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9.移ろい
497.新学年
「良いところ見つけたね、永那ちゃん」
「でしょー」
穂に抱きつく。
「ちょっと教室から遠いのが難点だね」
「ま、それくらいは仕方ないさ」
穂が頷く。
さっそく床に座り、穂と桜は膝に弁当を広げる。
千陽は壁に寄りかかって、サラダとパスタが入ったプラスチックのカップを手に持って食べ始めた。
「穂は、体験入部期間終わったし、そろそろ落ち着きそう?」
「そうだね。体育祭で忙しくなるまでは、活動日は火曜日だけに戻るよ」
「そっか。お疲れ様」
「ありがとう。…あ、今週の土曜日は、新入生歓迎会をするから、バーベキューがあるよ」
「ああ、打ち上げとかでもやってたやつね」
「うん。それと、5月に1回、ボランティア活動がある以外は通常通りかな」
「あ~、穂とデートしたい」
「私も、永那ちゃんとデートしたい」
穂の邪魔をしないようにって我慢したご褒美かな?
“デートしたい”と言われただけで、たまらなく嬉しくなる。
だって…10ヶ月記念日だって、何もしなかったもんね。
メッセージは送りあったし、お母さんがうたた寝をしている間に家を抜け出して、少し通話もした。
一応、事前に穂が“会う?”って聞いてくれたけど、入学式、始業式、体験入部と立て続けに忙しくしていた穂に無理をしてほしくなかったから断った。
土日だけでもゆっくり休んでほしい。
私って良い彼女~!って自画自賛することで、なんとか会いたい気持ちを堪えた。
穂は生徒会の仕事を片付けつつ、家に帰ったら、ちゃんと配信されている予備校の授業を受けているらしい。
予備校で習ったことをノートにまとめて、私に渡してくれる。
穂のメモ書き付きの、愛情たっぷりノートだ。
だから私は、その穂の努力に応えなければならないのだ。
誉が友達に誘われてバスケ部に入部したらしく、帰りが遅くなったから、食事もまた穂が用意していると言っていた。
お腹を空かせて誉が帰ってくるものだから、ご飯を作る量が増えたと、穂にしては珍しく愚痴っていた。
一昨日、お母さんが久々に酷く酔っ払ったらしく、それの介抱もあり、昨日の穂は疲れ切った様子だった。
やっぱり、土日に会わなくて大正解だったと思った。
「…私に癒やされたい?」
穂の両眉が上がる。
「癒やしてくれるの?」
「うん!マッサージとかしてあげよっか?」
パッと彼女の表情が華やぐ。
「永那が言うと卑猥に聞こえる」
千陽がボソリと言う。
それに桜が笑うから、「なに笑ってんだよー、桜」とツッコむと、彼女は緩む口元を手で隠した。
パンを食べ終え、穂の後ろで膝立ちになる。
「肩で良い?」
「あの…腰がね…?お母さんをベッドまで連れて行った時、ちょっとピキッてなっちゃって…」
「え、大丈夫?」
「うん…一応、湿布は貼ったから、そんなに痛くはないんだけど」
彼女の腰に触れる。
あー、エッチしたい。
でも、こんなに疲れている彼女に無理はさせられないし、そもそもする時間が確保できない。
…ん?そしたら、いつ出来るんだ?
彼女の腰を親指で押しながら考える。
「ごめーん!話してたら盛り上がっちゃった」
優里が階段を駆け上がってきた。
「転ぶなよー」
「大丈夫だよ~」
ふふんっと優里がドヤ顔をする。
ドヤ顔するところがおかしい。
急いでお弁当箱を開けて、食べ始める。
お弁当箱を包んでいたランチクロスにポロポロとご飯を落として、指で拾って食べている。
…それならゆっくり食べて、落とさないようにしたほうが効率良くない?
「そういえば、千陽のお父さんのパーティ、来週の土曜日だったよね?」
穂が食べ終えたお弁当を片付けながら言う。
「うん、前一緒に買った服、着てきてね」
「わかった」
「いいな~、私もパーティ行ってみたかった~!なんで部活の日に被るかな~!」
10ヶ月記念日、もし会っていたら、この1ヶ月、穂の土曜日は全部潰れていたことになる。
お母さんが忙しくなければ、家の掃除や洗濯をしてくれるみたいだけど、忙しいと溜まってしまうから穂がやっていると言っていた。
今、穂のお母さんが忙しいのかどうかは、私にはわからない。
でも…まあ、酔っ払っていたくらいだし、忙しいのだろうと勝手に予想している。
つまり、空いている日曜日も、きっと穂は家事とかで忙しい。
そんなに忙しくしていたら、文化祭の時みたいに、また熱を出してしまうかもしれない。
それは避けたい。
「穂、その日、泊まってくでしょ?」
穂が気まずそうに私をチラリと見る。
私は敢えて無表情に見返した。
「うん…」
「楽しみ」
千陽が恍惚と笑みを浮かべる。
桜が体育座りして真っ赤に染まった顔を両手で隠す。
…やっぱり、桜とは1回ちゃんと話してみないとな?
なんで、たかだかお泊まりするという話をしただけで、赤面するのか。
パーティの日にお泊まりする話は、穂にされていた。
事前にわかっていたし、了承したはいいものの、私が穂とエッチできてないのに2人がするのは、やっぱり不満だ。
…まあ、記念日に会うのを断ったのは私なんだけどさ。
「でしょー」
穂に抱きつく。
「ちょっと教室から遠いのが難点だね」
「ま、それくらいは仕方ないさ」
穂が頷く。
さっそく床に座り、穂と桜は膝に弁当を広げる。
千陽は壁に寄りかかって、サラダとパスタが入ったプラスチックのカップを手に持って食べ始めた。
「穂は、体験入部期間終わったし、そろそろ落ち着きそう?」
「そうだね。体育祭で忙しくなるまでは、活動日は火曜日だけに戻るよ」
「そっか。お疲れ様」
「ありがとう。…あ、今週の土曜日は、新入生歓迎会をするから、バーベキューがあるよ」
「ああ、打ち上げとかでもやってたやつね」
「うん。それと、5月に1回、ボランティア活動がある以外は通常通りかな」
「あ~、穂とデートしたい」
「私も、永那ちゃんとデートしたい」
穂の邪魔をしないようにって我慢したご褒美かな?
“デートしたい”と言われただけで、たまらなく嬉しくなる。
だって…10ヶ月記念日だって、何もしなかったもんね。
メッセージは送りあったし、お母さんがうたた寝をしている間に家を抜け出して、少し通話もした。
一応、事前に穂が“会う?”って聞いてくれたけど、入学式、始業式、体験入部と立て続けに忙しくしていた穂に無理をしてほしくなかったから断った。
土日だけでもゆっくり休んでほしい。
私って良い彼女~!って自画自賛することで、なんとか会いたい気持ちを堪えた。
穂は生徒会の仕事を片付けつつ、家に帰ったら、ちゃんと配信されている予備校の授業を受けているらしい。
予備校で習ったことをノートにまとめて、私に渡してくれる。
穂のメモ書き付きの、愛情たっぷりノートだ。
だから私は、その穂の努力に応えなければならないのだ。
誉が友達に誘われてバスケ部に入部したらしく、帰りが遅くなったから、食事もまた穂が用意していると言っていた。
お腹を空かせて誉が帰ってくるものだから、ご飯を作る量が増えたと、穂にしては珍しく愚痴っていた。
一昨日、お母さんが久々に酷く酔っ払ったらしく、それの介抱もあり、昨日の穂は疲れ切った様子だった。
やっぱり、土日に会わなくて大正解だったと思った。
「…私に癒やされたい?」
穂の両眉が上がる。
「癒やしてくれるの?」
「うん!マッサージとかしてあげよっか?」
パッと彼女の表情が華やぐ。
「永那が言うと卑猥に聞こえる」
千陽がボソリと言う。
それに桜が笑うから、「なに笑ってんだよー、桜」とツッコむと、彼女は緩む口元を手で隠した。
パンを食べ終え、穂の後ろで膝立ちになる。
「肩で良い?」
「あの…腰がね…?お母さんをベッドまで連れて行った時、ちょっとピキッてなっちゃって…」
「え、大丈夫?」
「うん…一応、湿布は貼ったから、そんなに痛くはないんだけど」
彼女の腰に触れる。
あー、エッチしたい。
でも、こんなに疲れている彼女に無理はさせられないし、そもそもする時間が確保できない。
…ん?そしたら、いつ出来るんだ?
彼女の腰を親指で押しながら考える。
「ごめーん!話してたら盛り上がっちゃった」
優里が階段を駆け上がってきた。
「転ぶなよー」
「大丈夫だよ~」
ふふんっと優里がドヤ顔をする。
ドヤ顔するところがおかしい。
急いでお弁当箱を開けて、食べ始める。
お弁当箱を包んでいたランチクロスにポロポロとご飯を落として、指で拾って食べている。
…それならゆっくり食べて、落とさないようにしたほうが効率良くない?
「そういえば、千陽のお父さんのパーティ、来週の土曜日だったよね?」
穂が食べ終えたお弁当を片付けながら言う。
「うん、前一緒に買った服、着てきてね」
「わかった」
「いいな~、私もパーティ行ってみたかった~!なんで部活の日に被るかな~!」
10ヶ月記念日、もし会っていたら、この1ヶ月、穂の土曜日は全部潰れていたことになる。
お母さんが忙しくなければ、家の掃除や洗濯をしてくれるみたいだけど、忙しいと溜まってしまうから穂がやっていると言っていた。
今、穂のお母さんが忙しいのかどうかは、私にはわからない。
でも…まあ、酔っ払っていたくらいだし、忙しいのだろうと勝手に予想している。
つまり、空いている日曜日も、きっと穂は家事とかで忙しい。
そんなに忙しくしていたら、文化祭の時みたいに、また熱を出してしまうかもしれない。
それは避けたい。
「穂、その日、泊まってくでしょ?」
穂が気まずそうに私をチラリと見る。
私は敢えて無表情に見返した。
「うん…」
「楽しみ」
千陽が恍惚と笑みを浮かべる。
桜が体育座りして真っ赤に染まった顔を両手で隠す。
…やっぱり、桜とは1回ちゃんと話してみないとな?
なんで、たかだかお泊まりするという話をしただけで、赤面するのか。
パーティの日にお泊まりする話は、穂にされていた。
事前にわかっていたし、了承したはいいものの、私が穂とエッチできてないのに2人がするのは、やっぱり不満だ。
…まあ、記念日に会うのを断ったのは私なんだけどさ。
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