いたずらはため息と共に

常森 楽

文字の大きさ
534 / 595
8.閑話

49.永那 中2 夏《野々村風美編》

しおりを挟む
永那が起き上がる。
それに合わせるように私も起き上がった。
向き合うように座る。
永那に肩を押され、ベッドに寄りかかる。
膝を立てられ、脚を開かされる。
彼女の手が、私の大事なところに触れて、体が強張る。
優しく撫でられて、ギュッと目を瞑った。
「…さわられるの、嫌?」
不安げな声で、すぐに目を開く。
「嫌じゃない…。は、初めてだから…ちょ、ちょっと、緊張するだけ」
彼女が頷く。
撫でられるのが再開され、床についている手を握った。
「風美、自分でさわったことある?」
「こ、答えなきゃ、ダメ…?」
フッと彼女が笑って「べつに答えなくてもいいよ」と優しく言う。
「じゃあ…言わない…」
「そっか」
小学6年生の時、太ももの付け根が痒くて掻いていた。
たまに腕が秘部に当たって、それがなんとなく気持ち良くて、それからさわるようになった。
誰も知らない、私だけの秘密。
とてもじゃないけど、恥ずかしくて、永那にだって言えない。

「あっ」
声が出て、口を手で押さえる。
「ここ、気持ち良い?」
なに?これ…。
自分でさわるのと全然違う…。
自分でさわるときは、“気持ち良いな~”くらいだった。
なのに…今のは…なに…?
なんとか頷くと、永那が口角を上げる。
「ぁっ、待って…んっ」
彼女の肩を掴む。
永那の腕が小刻みに揺れる。
「ぁっ…あッ…」
ガクガクと膝が震え、力が抜ける。
自分の呼吸がうるさい。
「な、なに…?」
「ん?」
「これ…今の…なに?」
「え?なにって?」
どう答えればいいのかわからず、俯く。
少しの沈黙が、やたら長く感じた。
「あ」
永那が言って、伏し目がちに彼女を見た。
「イったこと?」
「い…?イった?」
フフッと笑って、頭を撫でられる。
「今、風美はイったんだよ。絶頂?オーガニズム?…まあ、色々言い方はあると思うけど。風美、イったことなかったんだ」
彼女がニヤリと笑うから、ただでさえ熱かったのに、顔がもっと熱くなる。

「もう一回、イきたい?」
“うん”と言うのは恥ずかしくて。
でも断りたくもない。
「も、もう一回だけ…ね?」
「わかった」
彼女の手が動き始める。
目をギュッと瞑った。
気持ち良さが全身を駆け巡っていく。
「んっ、気持ちぃっ」
「気持ちいい?良かった」
気づいたら口から気持ちが漏れ出ていて、とてつもなく恥ずかしい。
でも、永那が優しいから…その恥ずかしさはすぐに消えて、彼女に身を委ねた。
「ぁっ…」
ガクッガクッとまた膝が震えて、イく。
「可愛い」
急に囁かれて、下腹部の締め付けが、強くなる。
彼女の手が離れていこうとするから、両手で掴んだ。
「も、もう一回…」
「もう一回?」
頷くと「いいよ」と彼女は笑みを浮かべた。

「じゃあ、次は、挿れてみよう」
「い、挿れる?」
「うん」
ショーツのクロッチを横にずらされ、彼女の手を掴む力が強まる。
フフッと笑って、直に大事なところに触れられた。
ゾワリと鳥肌が立つ。
「やめてほしい?」
まるでくすぐられているような、優しいさわり方。
「だ、大丈夫…」
「ん」
彼女の指先に力が加わり、クチュッと音を鳴らす。
「んぁっ」
「痛い?」
「大、丈夫…」
そのまま、なかに入ってくる。
「ぁぁっ」
背中が仰け反る。
「動かすね。痛かったら教えて」
「んっ」
「どう?」
「な、なんか…変な…感じ…」
体の内側から、火がつけられたみたいな…。
彼女の指が動く度、少しずつ油を注がれ、火が徐々に大きくなっていく感覚。
「気持ち良い?」
「んっ…わ、わかんないけど…っ、たぶん…」
「へえ」
“へえ”ってなに…。
じわりじわりと導火線が焼き尽くされていく。
「ぁぁっ」
…大爆発するかと思いきや、それは線香花火のように儚い炎で。
ギュッと手に力が入り、腰が浮き、じんわりと体を内側から温まるかのようだった。
「イった?」
聞かれて、頷く。
なんか…。なに?これ…。本当に…。

「風美は静かだね」
「え…?」
“風美は”って…。
「あ…」
「どした?」
「そっか。私とだけなわけないよね」
感情が、急に冷え切っていく。
「え?風美?…ご、ごめん」
「何に謝ってるの?」
彼女の手を押す。
自分のなかから彼女が出ていく感触が、やたら気持ち悪かった。
泣きたくないのに、涙が出てくる。
「ごめん…」
「永那が謝ることじゃないよ」
彼女が、私のなかに入っていたであろう指を浮かせていた。
1本だけ、濡れている。
「洗ってきなよ、それ…」
「うん」
彼女が立ち上がって、キッチンで水を流す音が聞こえてくる。
両手で顔を覆う。
…考えればわかることじゃん!わかる…ことだったじゃん…。
自分が本当に嫌。
泣き叫びたい。
でもそんな姿を見られたくない。

「あ~、涼し~」
一気に涙が引っ込んでいく。
「え!?誰!?」
「あ…えっと…」
服の袖で目元を拭いて走って部屋を出る。
「う、羽美うみ
「お姉ちゃん…の、友達?」
「あ、うん。まあ、友達っていうか、部活の後輩」
「へえ…」
「お邪魔してます」
永那がペコリと頭を下げた。
「い、いえ…」
「え、永那、部屋、行ってて」
「うん」
永那はハンカチで手を拭きながら、私の部屋に入っていく。
ドアを閉めると、羽美が私のそばに来た。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

処理中です...