最愛はすぐ側に

なめめ

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祝賀会

祝賀会⑧

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「芸能人同士の交際であればお互いのデメリットもあるからあまり心配はしていないんだけど、僕は君との交際に不安を抱いているんだ。君が真面目で彼を売るような性格ではないと吉澤からも聞いてはいたし、君と会って確証は得たけど一〇〇%じゃない。それに律仁のファンだと聞いて益々ね。ファンに陶酔する本人も本人だけど、律仁もこれから海外進出の準備で一番大事な時期になる。君が彼の足掛けになるようなことは君自身も嫌だろ?これを機に身を引くという選択肢も視野に入れておいてほしいと僕自身の意見では思っている」
「えっと……。それは……」
 
「不躾な話をして悪かったね。強制の話ではないんだ。あくまで当人同士の問題だから強くは言わないよ。でも律仁は過去にも恋愛に溺れて自身を見失った時期があったんだ。親心としては心配でね」

「あ、いいえ。貴重なお言葉ありがとうございます。し、失礼します」

 当たり前のように律仁さんの隣にいたけど忘れてはいけない芸能人という壁。冷水を浴びせられたように目が覚めた渉太は、動揺を隠せないままその場でお辞儀をすると会場を後にした。

 当人同士がよければそれでいい……。だけでは、完結にできない周りの視線や意見。事務所を守る側の人間としては律仁さんの損失を恐れて然るべきことを言っただけだと、理解はしている気でいたが、自分は少しだけ浮かれ気味だったのかもしれない。心のどこかで二人の交際を容認してくれているものだと思っていた。社長さんの言葉は渉太の中で思いのほか、胸を抉るものがあった。

 彼が海外に一緒に着いて来てほしいとは言った時も自分は一緒に行けないと告げてはいたが、お互い別れる選択肢はとらなかったのは間違いだったのだろうか。いっその事、彼のことを想うのであれば手放す判断をするべきだったのだろうか……。
会場を出て、突き当りにある大きな窓に体を預けて深く息をする。今、平然とした顔で律仁さんに合わせる自信がない。律仁さんにこの話をすれば社長相手だとしても反発心から喧嘩をふっかけ兼ねない。だから絶対に悟られてはいけない……。けれど、悲しさから目頭が熱くなり思わず目元を両手で覆った。

「社長、少し手厳しいでしょ?あの人冷淡なところあるから」

 背後の方から声を掛けられて振り返る。そこには綺麗な水色のドレスに身を包んだ女性が此方へ向かって来ていた。首元がキラキラと光っている色の白い肌にミルクティー色の美しい髪。渉太はその女性に見覚えがあった。

「ゆ、雪城レイナ……さん」

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