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7.向
455.バランス
そのまま寝ることになり、不完全燃焼だったあたしは永那の背中にぴったりくっついた。
あたしが永那を食べたくなっちゃったのがいけないのはわかってるけど、納得いかない。
でも、それを素直に言うと、永那も穂もあたしを受け止めてくれる。
明日が待ち遠しくなった。
“千陽の日”…永那から言ってくれるのが、心の底から嬉しい。
嬉しいまま眠りにつき、朝が来た。
永那が横で寝ている。
ツンツンと指で頬を突く。
ムニャムニャと口を動かすと、口端の涎がキラキラと光った。
可愛い。
あたしもベッドから下りて、洗面台に行く。
歯磨きをしていた穂が場所を譲ってくれたから、顔を洗った。
「9時に朝食だよね?」
「うん」
「今日はどんな予定なんだろう?」
顔を拭いて、化粧品と乳液をつける。
「さあ?」
あたしが知りたいくらい。
穂がうがいをして、あたしも歯磨きをする。
「永那ちゃん、起こしてくるね」
「うん」
歯磨きを終えてベッドルームに戻ると、永那が眼鏡をかけていた。
腰を抜かしそうになる。
壁に手をついて、なんとか平静を装う。
「おはー」
「おはよ…」
左腕を擦りながら、ベッドに行く。
チラリと永那を見ると、目を擦っていた。
大きくあくびをして、ベッドに寝転ぶ。
「永那ちゃん、そのままじゃ、また寝ちゃうよ?」
「ん~…」
どうすればいいかわからず、穂を見た。
穂も困ったように眉をハの字にさせる。
ふぅっと息を吐いて、あたしは立ち上がって、冷蔵庫からオレンジジュースを出した。
歯磨きしたばっかだから本当は口に入れたくないけど…あたしは一口含んで、永那に口づけした。
少しずつオレンジジュースを流し込んでいくと、永那の喉が鳴る。
「うまい」
「起きて…永那…」
「もっとくれ」
もう一口、彼女に注ぎ込む。
注ぎ終えて離れようとすると、首の後ろを掴まれた。
舌が入り込んできて、絡まる。
ジワリと太ももの奥に何かが滲む。
手に持っていたオレンジジュースのペットボトルが、取られる。
穂が蓋を閉めて、サイドテーブルに置くのが視界の端に見えた。
昨日のあの瞬間に戻りたい。
決してやり直したいわけじゃないけど、あの瞬間に戻って、永那があたしを好きでいてくれて、その状態でされてみたい。
穂が戻ってくるのがもっと遅くて、あたしが永那を食べた後に、次は永那があたしを食べるの。
そしたら、どれだけ幸せだろう?
…でも、調子に乗っちゃダメ。
穂がいたから、永那はあたしと向き合ってくれたの。
穂がいなかったら、永那は他の人と同じように、あたしから逃げていた。
あたしは穂のことも大好き。
絶対に忘れてはいけない気持ち。
あの悦びを感じ続けてしまったら、あたしはきっと忘れてしまう。
穂のことを嫌いになるわけじゃない。
でも、好きなことを忘れてしまう。
だから、あの時間に浸り続けなくてよかった…とも思う。
それこそ本当に、バランスが崩れてしまう。
あたし達の、大胆で繊細なバランスが。
オレンジジュースの香りがなくなった頃、首が解放される。
ガラスの奥の薄茶色の瞳が、弧を描く。
「起きた」
「おはよ…」
「おー、おはよー!」
永那が上半身を起こして、ヘッドボードに寄りかかる。
手を引かれて、彼女の膝に座らされた。
「今日は千陽の日だからね」
「…うん」
「お腹鳴っても“ムードない”とか言うなよ?気にしなくていいから」
「うん」
お腹が鳴る可能性があるんだ…。
変な忠告を受けて、頬が緩む。
永那に向き合った状態で穂を探して、あたしは室内を見回す。
「本持って、リビング行ったよ」
囁かれて、唾を飲む。
「永那と…ふたり…?」
「そのうち来るでしょ。それともふたりは嫌?」
首を横に振る。
ニッと彼女が笑って、緩々と唇が重なる。
それは、まるで愛し合うふたりのようで…。
彼女の肩に腕を乗せ、何度も重ねる。
触れ合うたびに、そこから何かが体内に滴り落ちてくる。
子宮がその何かを受け止めるたびにキュッと反応する。
ポタリポタリと、軒に溜まった雫がお皿に落ちていくみたいな、イメージ。
雨が止んだ後の、雫が。
「好き」
「ん」
いつもと同じ反応。
ある意味、安心する。
「昨日、変だった」
「お前が?」
「永那が」
「変じゃないよ」
「変だった」
フッと彼女が笑う。
誤魔化すように、唇を舐められた。
あたしが舌を出すと、チロチロと先端が握手する。
遊ぶように擦れ合って、体の奥の芯に淡い光を灯す。
くびれを擦られ、背を反る。
胸を強調するように。
彼女の手はスルスルと上っていき、乳房に触れた。
「これ、スベスベで気持ちいい」
「でしょ?」
手が何度も上下し、“胸はさわってないよ。生地が気持ちいいから撫でてるだけ”とでも言いたげだ。
何度も撫でられるたびに、突起が浮き出てくる。
彼女はそれを絶対に知っていて、でも気づかないフリをする。
だからあたしも、気づかないフリをする。
あたしが永那を食べたくなっちゃったのがいけないのはわかってるけど、納得いかない。
でも、それを素直に言うと、永那も穂もあたしを受け止めてくれる。
明日が待ち遠しくなった。
“千陽の日”…永那から言ってくれるのが、心の底から嬉しい。
嬉しいまま眠りにつき、朝が来た。
永那が横で寝ている。
ツンツンと指で頬を突く。
ムニャムニャと口を動かすと、口端の涎がキラキラと光った。
可愛い。
あたしもベッドから下りて、洗面台に行く。
歯磨きをしていた穂が場所を譲ってくれたから、顔を洗った。
「9時に朝食だよね?」
「うん」
「今日はどんな予定なんだろう?」
顔を拭いて、化粧品と乳液をつける。
「さあ?」
あたしが知りたいくらい。
穂がうがいをして、あたしも歯磨きをする。
「永那ちゃん、起こしてくるね」
「うん」
歯磨きを終えてベッドルームに戻ると、永那が眼鏡をかけていた。
腰を抜かしそうになる。
壁に手をついて、なんとか平静を装う。
「おはー」
「おはよ…」
左腕を擦りながら、ベッドに行く。
チラリと永那を見ると、目を擦っていた。
大きくあくびをして、ベッドに寝転ぶ。
「永那ちゃん、そのままじゃ、また寝ちゃうよ?」
「ん~…」
どうすればいいかわからず、穂を見た。
穂も困ったように眉をハの字にさせる。
ふぅっと息を吐いて、あたしは立ち上がって、冷蔵庫からオレンジジュースを出した。
歯磨きしたばっかだから本当は口に入れたくないけど…あたしは一口含んで、永那に口づけした。
少しずつオレンジジュースを流し込んでいくと、永那の喉が鳴る。
「うまい」
「起きて…永那…」
「もっとくれ」
もう一口、彼女に注ぎ込む。
注ぎ終えて離れようとすると、首の後ろを掴まれた。
舌が入り込んできて、絡まる。
ジワリと太ももの奥に何かが滲む。
手に持っていたオレンジジュースのペットボトルが、取られる。
穂が蓋を閉めて、サイドテーブルに置くのが視界の端に見えた。
昨日のあの瞬間に戻りたい。
決してやり直したいわけじゃないけど、あの瞬間に戻って、永那があたしを好きでいてくれて、その状態でされてみたい。
穂が戻ってくるのがもっと遅くて、あたしが永那を食べた後に、次は永那があたしを食べるの。
そしたら、どれだけ幸せだろう?
…でも、調子に乗っちゃダメ。
穂がいたから、永那はあたしと向き合ってくれたの。
穂がいなかったら、永那は他の人と同じように、あたしから逃げていた。
あたしは穂のことも大好き。
絶対に忘れてはいけない気持ち。
あの悦びを感じ続けてしまったら、あたしはきっと忘れてしまう。
穂のことを嫌いになるわけじゃない。
でも、好きなことを忘れてしまう。
だから、あの時間に浸り続けなくてよかった…とも思う。
それこそ本当に、バランスが崩れてしまう。
あたし達の、大胆で繊細なバランスが。
オレンジジュースの香りがなくなった頃、首が解放される。
ガラスの奥の薄茶色の瞳が、弧を描く。
「起きた」
「おはよ…」
「おー、おはよー!」
永那が上半身を起こして、ヘッドボードに寄りかかる。
手を引かれて、彼女の膝に座らされた。
「今日は千陽の日だからね」
「…うん」
「お腹鳴っても“ムードない”とか言うなよ?気にしなくていいから」
「うん」
お腹が鳴る可能性があるんだ…。
変な忠告を受けて、頬が緩む。
永那に向き合った状態で穂を探して、あたしは室内を見回す。
「本持って、リビング行ったよ」
囁かれて、唾を飲む。
「永那と…ふたり…?」
「そのうち来るでしょ。それともふたりは嫌?」
首を横に振る。
ニッと彼女が笑って、緩々と唇が重なる。
それは、まるで愛し合うふたりのようで…。
彼女の肩に腕を乗せ、何度も重ねる。
触れ合うたびに、そこから何かが体内に滴り落ちてくる。
子宮がその何かを受け止めるたびにキュッと反応する。
ポタリポタリと、軒に溜まった雫がお皿に落ちていくみたいな、イメージ。
雨が止んだ後の、雫が。
「好き」
「ん」
いつもと同じ反応。
ある意味、安心する。
「昨日、変だった」
「お前が?」
「永那が」
「変じゃないよ」
「変だった」
フッと彼女が笑う。
誤魔化すように、唇を舐められた。
あたしが舌を出すと、チロチロと先端が握手する。
遊ぶように擦れ合って、体の奥の芯に淡い光を灯す。
くびれを擦られ、背を反る。
胸を強調するように。
彼女の手はスルスルと上っていき、乳房に触れた。
「これ、スベスベで気持ちいい」
「でしょ?」
手が何度も上下し、“胸はさわってないよ。生地が気持ちいいから撫でてるだけ”とでも言いたげだ。
何度も撫でられるたびに、突起が浮き出てくる。
彼女はそれを絶対に知っていて、でも気づかないフリをする。
だからあたしも、気づかないフリをする。
感想 56
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