、貼り付けていた笑顔を剥がして、真顔になる。
「千陽」
「なに」
「千陽って…その…永那と…シてたりするの?」
「なにを」
「せ、セックス」
恥ずかしくて、千陽の耳元で言う。
千陽が不愉快そうに眉間にシワを寄せた。
「教えない」
…や、やっぱり…シてるのかな。
「…今日の昼休み、多目的室行ってみたら」
「え?なんで?」
「永那のそういうのに興味あるんだったら…見られるかも」
千陽はポケットから鏡を出して、自分の顔を確認しながら席に戻った。
授業が始まる直前に永那と馬鹿が戻ってきた。
馬鹿と一瞬目が合って、そらされる。
…なに、話したんだろ?
昼休み、永那が給食をかきこんで食べた。
話しかけようとしたけど、さっさとトレーを台に戻して、どこかに行っちゃった。
多目的室…。
あたしも急いで食べて、早歩きで多目的室に向かう。
ドアの窓に黒いカーテンがかかっていて、中が見えない。
ゆっくり、少しだけ…ドアを開ける。
「永那」
「芽衣、会いたかった」
「も~…永那、可愛いんだから…」
「芽衣の作る歌、好きだからさ。芽衣が卒業したら聞けなくなると思うと、寂しい。最近受験勉強ばっかでかまってくんないし」
「そんなこと言って…他の子もたらし込んでるくせに」
ニシシと永那の笑う声が聞こえる。
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