最愛はすぐ側に

なめめ

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祝賀会

祝賀会⑦

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一般人の自分が内情に踏み込んで根掘り葉掘り聞くのも違うだろうし律仁さんが、社長が父親などと話していたことから、単なる社長とタレントの関係でもなさそうではあった。

 ふと実家に帰った時に話してくれた、律仁さんの母親のお店の常連が事務所の社長さんで、その社長さんにスカウトされてこの世界に入ったと話してくれたことを思い出す。

 話しに出てきた『朋子さん』が誰かは分からないが、家族のことをあまり話したがらない律仁さんのことだから彼の母親のことなのだろうか……。

「早坂くんっと言ったね」

 そんなことを考えていると社長さんの方から話し掛けてきて、渉太の身体がビクリと跳ねる。

「は、はいっ」
「最初ビックリしただろ?君も知らなかった訳じゃないだろ?律仁のこと」

 社長さんに問われて「え、えーっと」と言葉に戸惑いを見せると「吉澤からある程度の話は聞いているよ。君の大学に出入りしていたんだろ?」と補足を受けて、渉太と律仁さんの馴れ初めの話であることを察する。

「は、はい……。ビックリと言うか、俺なんかの一般人が律仁さんみたいな華やかな人と出会えることができるとは思ってもみなかったというか……」
「全く……うちのトップは問題児だけど、律仁はいい意味でも悪い意味でも真っすぐさがあるからね。仕事も真剣に役割を果たすし、彼には魅力がある。会社にはなくてはならない存在だよ」

 自分の事ではなくても律仁さんが褒められているのは嬉しい。大袈裟ではなくて社長さんの言う通り律は事務所の看板を背負っている存在であるのは間違いないから……。

「最近の律仁は以前よりも野心に溢れているし、年齢を重ねた柔らかさも相まって仕事の幅は広がっているみたいだしいい傾向ではあるよ。けど……」

 吉澤さんにも言われていた言葉に喜々としたくなったが、後に続く社長さんの言葉に渉太は身構えていた。唾を飲みこんで静かに彼の口元に集中する。社長さんの表情は先ほど、友好的に話していた柔らかさがなくなり、険しい表情へと変わっていく。


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