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第三章・銀行強盗事件。2

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 殺人組織らしいやり方だと思ったが、それよりも恐怖を抱く。俺も一歩間違えていたら、瀬戸さんと同じように襲われていたのだ。運よく助かったが、神崎さんが見つけてくれなかったら、どうなっていたか。

「それで他には、情報は分かったのか?」

「いえ……赤薔薇との関係性は何も。しかし井戸慶一については、いくつか分かりました。彼の私生活の素性は、母親と2人で暮らしていたらしいです。収入が少なく貧しいため相当お金に苦労したみたいですね。しかし顔と要領がいいため女性を上手く騙して貢がせて生活をしていた。だが、母親が病で倒れて手術代が必要になり大金を必要に。多分そこで赤薔薇会につけ込まれたんだろうって」

 瀬戸さんの説明に俺は、ビクッと反応した。母親と2人暮らしで……病気!?
 えっ? じゃあ、本当に母を助けるために?
するとハッと佐々木慶一が言っていた事を思い出す。だから……あんな事を。
 まさか本当の事を入り混じっていたなんて。だから信憑性のあるような悲しい表情なっていたのか。俺は、真実を聞かされ動揺してしまう。
 神崎さんは、なるほどと言った表情をしながらため息を吐いた。

「アイツらは、人の弱味につけ込むのも上手いからな。またその手の犯罪は、増えるかもしれん。くれぐれも気をつけるように言っておいてくれ。立花、行くぞ」

「あ、はい」

 俺は、ズキッと胸が痛む思いをしながらも病室を後にするのだった。
 瀬戸さんのお見舞いを済ませた後、車に乗り込んだ。俺は、助手席側に座りシートベルトを付けながらチラッと神崎さんを見る。
 神崎さんは、冷静沈着な割には、たまにせっかちな部分もあるし、よく分からない性格をしている。謎が多い。見た目は、クールで落ち着いた感じだが、普段の性格は、ひょうひょうとして掴み所が無い。それにミステリー好きだったりする。
 だが、たまに奥底に何かを隠しているような気がしてならなかった。
 どれが本当の神崎さんなのか分からない。俺の知らない秘密があるのだろうか?
 運転している横顔をジッと見ていた。すると神崎さんが……。

「あ、そうだ。帰りに銀行に寄るぞ。振り込みがあるのを忘れていた」

「えっ? は、はい。分かりました」

 思いついたように俺に言ってきた。はっ? また急な……。
 俺は、驚きながらも返事をするとそのまま銀行に向かった。駐車場に車を停めると、降りて中に入って行く。受付番号の紙を取ると席に座って待つ事に。
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