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7.向
460.バランス
■■■
「そんなすごかったの!?」
「おー!」
「姉ちゃん、ちゃんと写真撮ってきてくんないから、口で説明されてもわかんなくてさ。数少ない写真はちょっと指映っちゃってて、見にくいし…」
永那ちゃんが、何枚かホテルの部屋の写真を撮っていた。
「穂はそういう子だもんねー」
頭を撫でられるけど、全然褒められていないから嬉しくない。
「永那ちゃんが昨日、部屋の写真も送ってくれれば良かったんだよ」
唇を尖らせる。
「穂も千陽も、興味ないかと思って」
「変な気の遣い方…」
「こら!“変”って言わない!」
「どうして?」
「昨日、千陽にめっちゃ“変”って言われて、傷心中だから!」
「傷心中だったんだ…」
お茶を飲みながら、体育座りになる。
「俺、外出てくる」
「気をつけてよ」
「わかってるよ」
「誉~、そうやって言ってもらえるって幸せなことなんだぞ~?」
永那ちゃんが私の肩に頭を乗せる。
「はいはい」
誉は興味なさそうに手を振って、外に出た。
「ハァ~、穂のご飯、幸せだった…」
「良かった。今日は永那ちゃん、あんまり寝てないね?」
「ふふん!そうでしょ?私も、結構起きてられるな~って思ってた」
“ふふん”って…お馬さんじゃないんだから…。
あれ?馬は“ひひん”かな?
昨日帰っても、お母さんは機嫌が良かったらしい。
お祖父さんと一晩一緒にいても問題はなかったらしく、なんならお祖母さんの話が出来て、楽しかったのだとか。
“優しかったのは覚えてるけど、それ以外はほとんど覚えてないから、お母さんのこと知れて良かった!”と永那ちゃんに話していたらしい。
お母さんが不安定にならなくて良かった。
「昨日、一昨日と思う存分できて、私のストレスも軽減されたのかな~」
「軽減されたんだ?」
「わかんないけど、そういうことかな?って」
「そうだといいな」
「やっぱさ?」
「うん」
「んー…好きな人が、気持ち良さそうにしてるの見ると、満たされる」
「好きな人…」
「穂のことね?…千陽ももちろん好きだけど、穂が世界で1番好きだから」
いきなり“好きな人”なんて言われると、いろんな意味でドキッとする。
嬉しいドキッと、“他の好きな人を想像してるの?”と一瞬勘ぐってしまったドキッと…。
いつも“好き”って言ってくれてるけど、それとはまたニュアンスが全然違う。
「その前の日も穂に意地悪できたし」
永那ちゃんが楽しそうに口元に弧を描く。
「ま、まさか…意地悪してストレス発散してるんじゃないよね?」
「え?」
「昨日も千陽にお仕置きしてた…」
「あー…ハハッ、まっさか~」
「…怪しい」
お茶を啜る。
永那ちゃんは寝転んで、私の膝に頭を乗せた。
「寝ちゃうの?あと15分くらいで授業始まるよ?」
「10分だけ…。そしたら起こして?」
「わかった」
一緒に暮らしていた時ほど早くはないけれど、つい最近では1番早く起こせたと思う。
「だ~!疲れた~!」
授業が終わり、私が片付けをする横で、永那ちゃんがラグに倒れる。
「永那ちゃん?」
「ん?」
「千陽とね…」
「うん?」
「千陽と、2人でシたいって言ったら、悲しい?」
「悲しい」
ハッキリ言われると思っていなくて、息を呑む。
「シたいの?」
永那ちゃんの顔が、見れない。
どう答えればいいかわからず、唾を飲む。
「穂は…私と千陽、どっちが好き?」
「え!?ど、どっちも好きだよ?」
「じゃあ、千陽じゃなくて、私と恋人なのはなんで?」
「ち、千陽は…家族みたいな…」
「私とも家族って言ってた」
「千陽には、その…」
「ん?」
「千陽に、例えば恋人が出来たとしても、私は嬉しい。その人がちゃんと千陽のことを大事にしてくれて、千陽もその人のことが大切なら、私は嬉しい」
パソコンの上に乗せた参考書を開いたり閉じたりする。
「でも…永那ちゃんは…永那ちゃんの相手は、私が良い」
「ヤキモチ妬くかどうかの違いってこと?」
頷く。
「千陽に恋人が出来て、もう千陽のおっぱいさわれなくなっても、嫉妬しないの?」
「す、少しは寂しいよ?…でも、仕方ないとも思う」
「ふーん」
永那ちゃんが起き上がっても、目は合わせられない。
抱きしめられる。
「じゃー、しょうがないから、いいよ」
「え?」
「千陽とシたいんでしょ?」
「でも…」
「なに?」
「永那ちゃんが悲しむことは、したくない」
「私は、穂がしたいことをさせてあげたい」
やっと彼女を見る。
特別悲しんでいるようにも、傷ついているようにも見えない。
「…私、千陽とシたいのかな?」
「えぇっ?」
永那ちゃんが優しく笑う。
「千陽に“シたい?”って聞かれて、“シたい”って答えた。でも、永那ちゃんと一緒にいると、“絶対シたい”とまでは思わない」
「まあ…穂と千陽は、見てると、親友って感じがするからね」
「親友…?」
「本当は、2人はセックスなんかしなくてもいいんじゃない?って、よく思うよ」
「そ、そうなの!?」
「うん。親友は普通、セックスなんかしないでしょ?」
「そんなすごかったの!?」
「おー!」
「姉ちゃん、ちゃんと写真撮ってきてくんないから、口で説明されてもわかんなくてさ。数少ない写真はちょっと指映っちゃってて、見にくいし…」
永那ちゃんが、何枚かホテルの部屋の写真を撮っていた。
「穂はそういう子だもんねー」
頭を撫でられるけど、全然褒められていないから嬉しくない。
「永那ちゃんが昨日、部屋の写真も送ってくれれば良かったんだよ」
唇を尖らせる。
「穂も千陽も、興味ないかと思って」
「変な気の遣い方…」
「こら!“変”って言わない!」
「どうして?」
「昨日、千陽にめっちゃ“変”って言われて、傷心中だから!」
「傷心中だったんだ…」
お茶を飲みながら、体育座りになる。
「俺、外出てくる」
「気をつけてよ」
「わかってるよ」
「誉~、そうやって言ってもらえるって幸せなことなんだぞ~?」
永那ちゃんが私の肩に頭を乗せる。
「はいはい」
誉は興味なさそうに手を振って、外に出た。
「ハァ~、穂のご飯、幸せだった…」
「良かった。今日は永那ちゃん、あんまり寝てないね?」
「ふふん!そうでしょ?私も、結構起きてられるな~って思ってた」
“ふふん”って…お馬さんじゃないんだから…。
あれ?馬は“ひひん”かな?
昨日帰っても、お母さんは機嫌が良かったらしい。
お祖父さんと一晩一緒にいても問題はなかったらしく、なんならお祖母さんの話が出来て、楽しかったのだとか。
“優しかったのは覚えてるけど、それ以外はほとんど覚えてないから、お母さんのこと知れて良かった!”と永那ちゃんに話していたらしい。
お母さんが不安定にならなくて良かった。
「昨日、一昨日と思う存分できて、私のストレスも軽減されたのかな~」
「軽減されたんだ?」
「わかんないけど、そういうことかな?って」
「そうだといいな」
「やっぱさ?」
「うん」
「んー…好きな人が、気持ち良さそうにしてるの見ると、満たされる」
「好きな人…」
「穂のことね?…千陽ももちろん好きだけど、穂が世界で1番好きだから」
いきなり“好きな人”なんて言われると、いろんな意味でドキッとする。
嬉しいドキッと、“他の好きな人を想像してるの?”と一瞬勘ぐってしまったドキッと…。
いつも“好き”って言ってくれてるけど、それとはまたニュアンスが全然違う。
「その前の日も穂に意地悪できたし」
永那ちゃんが楽しそうに口元に弧を描く。
「ま、まさか…意地悪してストレス発散してるんじゃないよね?」
「え?」
「昨日も千陽にお仕置きしてた…」
「あー…ハハッ、まっさか~」
「…怪しい」
お茶を啜る。
永那ちゃんは寝転んで、私の膝に頭を乗せた。
「寝ちゃうの?あと15分くらいで授業始まるよ?」
「10分だけ…。そしたら起こして?」
「わかった」
一緒に暮らしていた時ほど早くはないけれど、つい最近では1番早く起こせたと思う。
「だ~!疲れた~!」
授業が終わり、私が片付けをする横で、永那ちゃんがラグに倒れる。
「永那ちゃん?」
「ん?」
「千陽とね…」
「うん?」
「千陽と、2人でシたいって言ったら、悲しい?」
「悲しい」
ハッキリ言われると思っていなくて、息を呑む。
「シたいの?」
永那ちゃんの顔が、見れない。
どう答えればいいかわからず、唾を飲む。
「穂は…私と千陽、どっちが好き?」
「え!?ど、どっちも好きだよ?」
「じゃあ、千陽じゃなくて、私と恋人なのはなんで?」
「ち、千陽は…家族みたいな…」
「私とも家族って言ってた」
「千陽には、その…」
「ん?」
「千陽に、例えば恋人が出来たとしても、私は嬉しい。その人がちゃんと千陽のことを大事にしてくれて、千陽もその人のことが大切なら、私は嬉しい」
パソコンの上に乗せた参考書を開いたり閉じたりする。
「でも…永那ちゃんは…永那ちゃんの相手は、私が良い」
「ヤキモチ妬くかどうかの違いってこと?」
頷く。
「千陽に恋人が出来て、もう千陽のおっぱいさわれなくなっても、嫉妬しないの?」
「す、少しは寂しいよ?…でも、仕方ないとも思う」
「ふーん」
永那ちゃんが起き上がっても、目は合わせられない。
抱きしめられる。
「じゃー、しょうがないから、いいよ」
「え?」
「千陽とシたいんでしょ?」
「でも…」
「なに?」
「永那ちゃんが悲しむことは、したくない」
「私は、穂がしたいことをさせてあげたい」
やっと彼女を見る。
特別悲しんでいるようにも、傷ついているようにも見えない。
「…私、千陽とシたいのかな?」
「えぇっ?」
永那ちゃんが優しく笑う。
「千陽に“シたい?”って聞かれて、“シたい”って答えた。でも、永那ちゃんと一緒にいると、“絶対シたい”とまでは思わない」
「まあ…穂と千陽は、見てると、親友って感じがするからね」
「親友…?」
「本当は、2人はセックスなんかしなくてもいいんじゃない?って、よく思うよ」
「そ、そうなの!?」
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