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第四章・モデル・ストーカー殺人事件。15

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 インターホンを見るとポログラフの画面が出てきた。
 あ、良かった……無事だ!

「エレナちゃん。立花です。神崎さんも一緒に居ます。大丈夫ですか?」

 俺は慌てて話しかけるとエレナちゃんは、見るなり涙目になっていた。

「待ってて……今開けるわ」

 そう言うとオートロックのドアを開けて中に通してくれた。セキュリティーもバッチリだ。しかし画面から見ても顔色が真っ青だったし表情も暗い。
 部屋で泣いていたのかと思うと胸が張り裂けそうだった。
 エレベーターで上がり部屋まで向かった。そしてもう一度インターホンを押してドアを開けてもらう。
 するとドアが開いた瞬間エレナちゃんは、俺に抱きついてきた。
 急に抱きついてくるので驚いてしまった。

「え、エレナちゃん!?」

「私もう……ダメかも。カメラの前で笑えないの」

 涙を流しながらギュッと抱きついてくる。それを聞いて俺は、胸が余計に苦しくなるが、不安にならないようにギュッと抱き締め返した。
 しばらく抱き締めた状態でエレナちゃんを落ち着かせる。部屋に入れてもらうとソファーに座らせた。1DKの広いリビングがある造りになっていた。
 女の子らしいピンクや白に統一され、可愛いぬいぐるみや小物がたくさんある。

 本当なら人気モデルの辻エレナの部屋に来れたのだから浮かれてもいいはずなのだが、彼女の事を考えるとそんな気は起きなかった。
 神崎さんは、落ち着くようにホットチョコレートを作ってくれた。
 鍋に牛乳を入れて沸騰させた後に刻んだチョコレートを加え混ぜる。マグカップにそそぐとマシュマロを入れて持って来てくれた。

「これを飲むと少しは、ラクになるよ」

「ありがとうございます。わぁー美味しそう」

 エレナちゃんは、嬉しそうにお礼を言うが、表情は笑っておらず暗かった。
 そしてホットチョコレートに口をつけた。俺は、それを見ながら複雑な気持ちになる。傷心したエレナちゃんを見るのが辛い。

「エレナちゃん。気持ちを考えると辛いだろうけど聞いてほしい。伊藤さんは、他殺だ。しかも特種な麻薬を使い自殺のように殺された」

 一番言いにくいことを神崎さんが代わりに伝えてくれた。
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