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0円の歌
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路上ライブで歌っている。誰も聴いてくれない。チップすらもままならない。聴いて欲しい。この曲を。歌なんてカラオケでいくらうまく歌おうが無料の歌だ。しかしレコードを聴くとわかるようにライブで聴けばわかるようにテレビで聴けばわかるようにラジオで聴けばわかるようにサブスクで聴けばわかるようにユーチューブで聴けばわかるとおり数億円の歌が存在している。昔は無料だった歌がいまや数億円だ。まるで無料だったアート作品が数億円になるように。もしも歌が歌えたなら夢の中へ行ってみたいものだ。さあひとりのアーティストがドームのステージに立つ。歓声と共に数億円の歌が鳴り響いていた。
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